「うちの家、アスベストは入っているのだろうか」「解体費用が高くなると聞いたけれど本当?」——茨城県内で解体をご検討中の方から、最も多くいただくご質問です。

アスベスト(石綿)の規制は一度に禁止されたのではなく、1975年から2012年まで約40年かけて段階的に強化されてきました。この記事では、規制の年表・建築年代からわかる含有リスク・2022年から義務化された事前調査・そして解体費用にいくら上乗せされるのかまで、解体Do!がわかりやすく解説します。

結論|アスベストは2006年に原則禁止、2012年に全面禁止

急いで知りたい方のために、結論を先にお伝えします。

  • 2006年9月…含有率0.1重量%を超える石綿含有製品の製造・使用等が原則禁止になりました。
  • 2012年3月…残っていた猶予措置が撤廃され、全面禁止となりました。
  • 2006年9月以降に着工した建物には、原則としてアスベスト含有建材は使われていません。
  • 2006年より前の建物は、木造住宅であっても含有の可能性があります。「木造だから大丈夫」は誤りです。
  • 2022年4月から、一定規模以上の解体・改修工事では事前調査結果の報告が義務です。2023年10月からは有資格者による調査が必須になりました。

アスベスト規制の年表|いつから何が禁止されたのか

アスベスト規制はいつから?禁止までの年表と事前調査義務化|解体Do!
アスベスト規制の年表|1975年から2012年の全面禁止、そして事前調査義務化まで

1975年(昭和50年)|吹き付けアスベストの原則禁止

最初の本格的な規制です。含有率5重量%を超える石綿の吹き付け作業が原則禁止されました。吹き付けアスベストは、鉄骨の耐火被覆や天井裏の吸音・断熱材として大量に使われており、繊維が飛散しやすく最も危険度が高い使われ方でした。

ただし「吹き付け」が禁止されただけで、成形板(スレート板、屋根材、外壁材など)への使用は続きました。ここが誤解の多いポイントです。

1995年(平成7年)|青石綿・茶石綿の製造等禁止

吹き付けの規制が含有率1重量%超まで強化されました。同時に、発がん性が特に高いとされるクロシドライト(青石綿)とアモサイト(茶石綿)の製造・輸入・使用等が禁止されました。

一方で、最も使用量の多かったクリソタイル(白石綿)は引き続き使用可能でした。1995年以降の建物にもアスベストは使われています。

2004年(平成16年)|石綿含有建材など10品目の製造等禁止

含有率1重量%を超える石綿含有建材・摩擦材・接着剤など10品目の製造・使用等が禁止されました。屋根用スレート、けい酸カルシウム板、押出成形セメント板など、住宅で広く使われていた建材が対象です。

2006年(平成18年)|0.1重量%超の製品を原則禁止

規制の基準が0.1重量%超まで引き下げられ、石綿含有製品の製造・輸入・譲渡・提供・使用が原則禁止となりました。実質的な使用禁止はこの年からです。

ただし、代替が困難な一部の製品には猶予措置が設けられ、完全な禁止には至りませんでした。

2012年(平成24年)|猶予措置の撤廃=全面禁止

残されていた猶予措置が撤廃され、アスベストは全面禁止となりました。日本で約40年をかけた段階的規制が、ここで完結します。

なぜ段階的だったのか

アスベストは安価で、耐火性・断熱性・耐久性に優れた「魔法の鉱物」として重宝されてきました。代替材料の開発と、産業・建築現場への影響を考慮した結果、一度に禁止するのではなく段階的な規制になったのです。

この経緯が、現在の解体現場を複雑にしています。「何年に建てられたか」によって、使われている可能性のある建材がまったく違うからです。

築年数でわかる|あなたの建物のアスベスト含有リスク早見表

着工時期含有の可能性注意すべきポイント
〜1975年非常に高い吹き付けアスベストを含め、規制がほぼない時代の建材。最も慎重な調査が必要
1976年〜1995年高い吹き付けは制限されたが、成形板・屋根材・外壁材には広く使用
1996年〜2005年あり白石綿は使用可能だった時期。スレート屋根・けい酸カルシウム板などに注意
2006年9月以降原則なし原則禁止後の着工。ただし在庫建材が使われた可能性はゼロではない

※着工時期での判断はあくまで目安です。増改築を繰り返した建物では、新旧の建材が混在していることがあります。最終的な判断は事前調査で行います。

住宅でアスベストが使われやすい場所

  • 屋根材…スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)、波形スレート
  • 外壁材…窯業系サイディング、押出成形セメント板
  • 内装材…けい酸カルシウム板(台所・洗面所・トイレの壁や天井)、ビニル床タイル(Pタイル)
  • 設備まわり…煙突の断熱材、給湯器の裏の耐火板、配管の保温材
  • その他…ベランダの天井・軒天、駐車場の波板屋根

