この記事では「鉄骨」造の建物の解体費用について解説しています。

こういった方の参考になれば幸いです。

鉄骨には「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の2種類があります。それぞれ解体費用の坪単価が異なります。
(1坪≒3.3㎡)

軽量鉄骨造の建物: 4万円~5万円/坪
重量鉄骨造の建物: 5万円~6万円/坪

軽量鉄骨より重量鉄骨の方がやや鋼板が太く作業時間がかかるため費用は高くなる傾向があります。

これらの金額はあくまで目安であり、実際には建物の状態や規模、付帯物の有無、廃棄物の処理方法などによって変動します。また、建物を解体する際には周辺の環境や安全を考慮して、適切な保護措置を行う必要がありますがその費用も解体費用に含まれる場合があります。したがって、解体費用を正確に知るためには、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービスの内容を比較検討することが重要です。

軽量鉄骨住宅の解体費用相場を紹介していきます。前章のとおり基本的には建物の床面積×坪単価で計算でき、大体の相場を把握することができます。

平屋の場合、2階建て住宅の場合、3階建て住宅の場合(例えば90坪のアパート)で計算をしてみましょう。

1階建て(平家)軽量鉄骨住宅の解体費用

前述のとおり鉄骨造の坪単価は約4~5万円として計算します。50坪の1階建ての建物を解体する場合、費用は50坪×4~5万円で約200~250万円を想定しておきます。1階建て(平家)の場合は、基礎や屋根の面積が2階建てや3階建てよりも広くなるので、解体する部分が多くなります。その結果、解体にかかる時間や工事費も増える傾向にあります。

2階建て軽量鉄骨住宅の解体費用

2階建ての場合は、1階と2階の床面積を足したものが延べ床面積になります。ただし、ベランダやバルコニーは床面積に含まれるかどうかはその広さによって異なります。一般的には3坪以上あれば床面積に含む業者が多いように思います。1階が25坪で2階が25坪でベランダが3坪ある2階建ての場合、延べ床面積は25+25+3=53坪となります。この場合の費用は53坪×4~5万円で約212~265万円となります。

3階建て軽量鉄骨住宅の解体費用

3階建ての場合も、1階・2階・3階の床面積を足したものが延べ床面積になります。例えば、1階・2階・3階がそれぞれ30坪とすると延べ床面積は30+30+30=90坪となります。この場合の費用は90坪×4~5万円で約360~450万円となります。

3階建ては、2階建てよりも高さがあるため、解体する際にはクレーンや足場などを使う場合があり、養生シートの量も増えます。3階建ては構造的に強度が高くなっているため、解体する部分が硬くて切断しにくいこともあります。解体に手間や時間がかかりやすく、費用も坪単価×面積より割高になりやすいです。

坪単価×面積以外にかかる費用も紹介しつつ、50坪の軽量鉄骨住宅の解体費用を見てみましょう。

本体工事 軽量鉄骨2階建て 50坪×4~5万円=約200~250万円
養生シート 300㎡×1000円=30万円
付帯工事 残置物(自分で廃棄しない場合)ダンプ4台 10万円
カーポート 2万円
庭石、ガラ 4万円
伐採・伐根 5万円
整地 3万円
その他 アスベスト検査 3万円

例えば一般的な住宅で、庭・駐車場があるようなケースを想定しました。

内訳の補足

・養生シートは解体で出る飛散物や粉塵が周辺環境や住宅に影響を及ぼさないようにガードする役目で、必ず必要です。

・残置物とは家屋の中のゴミのことで、自分で廃棄しない場合は解体業者に依頼して捨ててもらうことが可能です。物量にもよりますが家屋内にあるものを想定して10万円未満で住むと思います。

・カーポート、庭石、庭木の伐採・伐根が必要なら別途加算され、最後に整地して完了となります。

・古い建物の場合アスベスト検体調査が必要になるケースが多いです。1検体あたり3万円~5万円が相場だと思います。

基本的な費用感は前章のとおりで計算すればよいでしょう。

この章では思わぬ出費になりえる状況についてお伝えします。

アスベストが含まれてる場合

アスベストは肺がんなどを引き起こす危険性がある物質です。大気汚染防止法により建物の解体前にはアスベストが含まれているか検査することが義務付けられ、また解体工事実施前に届け出が必要となっています。

アスベストが検出されると専門業者による処理・廃棄が必要となるため追加のコストがかかってしまいます。費用相場は以下のとおりです。

アスベスト処理面積 除去費用
300m2以下 2.0万円/m2 ~ 8.5万円/m2
300m2~1000m2 1.5万円/m2 ~ 4.5万円/m2
1000m2以上 1.0万円/m2 ~ 3.0万円/m2
参考:国土交通省 – アスベスト対策Q&A

道路が狭く重機搬入が困難

残念なことに重機が入れないぐらい道路が狭いと、より費用がかかってしまいます。例えば大型重機で無理なら小型重機を使って対応したり。例えば重機を搬入するための経路を作るのに人力での手壊しが発生したり。物件前の道路が2m未満で侵入が不可能な場合はより多くの費用がかかってきます。

