解体工事は滅多に行うものではないため、こういった疑問を持たれる方は多くいらっしゃいます。この記事では解体工事に関して必要な届出や許可書類についてまとめました。

また工事業者が届出するもの、施主が届出するものがありますし、忘れると罰則の恐れもあるためよく把握して解体工事の準備をしておくことをお勧めします。

まずは解体工事に関わる届出の一覧です。たくさんの届出がありますが工事業者に工事を依頼する場合、多くの書類は業者に委任することが可能です(届出義務者の列をご覧ください)。ご自身で届出するものはあまりありませんので、まずは安心していただきたいです。

届出許可名称 届出義務者 提出時期 罰則 根拠 提出先
建設リサイクル法に関する届出 発注者または自主施工者 工事日の7日前まで 20万円以下の罰金 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律10条 都道府県知事
建築物除去届 工事施行者 工事日の前日まで 50万円以下の罰金 建築基準法第15条第1項 特定行政庁
道路使用許可 工事業者 自治体による 3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金 道路交通法77条 警察署長
建物滅失登記申請 登記名義人 滅失の日から1月以内 10万円以下の過料 不動産登記法57条 法務局
アスベストに関する届出
石綿事前調査結果の報告 事業者または自主施工者 遅滞なく 30万円以下の罰金 大気汚染防止法18条15の6 都道府県知事
特定粉じん排出等作業実施届出書 発注者または自主施工者 工事日の14日前まで 3月以下の懲役又は30万円以下の罰金 大気汚染防止法18条の17第1項 都道府県知事
建築物解体等作業届 工事業者 あらかじめ 石綿障害予防規則5条 労働基準監督署長

とはいえ、業者がこれらの書類を法に従って提出先に提出しているかどうかはチェックしておいた方が、無用なトラブルを避ける為にも良いと思います。

アスベストを含む建築物の解体工事や改修工事(リフォームやリノベーションなど)を行う際には、様々な届出書を行政へ提出する必要があります。

大気汚染防止法 第18条15第6項の規定により、対象建物の床面積の合計が80㎡以上となる建築物を解体する作業で、建設工事の元請業者または自主施工者は、建築物を解体する際に石綿含有建材が使用されているかどうかについて調査する責任があります。この事前調査結果報告は、原則として「石綿事前調査結果報告システム」から提出するようになっています。労働基準監督署と都道府県知事に電子報告することができます。

大気汚染防止法18条の17第1項に基づき、特定建築材料(吹付石綿等)が使用されている建物の解体工事において、発注者または自主施工者が作業開始の14日前までに、都道府県知事に提出する届出です。

届出する内容
・発注者、元請け業者、自主施工者の氏名、住所・工事の場所・建築材料の種類、使用箇所、面積・その他

こちらは石綿障害予防規則5条に従い、解体作業場で粉塵が著しく発散するおそれのあるアスベストに関し、アスベストの除去、封じ込め、囲い込みの作業を行うときに届出します。事業者は、あらかじめ、建築物等の概要を示す図面を添えて、「建築物解体等作業届」を様式第1号の2にしたがって提出する必要があります。

届出する内容
事業場の名称、所在地、発注者、開始・終了予定日、石綿ばく露防止のための措置の概要など、一定事項を記載して労働基準監督署へ提出します。

「建築物除去届」は、建物の解体や撤去を行う際に必要な書類です。具体的には、10㎡を超える建物を撤去する場合に提出します。この書類は建築基準法第15条第1項の規定により、10㎡を超える建築物の除却を行う場合、建築物除却届(様式第四十一号)を提出する必要があります。提出先は特定行政庁(建築主事を有する市町村の長または都道府県知事)です。具体的な提出方法や必要な記載事項については、茨城県の各市町村に応じた特定行政庁のホームページを参照してください。この届出をせず、又は虚偽の届出をした者は50万円以下の罰金に処されます。

書類は国土交通省のページあるいは、こちらの茨城県のぺ―ジから入手することもできます。

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(いわゆる建設リサイクル法)第10条の届出(分別解体等の届出書)についてです。「建設リサイクル法」は、建設工事における資材の再資源化に関する法律であり、一定の規模以上の工事において、分別解体と再資源化が義務付けられています

