▶ 解体費用の全体像は「解体工事の費用相場・流れ・業者選び」完全ガイドでくわしく解説しています。

浄化槽は、家庭や事業所から出る生活排水をきれいにする設備です。下水道につないだとき、家を解体するとき、土地を売るときなど、使わなくなった浄化槽をどうするかで迷う方は少なくありません。

この記事では、費用が変わる6つの要因、休止・廃止の届出、撤去か残すかの判断、見積もりの見方を順に整理します。金額は現場で大きく変わり、出典を確認できない数字は載せられないため、一律の相場は掲載していません。

※届出に関する内容は、茨城県の公式ページ(2026年9月25日更新分)を2026年10月28日に確認したものです。制度は変わることがあるため、提出前に必ず窓口へご確認ください。

浄化槽の撤去を説明するイラスト(茨城県の解体Do!)

「浄化槽の撤去費用の相場は?」と聞かれても、一言では答えられません。同じ人槽の浄化槽でも、現場の条件で必要な作業が変わるからです。見積もりを比べるときは、次の6点を業者に確認してください。

要因費用への影響確認しておきたいこと
① 種類単独処理か合併処理かで、槽の大きさや構造が違い、作業量が変わる単独(みなし)か合併か
② 容量(人槽)5人槽・7人槽・10人槽と大きいほど、掘削量や処分量が増える管理票や保守点検記録の人槽表示
③ 材質FRPとコンクリートで、解体の手間や処分の内容が異なる古い浄化槽はコンクリート製のこともある
④ 埋設状況深い、上に土間コンクリートや駐車場がある場合は掘削・復旧の作業が増える槽の位置と、上に何があるか
⑤ 立地条件重機が入れない場所は手作業になり、作業日数が増えることがある前面道路の幅、隣地との距離、搬出経路
⑥ 処理方法全撤去か、槽を残して内部を充填するかで、作業内容と費用の構成が変わる次の章の比較表を参照

浄化槽の費用は、次のような項目の合計で決まります。「撤去一式」とだけ書かれた見積書は、どこまで含まれているのか分からず、追加請求のもとになります。項目ごとに分かれているかを確認しましょう。

項目内容費用が増えやすい条件見積書で確認すること
最終清掃汚泥等を全量引き出し、洗浄・消毒する槽が大きい、汚泥が多い清掃業者の名前、撤去費用とは別建てか
掘削槽の周囲を掘り、取り出せる状態にする深い、上に舗装・土間がある掘削範囲、上部の舗装を壊す費用の有無
本体の撤去槽を割る、または引き上げるコンクリート製、大型どこまで撤去するか(全部か一部か)
運搬・処分撤去した槽やがれき類を運び、処分する処分量が多い誰が運搬・処分するか、処分方法の記載
埋め戻し・転圧土砂を入れて締め固める深い、土砂の持ち込みが必要使う土砂の種類、締め固めの内容
地表の復旧整地、舗装の復旧など駐車場や庭石があるどこまで元に戻すか
追加費用想定外の埋設物、手作業への切り替え、排水対応など現地調査で見えない部分追加が出る条件、事前連絡のルール

金額の目安は、業者によって前提が違うため、ここでは載せていません。現地調査をしたうえで、上の項目に分けた見積書を2〜3社から取って比べてください。金額だけで選ぶと、清掃や処分が抜けた見積もりに当たることがあります。

建物を解体する予定があるなら、浄化槽の撤去も含めた見積もりを最初から頼むのがおすすめです。同じ現場で重機や運搬、養生をまとめやすく、別々に頼むより重複する費用や手間を減らせる場合があります(効果は現場によります)。解体後に「浄化槽が出てきたので追加で」と言われるのを避けやすくなります。

浄化槽の最終清掃(汲み取り)作業のイラスト

どの方法でも、最初に最終清掃が必要です。浄化槽の中に残った汚泥等は、岐阜県の公表資料では一般廃棄物にあたるとされ、清掃をせずに地下へ浸透させたり河川に流したりすると廃棄物処理法違反(不法投棄)になると説明されています。清掃は、市町村の許可を受けた浄化槽清掃業者に依頼します(依頼先が分からないときは市町村へ確認)。

