浄化槽は、家庭や事業所から出る生活排水をきれいにしてくれる装置ですが、使わなくなった時や、最終処分については悩ましいところです。

こういった悩みの方は多くいらっしゃいます。使わなくなった浄化槽は環境影響や事故の原因になる可能性があるので、すぐに取り除いたり埋めたりすることが大切です。 浄化槽を使わないときは、法律で届け出ることが必要となります。

この記事では浄化槽の種類、撤去の方法・費用感、手続きの流れについてまとめました。

一般的な住宅で使われている浄化槽(5~7人槽)の撤去費用相場は「1基あたり5万円~10万円」となります。ただし浄化槽の種類、材質、地中やその他環境によっては追加の費用がかかりますし、業者によって幅はありえます。

浄化槽を撤去するまでの手順と、その方法について解説します。

手順① 汲み取り、清掃、消毒

浄化槽を撤去する前にこれらの作業が必要です。浄化槽清掃業許可を受けた専門の業者に依頼をしておきます。費用は2~4万円が相場です。

手順② 浄化槽の撤去

浄化槽の撤去および廃棄処理は、解体業許可を受けた解体工事業者にに依頼をします。こちらのの費用が5~10万円となりますので、合計すると7~14万円は考えておく必要があります。

3種類の浄化槽の撤去方法について解説します。どれを選択するかは目的や費用によります。

①解体撤去
全て撤去して埋める方法です。本体の撤去、型枠、地表部分のコンクリートの解体撤去を行います。浄化槽を撤去した後は土で埋め地中には何も残っていない状態にします。この状態になれば土地を売却することも可能です。すべて綺麗にする最もおすすめの方法です。

②埋め戻し
本下水道が通ったから既存の浄化槽はそのまま地中に残しておくような場合に取る選択肢です。本槽の上部を解体し埋め戻したり、フタを撤去して内部を埋め戻し、コンクリートでフタをするような処理を行います。一時的には埋め戻しを行い、将来的に建物を建て替えたり、土地売却をするなら、地中の埋設物として撤去する必要があります。(二度手間になるので出来れば①の方法がよいでしょう)

③埋め殺し
浄化槽の埋め殺しという処分方法は、解体も撤去も行わず、浄化槽そのものをそのまま地中に埋めてしまう方法です。費用は安くなりますが後々問題になることもあり、要検討でおすすめはしません。

FRP浄化槽とコンクリート浄化槽は、どちらも汚水を浄化するための設備ですが、その材質に違いがあります。コンクリート浄化槽は、セメントや砂などの材料を混ぜて固めたもので強固な造りになっています。

FRP浄化槽は、繊維強化プラスチック(FRP)という合成素材でできており、軽くて丈夫な特徴があります。コンクリート浄化槽よりも施工が簡単で、メンテナンスもしやすい、解体もしやすいという利点があります。最近では、FRP浄化槽の方がコンクリート浄化槽に比べて人気が高まっています。

この2つに関しては撤去費用について幅が異なり、コンクリート製の方がやや費用がかかります。

浄化槽には「単独浄化槽」と「合弁浄化槽」の2種類あります。この2つに関して撤去費用は差がありません。

浄化槽ではなく汲み取りトイレの話も参考までにしております。最近では見なくなった汲み取り式トイレは田舎の古い住居ではまだ存在している場合があります。

汲み取りトイレを撤去しないと汚泥が蓄積されていき悪臭等の問題が発生します。早めの撤去がのぞましく。汚水の汲み取り・清掃・消毒を行い撤去することになります。トータルで5万円前後の費用がかかります。

浄化槽の埋め殺しという処分方法は、解体も撤去も行わず、浄化槽そのものをそのまま地中に埋めてしまう方法です。処分する費用としては安価ですが法律の課題が伴います。

浄化槽は撤去する前に汚水の清掃、消毒が必要です。そのまま埋め殺しをした場合、将来的に汚水の流出等で環境への影響が懸念されます。廃棄物処理法違反となる可能性もあるため、一時的な措置として行うのが一般的です。

もし土地として売却する場合、売主の責任で浄化槽はすべて撤去する必要があります。もし浄化槽を埋めた状態で土地を売却した場合、契約不適合責任で売主の責任が追及される可能性があります。

浄化槽の撤去は解体業者に依頼しましょう

浄化槽の撤去に加え家のリフォームも兼ねる場合はリフォーム会社に依頼して一気通貫で実施してもらう事もできます。(リフォーム会社からの下請けで解体業者が来ることになるでしょう)

