この記事では空き家活用のアイデアと失敗事例を紹介いたします。空き家を管理せず放置してしまったときのデメリットや、空き家活用が難しい場合の案をお伝えします。
田舎の空き家の活用アイデア集
両親が使っていた空き家(つまり自分の実家)を活用したいニーズは多いです。
自分自身のお住まいが空き家とは離れたエリアにある場合。自分自身が携わる時間が少なくて済む、空き家活用アイデアを検討する必要があります。
あるいは自分自身が空き家の近くに住んでいて、空き家に関われる時間が十分取れる方は、その時間と資産を十分活用できる空き家活用アイデアを検討することができるでしょう。
そんな観点から、いくつかの空き家活用アイデアを列記していきます。
遠隔地の空き家を活用するアイデア
自分自身が空き家にあまり携われない場合の活用アイデアです。
一戸建て住宅として賃貸に出す
もっとも活用しやすいのが賃貸に出す方法です。
一戸建て住宅の空き家は維持管理や税金などの負担が大きいため、所有者が放置してしまうことも多いです。そこで、空き家をリフォームやリノベーションして、賃貸物件や民泊施設として提供する方法があります。これにより、収入を得ることができるだけでなく、地域の観光や交流にも貢献することができます。
勿論、住むのに困難な状態で貸し出す事は難しいので一定のリフォームを施す必要な場合がほとんどです。最近は入居者さんのDIYを可能とする契約で、リフォーム無しで賃貸に出す方法もあります。
重要なポイントは、空き家周辺の賃貸ニーズの確認、賃料平均相場の確認、初期費用を何年で回収するかを十分に計画することです。表面利回りは10~12%以上を目指す事で儲かってることを実感できるでしょう。毎月5万円の賃貸収入でもあれば大きなメリットです。
場合によっては融資を得てリフォームすれば手出し無しで賃貸経営をスタートする事もできます。
賃貸物件の管理、集客、集金は自分で行っても構いませんし、近くの不動産屋に手数料5%で委託することもできるでしょう。完全に遠隔コントロールできます。
民泊施設として貸し出す
セルフチェックインやオートメーションを活用して、遠隔地にある宿泊施設を運営します。クリーニングやメンテナンスは地元の業者に委託し、オーナーはオンラインで予約とコミュニケーションに焦点を当てます。民泊の施設としてふさわしい内装デザインを楽しんでできる人には有効な活用アイデアになるでしょう。もちろん内装リフォームをお金をかけて委託しても構いません。外国人観光客の需要を取り込めば宿泊料金もかなりとる事ができます。
注意点は適用される法律を十分考慮することです。また近隣住民への配慮、安全面の確保、年間180日の営業日制限(自治体による)も確認して安全かつ合法的に行うことです。
駐車場経営
田舎の場合、空き家に付随して広い土地がある場合には、駐車場として近隣の方に貸し出す事も可能かもしれません。やはり需要が無ければ利用率が低くなって儲からない可能性が高いですが、戸建ほど初期費用がかかりません。お客さんが集まらず失敗しても損失は小さいので、低リスクで出来る空き家活用アイデアとしては優秀だと思います。
コインランドリー
コインランドリー経営は簡単ではありません。
コインランドリーは雨天で洗濯物を乾かすことが難しいときに大活躍します。また絨毯や布団や靴など洗いにくいものを一気に洗える大型の洗濯機があるのも魅力です。田舎の場合はコインランドリーが少ないので一定の需要が期待できます。
空き家をコインランドリーに変えるのには初期費用が掛かることに注意が必要です。概ね平屋や2階建ての一階部分を解体・リフォームしてコインランドリースペースを作り、さらにランドリー機器やクリーニング機器を購入(またはリース)します。需要を見誤るとリスクが大きいビジネスです。
近くにある空き家を活用するアイデア
空き家が近くにあり自分自身が携われる場合の活用アイデアです。
コワーキングスペースやオフィス
モートワーカー向けのワーキングスペースや小規模なオフィスとして利用することができます。あるいは個人事業主やフリーランス、法人を集客して、オフィス的に使ってもらうことで賃料収入を得ることができます。高速インターネット接続などの設備が整っていると良いです。
古民家カフェ