処理方法内容向いているケース注意したい点
全撤去槽を取り出して処分し、地中に残さない売却や建て替えの予定がある、将来の障害を残したくない掘削範囲や上の舗装の復旧で費用が変わる
槽を残す(内部充填・上部の解体など)清掃後、槽の上部を壊したり、内部を砂などで充填して残す当面の予定がない、撤去が難しい場所にある呼び方や作業内容は業者で違う。将来の売却・建築で支障になることがあり、位置や処理内容の記録が必要

「埋め殺し」「埋め戻し」といった言葉は、業者や地域で指す作業が異なります。見積もりを取るときは、清掃をどこまでするか、内部を何で埋めるか、上部をどこまで壊すかを、言葉ではなく作業内容で確認してください。

槽を残した場合も、使用をやめたときの届出(後述)は必要です。売却や建て替えの予定があるなら、撤去しておくと買主や施工会社に説明する手間が減ります。残す場合は、あとで困らないよう、槽の位置・大きさ・処理内容を図面や写真で記録しておくことをおすすめします。

浄化槽を使わなくなったときの届出には、休止届と廃止届があります。茨城県の公式ページでは、次のように案内されています(2026年9月25日更新分)。

浄化槽使用休止届出書浄化槽使用廃止届出書
どんなとき浄化槽の使用を休む場合浄化槽の使用をやめる場合
提出任意(出さなくてもよい)必要
期限記載なし使用を廃止した日から30日以内
様式・部数様式第10号・3部様式第12号・3部
添付書類浄化槽の清掃記録 1式なし
窓口設置場所を管轄する市町村設置場所を管轄する市町村
ポイント提出すると、休止中の維持管理・検査の義務が免除される。休止前に清掃(汚泥等の全量引き出し、張り水、ブロワーの停止、消毒剤の撤去)を行う撤去したかどうかとは別に、使用をやめたときに必要。どの日を廃止日とするかは窓口で確認

休止は「また使うかもしれない」ときの届出で、撤去・廃止とは別の手続きです。廃止届の30日は使用を廃止した日から数えるため、撤去工事の完了を待って出すと間に合わなくなることがあります。日付の考え方は、必ず窓口で確認してください。

受付窓口は設置場所を管轄する市町村です。県の公式ページでは、受付時間は月曜日〜金曜日(12月29日〜1月3日と祝日を除く)の午前8時30分〜午後5時と案内されています。市町村によって様式の入手方法や運用が異なる場合があります。問い合わせ先は、設置場所の市町村または次の県の機関です。

機関電話
環境政策課 県央環境保全室029-301-3044
県北県民センター 環境・保安課0294-80-3355
鹿行県民センター 環境・保安課0291-33-6056
県南県民センター 環境・保安課029-822-7048
県西県民センター 環境・保安課0296-24-9134

最新の案内は茨城県「浄化槽使用廃止届出書」と茨城県「浄化槽使用休止届出書」をご覧ください。

公共下水道が整備された区域では、下水道への接続(排水設備の工事)が必要です。接続工事は市町村が指定する指定工事店が行います。接続の時期や期限、対象は市町村によって異なるため、まず下水道担当課で自宅が供用開始区域かどうかを確認してください。浄化槽の撤去と下水道接続は、順番を含めて一緒に計画すると無駄が出にくくなります。

  1. 下水道の供用開始区域かを市町村に確認する(下水道に接続する場合)
  2. 浄化槽の最終清掃を、許可を受けた清掃業者へ依頼する
  3. 撤去工事(または槽を残す処理)を、見積もりの内容どおりに実施する
  4. 使用を廃止した日から30日以内に、浄化槽使用廃止届出書を市町村へ提出する
  5. 保守点検・清掃・法定検査の契約を解約する