「木造住宅にはアスベストがない」というのは誤解です。木造でも屋根材・外壁材・内装のけい酸カルシウム板には広く使われていました。

【2022年〜】アスベスト事前調査の義務化|所有者が知っておくべきこと

規制の歴史よりも、実際に解体をお考えの方に直結するのがこちらです。近年、法令が大きく変わりました。

2021年4月|すべての解体・改修工事で事前調査が義務に

建築物の解体・改修工事を行う際は、原則としてすべての工事でアスベストの有無を事前に調査することが義務づけられました。規模の大小を問いません。

2022年4月|調査結果の報告が義務に

一定規模以上の工事について、元請事業者が事前調査結果を労働基準監督署および都道府県等へ報告することが義務化されました。報告は「石綿事前調査結果報告システム」による電子報告が原則です。

報告の対象となるのは、解体工事では床面積の合計80㎡以上、改修工事では請負金額100万円以上(税込)などの基準に該当する工事です。一般的な戸建て住宅の解体は、多くの場合この基準に該当します。

2023年10月|有資格者による調査が必須に

2023年10月1日以降に着工する工事から、建築物の事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者が行うことが義務になりました。資格には、特定建築物石綿含有建材調査者・一般建築物石綿含有建材調査者・一戸建て等石綿含有建材調査者の区分があります。

これは業者選びの重要な判断材料です。「うちは長年やっているから調査はいらない」という業者は、現在の法令に対応していません。

見積書のここを確認してください

  • 「アスベスト事前調査費」の項目があるか…ないなら、法令に対応していないか、後から追加請求される可能性があります。
  • 調査を行う人の資格が明記されているか…有資格者による調査が義務です。
  • 分析調査が必要な場合の費用が示されているか…書面調査・目視調査で判断できない場合、検体を採取して分析します。1検体あたり数万円が目安です。
  • アスベストが見つかった場合の追加費用の考え方が説明されているか…「出たら別途」とだけ書かれた見積書は要注意です。

アスベストがあると解体費用はいくら上がる?レベル別の目安

解体Do!に最も多く寄せられるご質問です。費用はアスベスト建材の「レベル(飛散性)」によって大きく変わります。

レベル該当する建材飛散性費用の目安
レベル1吹き付けアスベスト(耐火被覆・断熱材)非常に高い1㎡あたり約1.5万〜8.5万円
レベル2保温材・断熱材・耐火被覆材(配管や煙突まわり)高い1㎡あたり約1万〜6万円
レベル3スレート屋根材・外壁材・けい酸カルシウム板・床タイル比較的低い1㎡あたり約3千〜1万円

※上記は一般的な目安です。数量・作業環境・足場の要否・処分場までの距離によって変動します。正確な金額は現地調査後の見積書でご確認ください。

一般的な戸建て住宅の場合

茨城県内の木造戸建て住宅では、見つかるアスベストの多くがレベル3(スレート屋根材・外壁材・内装のけい酸カルシウム板)です。この場合の追加費用は数万円〜数十万円程度に収まることが一般的です。

一方、煙突の断熱材や、鉄骨造の耐火被覆にレベル1・2が見つかった場合は、隔離養生・負圧除じん装置の設置などが必要になり、費用が数百万円規模になることもあります。

費用を抑えるためにできること

  • 早い段階で調査を行う…見積もり後にアスベストが判明すると、工程の組み直しで割高になります。
  • 図面や過去の工事記録を探す…建築時の仕様書があれば、書面調査で判断できる範囲が広がり、分析費用を抑えられます。
  • 相見積もりを取る…アスベスト対応の実績がある業者ほど、無駄のない工法を提案できます。
  • 「安すぎる見積もり」を疑う…アスベスト処理を省略している可能性があります。不適切な処理は近隣への飛散と、施主側の責任問題につながります。

茨城県で解体をお考えの方へ|届出と業者選びのポイント

茨城県内で解体工事を行う場合、事前調査結果の報告は石綿事前調査結果報告システムを通じて労働基準監督署および都道府県等へ行います。特定粉じん排出等作業に該当する場合は、大気汚染防止法にもとづく届出が別途必要です。

