急いで知りたい人向けまとめ

  • 建物の解体前に「お祓い(おはらい)」を行うのは、土地の神様や建物への感謝・安全祈願のため
  • お祓いの際に神社へ渡す謝礼は「のし袋(御礼袋)」に包むのが一般的
  • のし袋の表書きは「御礼」「御初穂料」「御神前」など
  • 中袋には金額と住所・名前を記載
  • 相場は5,000円~20,000円程度、地域や神社により異なるため事前確認が大切

なぜ解体前に「お祓い」をするの?

解体工事は「壊す」作業であり、住まいの区切りでもあります。古くから日本では、

「住んでいた家や土地に感謝を込めて」
「解体中の事故やトラブルを避けるため」
「次の建物の建築が無事に進むように」

という意味合いから、工事前にお祓いを行う慣習があります。

とくに古民家・空き家・祖父母の家など、長年人が暮らしていた住宅では「供養」としての意味合いも強く持たれます。


お祓い時ののし袋は必要?

はい、必要です。

神社にお祓いをお願いする場合、謝礼を「のし袋」に入れて渡すのが正式なマナーとされています。
この謝礼のことを「初穂料(はつほりょう)」または「玉串料(たまぐしりょう)」とも言います。


のし袋の種類と選び方

のし袋の種類解説
紅白の蝶結び(印刷でOK)解体・地鎮祭・上棟式など、慶事にも使用される一般的な形式
水引が印刷された略式のものコンビニや文具店でも購入可能。正式な場面でも十分使えます
のし無しの白封筒(簡易式)略式のお祓いならこちらでも問題ありません(簡略化される傾向あり)

のし袋の表書きの書き方

のし袋の表面(上段)には、以下のような文字を毛筆または筆ペンで記入します。

表書き(上段)に使える言葉:

  • 御礼
  • 御初穂料
  • 御神前
  • 玉串料

→ 一般的なのは「御初穂料」または「御礼」

名前(下段)には:

  • フルネーム(施主名)
  • もしくは「○○家」でも可

中袋(中包み)の書き方

中袋がある場合、以下の記載を行います。

内容
表面金額(例:金壱万円、金五千円)と記入
裏面郵便番号・住所・氏名を記入(縦書きが基本)

※ 金額は「旧漢数字」を使うのが一般的ですが、現在はアラビア数字(10,000円)でも可とされることが多いです。


初穂料の金額相場

神社でのお祓いの種類金額の目安
家屋解体前のお祓い(敷地清祓)5,000〜20,000円
地鎮祭と兼ねる場合10,000〜30,000円

✅ 地域差や神社の規模によって変動するため、事前に神社に確認するのが安心です。


神主さんが現地に来ない場合もある?

近年では、簡略化された「略式お祓い」や「書類送付によるお祓い」も増えています。

その場合は:

  • 神社でお札と祈祷済みのお守りを受け取る
  • 自宅で自分で設置・お焚き上げを行う

といった方法でお祓いを行います。

その際でも、のし袋で初穂料を渡すのが丁寧な対応です。


よくある質問(FAQ)

Q. 表書きを間違えたら書き直すべきですか?
A. 正式な場面では、新しいのし袋に書き直すのが望ましいです。

Q. のし袋にボールペンで書いてもいいですか?
A. 筆ペン・毛筆が基本ですが、略式の場合は黒のサインペンでも問題ないとされています。

Q. 現金をそのまま封筒に入れて渡してもいい?
A. のし袋に包むのが正式ですが、略式であれば白封筒での対応も可能です。


まとめ

  • 解体前のお祓いは、土地と家への感謝・安全祈願の意味を持つ
  • 神社へ謝礼を渡す際は、**「のし袋+表書き+中袋の記載」**を守るのがマナー
  • 金額相場は5,000〜20,000円が一般的。地域や神社によって異なる
  • 表書きには「御初穂料」や「御礼」などを使用
  • 迷ったら、神社に事前確認をして丁寧な対応を心がけよう

「解体は感謝から始まる」――心を込めた準備が、工事の安全と次の暮らしを守ります。
のし袋の書き方も含めて、気持ちのよいスタートを切りましょう。