最後の解約は忘れやすい項目です。撤去したのに保守点検の費用を払い続けていた、ということがないよう、届出とあわせて確認してください。

地中に浄化槽が残っていると、売却や建て替えの場面で話題になります。ただし、必ず撤去しなければならないと一律に決まっているわけではなく、売買契約の内容や買主の希望、新しい建物の基礎の位置などによって変わります。

  • 契約条件の確認…撤去を引き渡しの条件にするか、現状のまま引き渡すか、買主と書面で合意する
  • 告知…槽の有無・位置・清掃や充填の状況を、分かる範囲で買主へ伝える
  • 建て替え…新築の基礎や外構と槽の位置が重なる場合は、結局撤去が必要になることがある

契約不適合責任の扱いなど、個別の契約に関わる判断は、不動産会社や弁護士などの専門家に相談してください。

  • 地盤の沈下…空洞のままの槽が劣化して崩れると、上の地面が沈むことがあります。内部を充填する理由の一つです
  • 悪臭・害虫…汚泥を残したままだと、悪臭や蚊・ハエの原因になります
  • 水質・土壌への影響…槽が破損すると、残った汚泥が地中へ流れ出るおそれがあります
  • 届出の未提出…使用をやめたのに廃止届を出していないと、手続き上は使用中のまま扱われることがあります

補助制度は市町村ごとに内容も金額も年度も異なり、予算の上限に達すると受付が終わることがあります。多くの制度は工事の前の申請が条件なので、着工してからでは使えない場合があります。

  • 単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ転換する場合…既存の浄化槽の撤去を対象に含める制度を設けている市町村があります
  • 下水道へ接続する場合…水洗化に関する助成や融資のあっせんがある市町村があります
  • 撤去だけを対象にする場合…制度がない市町村もあります。まず担当課に確認してください

本記事では特定の市町村の補助金額は載せていません。最新の内容は、お住まいの市町村の公式ホームページか担当課でご確認ください。

浄化槽の種類を説明するイラスト

浄化槽には、トイレの汚水だけを処理する単独処理浄化槽と、トイレと台所・風呂などの生活排水をあわせて処理する合併処理浄化槽があります。単独処理浄化槽は、2001年(平成13年)4月以降、原則として新しく設置できなくなっています。そのため、単独処理の浄化槽が残っている場合は、設置から長い年数がたっています。

  1. 敷地内のマンホールを探す…丸いフタが複数並んでいれば、浄化槽の可能性があります
  2. ブロワー(送風機)を探す…屋外に小型の送風機があれば、合併処理浄化槽の手がかりになります
  3. 保守点検・清掃の記録を探す…管理票や法定検査の書類に、種類や人槽が書かれていることがあります
  4. 水道料金の明細を見る…下水道使用料が引かれていなければ、下水道には未接続です
  5. 市町村の下水道担当課に問い合わせる…住所が供用開始区域かどうかが分かります

見た目だけでは種類や容量を断定できないため、最終的には記録や専門業者の現地確認で判断してください。

古い住宅には、浄化槽ではなく汲み取り式のトイレが残っていることがあります。汲み取り・清掃・消毒を行ったうえで撤去することになりますが、作業内容や費用は現場で異なるため、浄化槽と同じように内訳付きの見積もりで確認してください。

  • 最終清掃は、市町村の許可を受けた浄化槽清掃業者へ…依頼先が分からないときは、設置場所の市町村へ確認します
  • 撤去工事は、解体工事業者へ…建物の解体と同時に頼む場合は、まとめて見積もりを依頼できます
  • 運搬・処分は、許可を受けた業者が行うか…誰が運搬・処分するか、処分方法が見積書に書かれているかを確認します
  • 見積書に内訳があるか…「一式」だけの見積もりは、追加請求のもとになります
  • 届出の案内…届出書の作成や提出を代行してくれるかは、業者によって異なるため事前に確認します

