急いで知りたい人向けまとめ

  • 鋤取り(すきとり)とは、地面の表層を一定の深さで削り取る作業
  • 建築や外構の「基礎工事」の一環で、整地・地盤改良の第一ステップ
  • 不要な表土や草、石、根などを除去し、舗装や基礎の下地を整える
  • DIYでも活用されるが、施工ミスによる水はけ不良や沈下に注意
  • 重機・人力の選択は現場の条件(面積・深さ・地盤)により判断

鋤取りとは?

鋤取り(すきとり)とは、地面の表面を削り取って整える土木作業のことです。漢字では「鋤取り」と書き、読み方は「すきとり」です。

特に外構工事・造成工事・解体後の整地作業などにおいて、施工前に行われる重要な工程で、

✅ 余分な表土・雑草・砕石・古舗装などを除去して、計画通りの高さや状態に整えること

を目的としています。


なぜ鋤取りが必要なのか?目的とメリット

鋤取りは、単なる「表面の掃除」ではありません。その後の施工の品質・耐久性を左右する重要な役割を担っています。

主な目的:

  • 不要な表土やガラ、根などを除去し、安定した地盤を作る
  • 盛土や舗装の高さを合わせるために高さ調整を行う
  • 水はけの悪い土を取り除き、排水性を改善する
  • コンクリート打設や舗装の厚みを確保するための前工程

鋤取りが必要なシーン

シーン鋤取りの目的
駐車場の舗装表層を削り取り、アスファルトやコンクリートを均等に施工
建物基礎の造成地盤を整えて基礎コンクリートの安定を確保
物置・カーポート設置平坦かつ強固な地面を形成
外構リフォーム草や石、古い舗装材を撤去して整地
解体工事後の整地ガラや廃材混じりの土を除去し、新たな活用に備える

鋤取りの施工手順

実際の鋤取り作業は、以下のような流れで行われます。

  1. 鋤取り範囲の確認とマーキング
    • 設計図面や現地計測に基づいて範囲を定め、マーキング
  2. 障害物の撤去
    • 草木・石・古舗装・がれきなどを除去
  3. 重機または人力による掘削作業
    • 小規模はスコップやツルハシ、大規模はユンボ(ショベルカー)を使用
  4. 深さの調整(所定の掘削)
    • 必要に応じて「残土(余った土)」を搬出
  5. 地面の締固め・整地
    • プレートコンパクターなどで転圧し、地盤を安定させる

鋤取り深さの目安

目的によって鋤取りの深さは変わります。

用途鋤取り深さの目安
コンクリート舗装(駐車場など)約15~20cm
アスファルト舗装約10~15cm
物置の基礎整地約5~10cm
庭の芝張り・花壇整備約5cm

鋤取りにかかる費用相場

施工面積や重機の有無により費用は異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

内容単価(税別)
人力による鋤取り2,000~4,000円/㎡
重機による鋤取り1,000~2,500円/㎡(重機費・運搬費別)
残土処分費5,000~10,000円/㎥程度

DIYで鋤取りはできる?

小規模な整地(花壇、物置、簡易駐車場)であればDIYも可能ですが、以下の注意点があります。

  • 水平・勾配の測定が難しい
  • 残土の処分方法を確保する必要あり
  • 地盤の締固めが甘くなると沈下や水たまりの原因に

✅ 正確性が求められる舗装や基礎工事では、プロへの依頼がおすすめです。


よくある質問(FAQ)

Q. 鋤取りと掘削の違いは何ですか?
A. 鋤取りは**表面の浅い削り取り(整地)で、掘削は深く掘り込む土木作業(基礎・配管など)**です。

Q. 土を削ると水はけが悪くなることは?
A. 表面の粘土層を削ることでむしろ水はけが改善されることが多いですが、逆に粘土層が露出すると悪化するケースもあるため、排水処理とセットで考えるのが望ましいです。

Q. 鋤取り後の処理はどうすればいい?
A. 基礎材(砕石など)を敷き、転圧してから次工程(舗装・コンクリート打設など)に進むのが一般的です。


まとめ

  • 鋤取りは、建築や外構工事における整地の最初の一手
  • 表層の不要物や余分な土を削り取って、安定した地盤と高さを整える工程
  • 用途により深さや処理方法が異なるため、設計と連動した計画が必須
  • DIYも可能だが、精度や安全性を考慮するとプロの依頼が確実

「見た目は地味でも、品質を左右する基礎の要」──それが鋤取りです。
土地を活かすために、しっかりと下地から整えていきましょう。