工事後に地中埋設物が出てしまった

誰が悪い、誰のせいということも難しいのですが、工事を開始した後で、地中から埋設物が出てしまうケースはあります。以前の誰かが埋めたガレキ、金属類、井戸、浄化槽などが当初見積もりより後に出てしまうと追加の費用がかかるでしょう。地中に埋め戻すことは基本的に難しいとお考え下さい。もし地中埋設物がある状態での宅地を売却すると、契約不適合責任を負うことになるかもしれません。

鉄骨造の倉庫の解体費用の坪単価は、約2~5万円/坪が相場となっています。基礎がコンクリート制の場合はやや費用が高くなる傾向があります。小型から大型の物まで規模感は様々なので見積もりを取ってご検討ください。

鉄骨車庫(ガレージ)はカーポートとは異なります。鉄骨車庫は四隅の柱と屋根で構成され車の後ろと両側の3面が壁で囲まれているものです。カーポートは柱と屋根のみで構成され壁が無い簡易な車庫です。

鉄骨車庫は鉄骨、木材、金属(スチール・アルミ)、ポリカーボネート等で構成されています。解体費用の相場は車1台分で、20万円を見ておきましょう。あくまで参考値としてお考え下さい。

工場は鉄骨造のケースが多いように思います。鉄骨造の工場の解体費用は5~6万円/坪となります。

一般的な家屋と同程度の解体費用となりますが、工場だけに面積が非常に大きくなると思います。100坪(330㎡)、300坪(約1000㎡)も珍しくありませんね。計算してみましょう。

【事例】
100坪 → 500万円~600万円
300坪 → 1500万円~1800万円

このほか、付帯物の撤去や廃棄物処理、その他の費用がかかってきます。

参考までに、鉄筋コンクリート(RC)造のビル等の解体費用相場をお知らせしておきますと。

坪あたり4万~8万円が相場となっています。金額に幅が広い理由は廃棄物の処理、建物の保護に必要な費用が建物の種類、状態、地域、業者によって異なるからです。また立地条件(狭い場所)等で大きくかわってきます。やはりいくつかの解体業者に費用感を打診してみることが大事ですね。

鉄骨造の解体費用をできるだけ安くする方法

鉄骨造の建物を解体は100万円を超える非常に高額なものとなります。
できるだけ費用を節約するための方法を紹介します。

自分で処分できるものは事前に片付ける

先ほどお伝えした「残置物」のことです。解体業者に依頼する前に、自分で処分できるものは事前に片付けておくと、解体費用を下げることができます。家具や家電製品などは、リサイクルショップや不用品回収業者に引き取ってもらうことで、解体作業の手間や時間を減らすことができます。

見積もりは複数社から取る

解体業者によって、費用やサービスの内容が異なります。そのため、見積もりは複数の業者から取り、料金やサービスの内容を比較検討することが重要です。また、見積もりを取る際には、現地調査をしてもらうことで、より正確な見積もりを得ることができます。面倒かもしれませんが現地調査に立ち会ってよく話を聞く事が重要です。

③補助金・助成金の利用を検討する

地方自治体から、解体費用の一部を補助する制度があります。

茨城県の場合はこちらの記事を参考にしてください。→ 2023年茨城県 空き家解体補助金

以上、鉄骨造の解体に関するアレコレをお話しいたしました。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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建物の鉄骨造とは?軽量鉄骨、重量鉄骨の違い

建物の鉄骨造とは、鉄骨を主要な構造材として用いる建築方法です。鉄骨造には、軽量鉄骨と重量鉄骨の二種類がありますが、どのように違うか解説します。

軽量鉄骨とは、主に木造住宅や小規模な商業施設などに使われる、薄い鋼板を折り曲げて作った鉄骨です。鋼材の厚みが6mm未満のものを軽量鉄骨と言います。軽くて柔軟であり、地震や火災に強いという特徴があります。また、工場であらかじめ加工されているため、現場での施工時間が短くて済みます。

重量鉄骨とは、主に高層ビルや大規模な公共施設などに使われる、厚い鋼板や形鋼を溶接やボルトで組み合わせた鉄骨です。鉄骨の中でも鋼材の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨と言います。その名の通り重くて堅牢であり、大きな荷重や風圧に耐えることができます。また、自由度の高いデザインや空間構成が可能です。

鉄骨造と鉄筋コンクリート(RC)造の違い

鉄骨造は、鉄骨を柱や梁として使って建物を支えます。鉄骨造のメリットは、鉄骨が軽くて細いので、建物の空間効率が高くなることです。鉄筋コンクリート(RC)造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせて建物を支えます。鉄筋コンクリート(RC)造のメリットは、鉄筋とコンクリートが強くて耐久性が高いので、建物の安全性が高くなることです。

軽量鉄骨か重量鉄骨かRC造かを、外から見分けるポイント

人間が建物を外から見て、軽量鉄骨造か重量鉄骨造かを見分けることは困難です。外観(内部も)を見ても違いはありません。

とはいえ一般的には建物の階数や高さ、規模によって使われる鋼材が選別されますので、次のように考えて概ねよさそうです。