相見積もりは2〜3社が現実的です。金額だけで選ばず、清掃・運搬・処分・復旧が含まれているかを並べて比べてください。

浄化槽の撤去は解体Doにご相談ください

解体Do!の担当者

弊社「解体Do!」は茨城県で営業する解体工事専門店です。浄化槽の撤去はもちろん、戸建、小屋、納屋、地中埋設物など解体撤去および整地まで、専門の技術と知識で対応しています。

浄化槽の有無や種類が分からない段階でも、まずはご相談ください。建物の解体や土地の売却とあわせた進め方も、状況をうかがったうえでご提案します。
→ お問い合わせページ

Q. 浄化槽の撤去費用はいくらくらいですか?

A. 一律の金額は決められません。種類(単独処理か合併処理か)、容量(人槽)、材質(FRPかコンクリートか)、埋まっている深さや上の舗装、重機が入れるか、搬出・処分の方法によって変わります。最終清掃、掘削、本体の撤去、運搬・処分、埋め戻し、地表の復旧が見積書に分けて書かれているかを確認し、現地調査のうえで見積もりを取ってください。

Q. 浄化槽の「休止」と「廃止」はどう違いますか?

A. 茨城県の案内では、休止は浄化槽の使用を休む場合の届出で、提出は任意です。提出すると休止中の維持管理・検査の義務が免除されますが、休止前に清掃(汚泥等の全量引き出し、張り水、ブロワーの停止、消毒剤の撤去)をして、清掃記録を添付します。廃止は浄化槽の使用をやめる場合の届出で、使用を廃止した日から30日以内に提出します。どちらも窓口は設置場所を管轄する市町村です。

Q. 浄化槽使用廃止届出書はいつ、どこへ出しますか?

A. 茨城県の案内では、浄化槽の使用を廃止した日から30日以内に、様式第12号の浄化槽使用廃止届出書を3部、設置場所を管轄する市町村へ提出します。その他の添付書類は不要と書かれています。市町村によって様式の入手方法や受付の運用が異なる場合があるため、事前に窓口へ確認してください。

Q. 浄化槽を撤去せず地中に残しても問題ありませんか?

A. 槽を残すかどうかとは別に、使用をやめたときは廃止届が必要です。また、槽の中に残った汚泥は適正に処理する必要があり、最終清掃を行わずに地下へ浸透させたり放流したりすることは認められません。槽を残す場合の条件は市町村や業者で扱いが異なるため、内部の充填方法を含めて事前に確認してください。

Q. 土地を売るときは、浄化槽を必ず撤去しなければなりませんか?

A. 必ず撤去しなければならないと一律に決まっているわけではなく、売買契約の内容や買主の希望によって変わります。撤去しない場合でも、槽の有無・位置・清掃や充填の状況を買主に伝えておかないと、引き渡し後に見つかったときにトラブルになるおそれがあります。具体的な契約条件は、不動産会社や専門家に相談してください。

Q. 浄化槽の撤去に補助金は使えますか?

A. 市町村によって制度の有無も内容も異なります。単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ転換する場合や、下水道へ接続する場合に、既存の浄化槽の撤去を含めて対象とする制度を設けている市町村があります。多くの制度は工事の前に申請が必要です。お住まいの市町村のホームページや担当課で、着工前に確認してください。

Q. 建物の解体と同時に浄化槽を撤去するメリットはありますか?

A. 同じ現場で重機や運搬車両の手配、養生をまとめやすく、別々に頼むより重複する費用や手間を減らせる場合があります。効果の大きさは現場によって違います。解体を予定している場合は、最初から浄化槽の撤去を含めた見積もりを依頼すると、解体後の追加請求を避けやすくなります。

Q. 自宅に浄化槽があるかどうか、どう確認しますか?

A. 敷地内の丸いマンホールのフタが並んでいないか、屋外にブロワー(送風機)がないかを見てください。保守点検や清掃の記録、水道料金の明細で下水道使用料が引かれているかも手がかりになります。確実に知りたい場合は、市町村の下水道担当課に住所を伝えて、下水道の供用開始区域かどうかを確認してください。

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