田舎にある古民家も、保存や活用が難しい場合があります。これは、建築基準法や消防法などの規制やコストなどの要因が影響しています。そこで、空き家を修復して、カフェやレストランとして提供する方法があります。これにより、古民家の魅力や文化を伝えることができるだけでなく、地域の食や特産品にも注目を集めることができます。
地域むけのショップとして利用する
地域に愛着を持ち、地元のコミュニティに対する興味や理解がある人。地元の特産品に誇りを感じている方なら、地域の特産品や工芸品を販売するショップやカフェとして利用するのはどうでしょう。地元の産業や文化を支援することができ、地域に貢献したい方にはピッタリです。
アトリエやスタジオとして活用する
芸術家やクリエイターに創作の場を提供することができます。古い家屋の魅力的なアーキテクチャや歴史的な要素は、芸術家のインスピレーションとなり、作品に独自の深みを与えるかもしれません。地元のコミュニティとの交流も、アートワークショップや展示会を開催し、地域住民との交流を深めながら、クリエイターたちは新しい可能性を見出すことができます。
農業体験や自然教室として運営する
空き家の周りで農業体験を提供することができます。
農業体験では、訪れる人たちが種まきや収穫、地元の農産物の育て方を学びます。空き家の庭や畑を活用して、地元の農業文化を体験することで、農業や地元の食材に触れる機会を提供できます。また、自然教室では子供たちや学生に、田舎の生態系や植物、動物についての知識を深める機会を提供します。野外での学びや体験活動は、学校では味わえない貴重な経験となるでしょう。
空き家の活用失敗事例
空き家を有効活用するためには、失敗事例から学ぶことが重要です。
賃貸収支バランスの悪化
空き家を賃貸物件として貸し出すためにリノベーションを実施したところ、想定以上にリノベーション費用がかさんでしまい、収支のバランスが崩れた。築年数の古い空き家は修繕する点が非常に多いです。修繕は最低限にとどめ、家賃とのバランスを考え利回りを追究するようにしましょう。
入居者同士のトラブル
シェアハウスとして空き家を貸し出した場合、入居者同士のトラブルが起こりやすい環境であるため、トラブルが原因で入居者が退去してしまい、空室による損失が発生する例があります。
カフェ兼アートギャラリーの運営
事前に地域の需要を十分にリサーチせず、特定のアートやカフェの需要が十分でなかった。地域の人口構成や嗜好を考慮せずにスタートし、失敗した。
空き家を活用するメリットとは何か?
空き家の活用は、所有者の収入増につながったり、劣化して朽ちていかないように維持できるばかりではなく、地域や近所へのメリットも大きいですね。
収入アップ
空き家を有効に活用することで、賃貸収入や短期宿泊収入を得ることができます。これにより、空き家の所有者は新たな収入源を確保できます。
メンテナンスコストの削減
定期的なメンテナンスや保険など、空き家を所有する際にかかる固定費用を、収益を上げる手段として活用することで削減できます。
資産価値の向上
空き家が活用され、新たな魅力的な機能が加わることで、不動産の価値が向上する可能性があります。これにより将来的な資産の価値が上昇し、そのタイミングで売却することが期待されます。
地域社会への貢献感
空き家の有効な利用は地域社会にポジティブな影響を与え、所有者自身が地域に貢献しているという満足感を得られます。
法的リスクの軽減
空き家が使われないまま放置されると、そのままの状態であることが法的リスクを伴います。活用することでこれらの法的リスクを軽減できます。
税金優遇の可能性
空き家を活用する場合、一部の地域では特定の条件を満たすと税金優遇の対象になることがあります。所有者はこれを利用して税金の軽減を図ることができます。
新しい趣味やプロジェクトの発展
空き家を新たな趣味やプロジェクトの拠点として活用することで、所有者自身が新たな挑戦や楽しみを見つけることができます。
空き家を空き家のまま放置するデメリット
多くの方がご存じのように空き家は、管理が不十分だとすぐに老朽化してしまいます。外壁や屋根の修繕、水道や電気の使用料、草刈りや清掃など、空き家の維持管理にはお金や時間が必要です。さらに、空き家でも、固定資産税や都市計画税などの税金は支払わなければなりません。