料金は10万円前後になるでしょうから場合によっては複数の業者に相談したほうが安全です。

ここでは浄化槽の所有者の方の手順をお伝えします。浄化槽の廃止・撤去には行政への届出が必要となりますので、以下の手順に従って進めていきます。

茨城県での浄化槽に関する情報は以下のホームページより詳細をご確認ください。
茨城県の浄化槽の手続き

浄化槽の使用を廃止するときは、「浄化槽使用廃止報告書(3部)」を使用廃止後30日以内に提出する必要があります。

問い合わせは以下となります(参考)。

浄化槽の種類には、単独処理浄化槽、合併処理浄化槽の2つがあります。それぞれの特徴について記載します。

  • 単独浄化槽(トイレ排水のみ)

単独処理浄化槽とは、トイレの汚水だけを処理する浄化槽です。トイレの汚水は、有機物や病原菌などが多く含まれており、そのまま放出すると環境や人体に悪影響を及ぼします。単独処理浄化槽は、このトイレの汚水を微生物や酸素の力で分解して無害化する機能があります。さらに種類として腐敗タンク型、全ばっ気型、分離ばっ気型があります。腐敗タンク型は、汚水を腐敗させて分解する最も古いタイプの浄化槽。全ばっ気型は、汚水を空気で撹拌して分解するタイプの浄化槽。分離ばっ気型は、汚水を固形物と液体に分離してそれぞれ分解するタイプの浄化槽です。2001年4月から浄化槽法によって製造・販売・設置がされなくなりました。

  • 合弁処理浄化槽(トイレ+生活排水)

合併処理浄化槽とは、トイレの汚水と生活雑排水(台所や風呂場などから出る排水)を一緒に処理する浄化槽です。生活雑排水には、油や洗剤などが含まれており、そのまま放出すると河川や海洋の汚染につながります。トイレの汚水と生活雑排水を混ぜて一括して処理。合併処理浄化槽には、嫌気ろ床接触ばっ気型、性能評価(コンパクト)型、高度処理型などの種類があります。嫌気ろ床接触ばっ気型は、汚水を嫌気性(酸素がない)状態でろ過して分解するタイプの浄化槽です。性能評価(コンパクト)型は、汚水を小さく高性能な装置で処理するタイプの浄化槽、高度処理型は、汚水をより高度に清掃するタイプの浄化槽です。

現在は単独浄化槽から合弁浄化槽への入れ替えが推進されています。自治体によっては入れ替え補助金が出る場合もあります。

見分け方ですが、前述のとおり2001年(平成13年)4月1日以降に設置されたものはすべて合弁処理浄化槽という事になります。また、台所の水を流しっぱなしにして浄化槽の蓋を開けてみてみると、合弁浄化槽の場合は台所の水が流入してきます。これで見分ける事もできます。

浄化槽のサイズ感ですが以下を参考にしてください。

小型浄化槽:5/7/10人槽
中型浄化槽:14~50人槽
大型浄化槽:51~7200人槽

浄化槽の大きさは、家の延べ床面積によって決まります。小型浄化槽の場合、人員算定表によって決められた家の延べ床面積、人員数に応じて、槽の大きさが決まります。一般的に、家庭用の浄化槽の容量は、1人あたり100L程度で設計されています。

一般家庭で使われるのは小型です。その中でも

5人槽:居宅の床面積130㎡未満
7人槽:居宅の床面積130㎡以上
10人槽:2世帯住宅・台所と風呂がある場合

このような基準があります。

浄化槽の撤去に関しては補助金が使える可能性があります。

(1)取り換えに関する補助金

単独浄化槽→合弁浄化槽への取り換えのケースについて、自治体が補助金を設けている場合があります。古い単独浄化槽から合弁浄化槽への切り替えを推進しているということです。

(2)下水道工事に関する補助金
もう1つは、下水道への接続に関して補助金が使える場合があります。本下水道が自宅の前まで来ている場合、下水道の接続工事を行えば、浄化槽は不要です。この下水道の接続工事につき補助制度がある自治体があります。補助制度とは①補助金の支給、②融資の斡旋・利子補給③貸付などです。

場合によっては数万円~30万円ほど出る場合もあるので自治体の詳細を確認しておきましょう。

茨城県に関しては、各市が「合弁浄化槽への取り換え」「下水道接続工事」について補助を出していますので確実に申請するようにしましょう。

地中にある浄化槽をたんに撤去するようなケースでは、補助金を出している自治体は無いように思います。(全ての都道府県の事例まではチェックできていません)

浄化槽の撤去は解体Doにご相談ください

弊社「解体Do!」は茨城県で営業する解体工事専門店です。

浄化槽の撤去はもちろん、戸建、小屋、納屋、地中埋設物など解体撤去および整地まで、専門の技術と知識で対応させていただいております。

さらに、不動産業も展開しており、物件の売却など、総合的なサポートもご提供可能です。浄化槽の撤去をご検討中であれば、お気軽に以下ページからお問い合わせください。
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