対象となるのは、特定建設資材を使用(コンクリートや鉄から成る建設資材、木材、アスファルト)している建築物に関する工事です。また、建築物の解体工事では床面積の合計が80㎡以上の規模の工事が該当します。工事に着手する7日前までには、都道府県知事(市町村の建築課経由など)への届出が必要とされています。また届出をせず、又は虚偽の届出をした者には20万円以下の罰金の罰則が課されます。

解体工事を行う者は以下の内容を含む書類を提出します。

・解体する建築物の構造
・工事着手の時期、工程の概要
・分別解体等の計画
・解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み

・分別解体等の届出書
・別表1(建築物に係る解体工事)
・別表3(建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等(土木工事等))
・設計図・写真・工程表・案内図
・委任状

分別解体の届出書の様式一式はこちらのページからダウンロードできます。

分別解体等の届け出先の一覧についてです。茨城県に関しては次のURLから確認できます。→ 届出の提出先一覧

道路交通法77条1項にしたがって、道路において工事もしくは作業をしようとする者は、所轄の警察署長の許可を受けなければなりません。道路使用許可は各市のホームページにある申請書に記入してください。道路の状況を明示する図面等を添付して、所轄の警察署の受付窓口にて提出します。許可を得るまでは数日を要しますので工事の前に余裕をもって申請する必要があります。

77条1項3項の規定に違反したものは3月以下の懲役または5万円以下の罰金、77条7項の規定に違反したものは5万円以下の罰金があります。

こちらは唯一、建物所有者(施主)がやらなければいけない申請です。とはいえこの申請も「土地家屋調査士」に依頼すれば有償(3~5万円)ですが、可能です。

滅失登記については詳しくまとめた記事をご覧ください。→ 建物滅失登記申請

建物滅失登記は、建物が取り壊されたりなくなった場合に、その建物が不在であることを公に登記する手続きです。具体的な手続きは所轄の法務局や役所により異なることがあります。手順の詳細については、住所地の地方自治体や法務局に直接確認することをお勧めします。

必要書類は以下です。申請書への記入は登記簿謄本から正確に転記しましょう。解体業者から入手すべき書類もありますので忘れずに受け取るよう気を付けてください。

登記事項証明書 不動産登記簿謄本のこと。法務局で取得
建物滅失登記申請書 法務局からダウンロード可能
建物滅失証明書(取り壊し証明書) 解体業者から取得
解体業者の代表の資格証明書 解体業者から取得
解体業者の印鑑証明 解体業者から取得
建物現地の位置図 ネットの地図(Googleマップ等)
状況によって必要になる書類 住民票、戸籍謄本、委任状、除籍謄本

解体を業者に依頼すれば、全て滞りなく完了する、というわけではありません。解体工事の最初から最後までスムーズに進めるためにも施主側が行おうべき事がいくつかありますのでご確認ください。

電気、ガスの停止
電気およびガスはあらかじめ解約して停止しておきます。水道は解体で使うので停止しません。電気・ガスはメーター等の撤去があるため建物を解体する旨を伝えておきましょう。余裕をもって解体工事の2週間以上前に連絡しておくことをお勧めします。

近隣へのご挨拶
基本的には解体工事業者が近隣住民の方へご挨拶に伺い、工事の内容、工期、連絡先などの説明を行います。このとき施主さんも一緒に回れれば回った方がよい場合もあります。

残置物の撤去
家屋内のゴミ、残置物を自分自身で可能ならば捨てておきましょう。解体業者に依頼することも可能ですが、家具家電など比較的大きなものでも自分で処分できれば数万円費用が安くなる場合もあります。

解体工事後のチェック
解体ならびに整地まで業者が行いますが、最後のチェックを忘れずにしてください。解体忘れ、撤去忘れ、清掃がなされていない、ご近所さんの壁を損傷してないかまで確認しておくと安心です。問題なければ解体業者から請求書、その他必要書類を受取り、残代金を支払う流れになります。

水道の停止
この後、建物を再建築する予定等がなければ水道を停止しましょう。

建物滅失登記申請
法務局に行って建物滅失登記申請を行います。

解体工事や各種届出申請は解体Doにご相談ください

茨城県内にて、解体工事や各種届出申請に関するご質問やご相談がございましたら、「解体Do」までお気軽にお問い合わせください。私たち解体Doは茨城の「取手、守谷、常総、阿見、牛久、土浦」に店舗を構え、茨城県全域の解体工事を実施しております。

専門のスタッフが親身に対応し、円滑な解体プロセスをサポートいたします。安心してお任せいただける解体のパートナーとして、お手伝いさせていただきます。

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