空き家を所有することは、経済的・精神的なストレスになりますし、所有者や周辺住民に多くの不利益や危険をもたらす場合もあります。空き家を放置することは、資産価値の減少を加速させるだけでなく、劣化や近隣住民とのトラブルなど不利益しかありません。
特定空家に指定されるリスク
「特定空き家」とは、空き家の中でも特に問題となるものを指す言葉です。
あなたの空き家が特定空き家に指定されると、行政指導を受けたり、宅地の固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、収める固定資産税が最大6倍に増えたりします。最終的には罰金、強制解体、解体費用請求される場合もあるので常日頃から管理を行う事が大切です。
どのような空き家に対して特定空家と指定されるかは以下の条文をご覧ください。
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう
空家等対策の推進に関する特別措置法
「特定空き家」は、周囲の景観や安全に悪影響を及ぼすだけでなく、土地の有効活用や防災対策にも支障をきたします。そのため、国や自治体は「特定空き家」の把握や対策に力を入れています。
資産価値の低下
空き家が放置されると、時間とともに建物や敷地の劣化が進み、資産の価値が低下します。放置による劣化は修復や改修に大きな費用をかける必要が生じます。
近隣住民とのトラブル
空き家の放置でもっとも起こりやすいデメリットがこちら。草木の越境、破損・汚損による隣家への影響、動物・虫の発生による忌避感などが起こり、近隣住民とのトラブルになるケースも考えなければなりません。草木の越境は隣家住民が勝手に切除することができないので、些細なことと思わず整備、地域とのコミュニケーションをすることが大事です。
セキュリティリスク
放置されたままの空き家は不法侵入や犯罪のリスクが高まります。窃盗や不法占拠が発生しやすく、場合によっては放火による火事が起こる場合もあり、所有者にとってセキュリティ上の懸念が生じます。
空き家の活用が難しいケース
さて、空き家活用アイデアを整理してきましたが、すべての空き家において有効活用できるとは限りません。
大規模な損傷や劣化が進んでいる、地域の法令や規制に違反している、地域の需要やトレンドに合致しない、周辺地域の発展が期待できない、所有者が遠隔地に住んでいる、etc
どうしても活用できない場合も多くあります。せめて近隣の迷惑にならないように管理だけはしておきたいものです。
最終的には空き家を解体して更地にすることも視野に入れて。思い出の地にある空き家を解体する決断は、確かに難しいものでしょうけど、同時に未来への可能性を拓き地域に貢献することでもあります。
活用が難しい空き家の対処法
新たなオーナーに譲る
活用が難しい場合は、次の新たなオーナー(買い手)に譲渡することも1つの案です。
売却
つまり土地あるいは空き家ごと売却することです。空き家を売却することで、資産を回収し、管理費や固定資産税の負担を減らすことができます。しかし、売却するには、空き家の状態や立地条件が良くなければなりませんし、需要があるかどうかも不確実です。周辺に詳しい地元の不動産屋に当たってみましょう。
不動産屋に買取を依頼
一般市場での売却ができない場合、不動産屋に買取を依頼する方法もあります。不動産屋がその土地や家屋に価値を見出したらいくらかの値段が付く可能性があります。
譲渡
売却先が見つからない場合は0円や低額で譲渡することも可能な場合があります。所有権や管理責任から解放されることができます。譲渡先は、親族や知人だけでなく、自治体やNPOなどもあります。昨今はインターネットで譲渡先を探せるサービスもあるので調べてみるとよいです。譲渡するには、相手の同意が必要ですし、登記や税金などの手続きも必要です。
空き家を解体し更地にする
家屋が古く使い物にならない場合などは、資産価値は0どころか、売却すら困難になってきます。最終的には空き家を解体して土地として、譲渡先を探すことも必要かもしれません。更地渡しの契約で買主を募集すれば、契約が決まってから解体工事をするので出費が先にならず安心です。
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