これらの届出は原則として元請業者が行います。施主であるお客様が手続きをする必要はありませんが、業者が適切に届け出ているかを確認することは大切です。

信頼できる解体業者を見分ける5つのポイント

  1. 建設業許可または解体工事業の登録があるか…必須の要件です。
  2. アスベスト事前調査の有資格者が在籍しているか…2023年10月以降は必須です。
  3. 見積書の内訳が明細まで書かれているか…「解体工事一式」だけの見積書は比較ができません。
  4. マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行するか…適正処理の証明になります。不法投棄されると施主も責任を問われかねません。
  5. 近隣への挨拶・養生・散水などの説明があるか…トラブル防止に直結します。

アスベストによる健康被害と、なぜここまで厳しく規制されるのか

アスベストの繊維は非常に細く、吸い込むと肺の奥深くに達し、長期にわたって体内に留まります。関連する疾病には中皮腫、肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚などがあります。

最大の特徴は潜伏期間の長さです。中皮腫では、ばく露から発症まで30〜40年かかることもあります。今日の作業が数十年後に影響するため、法令は「飛散させない」ことを何より重視しています。

解体工事は、長年建材の中に閉じ込められていたアスベストがもっとも飛散しやすい場面です。作業員だけでなく、近隣にお住まいの方の健康にも関わります。法令を守った施工は、コストではなく最低限の責任だとお考えください。

アスベストの規制に関するよくある質問

Q. アスベストはいつから禁止になったのですか?

A. 段階的に規制され、2006年9月に含有率0.1重量%を超える製品が原則禁止、2012年3月に猶予措置が撤廃されて全面禁止となりました。最初の規制は1975年の吹き付けアスベスト(5重量%超)の原則禁止です。

Q. 2006年以降に建てた家なら、絶対にアスベストは入っていませんか?

A. 原則として含まれていません。ただし在庫として残っていた建材が使われた可能性はゼロではなく、また増改築で古い部分が残っていることもあります。解体時には着工時期にかかわらず事前調査が必要です。

Q. 1980年代に建てた木造住宅ですが、アスベストは使われていますか?

A. 可能性があります。「木造だから安全」というのは誤解です。1980年代はスレート屋根材・外壁材・けい酸カルシウム板などに広く使われていた時期にあたります。事前調査で確認してください。

Q. アスベストの事前調査は必ず必要ですか?

A. はい。2021年4月以降、建築物の解体・改修工事では原則としてすべての工事で事前調査が義務です。さらに2022年4月からは一定規模以上の工事で調査結果の報告が義務化され、2023年10月からは建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が調査を行うことが必須になりました。

Q. アスベストがあると解体費用はどれくらい上がりますか?

A. 含有建材の種類(レベル1〜3)と面積によって大きく変わります。飛散性の低いレベル3の屋根材・外壁材であれば数万円〜数十万円の追加が目安ですが、飛散性の高いレベル1の吹き付け材が見つかった場合は数百万円規模になることもあります。まずは調査で範囲を確定させることが重要です。

Q. 事前調査でアスベストが見つかったら、すぐに除去しないといけませんか?

A. 解体・改修工事を行う場合は、法令に従った措置が必要です。一方、建物を使い続ける場合は、建材が良好な状態で飛散のおそれがなければ、封じ込めや囲い込みという選択肢もあります。飛散のおそれがある場合は速やかな対応が必要です。

Q. 調査結果を報告しないとどうなりますか?

A. 石綿障害予防規則および大気汚染防止法にもとづく義務であり、違反した場合は罰則の対象となります。報告は元請事業者の義務です。見積書に事前調査の項目がない業者は避けてください。

Q. 茨城県で解体する場合、どこに届け出るのですか?

A. 事前調査結果の報告は労働基準監督署と都道府県等へ、石綿事前調査結果報告システムを通じて行います。特定粉じん排出等作業の届出が必要な場合は、茨城県または権限を持つ市への届出が必要です。届出は原則として元請業者が行います。

まとめ|まずは「いつ建てられたか」を確認してください

  • アスベストは1975年から段階的に規制され、2006年に原則禁止、2012年に全面禁止
  • 2006年9月より前に着工した建物は、木造でも含有の可能性がある
  • 2021年4月から事前調査が義務、2022年4月から報告が義務、2023年10月から有資格者による調査が必須
  • 費用への影響はレベル次第。戸建てで多いレベル3なら数万円〜数十万円が目安
  • 見積書に「事前調査費」の項目がない業者は避ける

解体Do!では、茨城県全域で解体工事のご相談・お見積もりを承っています。アスベストの事前調査から適正な処理まで、法令に沿って対応します。お見積もりは無料です。建築年がわかる資料をお手元にご用意のうえ、お気軽にご相談ください。

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