「実家がある茨城町の家、建て替えられるのだろうか」——古い家を前にしてそう感じたことはありませんか。茨城町は令和8年時点で人口約3万人、涸沼や桜の郷など豊かな自然と新興住宅地を併せ持つ町ですが、町内全域が都市計画区域に指定されており、エリアによって建て替えのルールが大きく異なります。この記事では、茨城町の「市街化調整区域」「区域指定制度」「用途地域」といった建て替えを左右する制度を中心に、古い家が集まるエリアの特徴と建て替え時に必ず確認すべきポイントを、茨城県の解体専門「解体Do!」が一次情報をもとに解説します。

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茨城町の建て替え事情を知る前に押さえておきたい町の骨格

茨城町は東茨城郡に属し、水戸市の南東に隣接する町です。町内全域が昭和46年7月26日に都市計画区域に指定され、昭和49年8月20日に市街化区域・市街化調整区域という「線引き」が決定されました。この線引きこそが、茨城町で建て替えを考えるときに最初に確認すべき最重要ポイントです。

市街化区域と市街化調整区域、何が違うのか

都市計画法第7条により、市街化区域は「既に市街化を形成している区域及びおおむね10年以内に計画的・優先的に市街化を図る区域」、市街化調整区域は「市街化を抑制し、農業等の保全を図る区域」と定義されています。この違いは建て替えの可否に直結します。

茨城町の用途地域指定と建ぺい率・容積率

市街化区域には用途地域が定められ、地域ごとに建ぺい率・容積率の上限が決まっています。茨城町の場合、第一種低層住居専用地域は建ぺい率40〜50%・容積率80〜100%、第一種・第二種住居地域や準住居地域は建ぺい率60%・容積率200%など、用途地域によって建て替え後に確保できる床面積の上限が変わります。市街化調整区域は原則として用途地域を定めず、建ぺい率・容積率は一律60%・200%が上限です。

市街化調整区域での建て替えが難しい理由

都市計画法第29条により、市街化調整区域内の開発行為は原則として同法第34条に適合するものだけが許可されます。市街化区域では都市計画に適合し一定の要件を満たせば開発行為が許可されるのに対し、市街化調整区域では建築目的の土地の区画形質の変更が原則として制限されており、農地転用も市街化区域が「届出制」であるのに対し市街化調整区域は「許可制」となる点も、市街化区域との大きな違いです。

そもそも「建て替え」と「新築」で扱いが違う場合がある

既に建物が建っている土地で同じ用途・同程度の規模で建て替える場合と、更地から新たに住宅を建てる場合とでは、市街化調整区域における扱いが異なることがあります。古い家を解体してから再建築する際は、既存建物と同一の用途・敷地であることの証明(登記事項証明書や固定資産税課税明細など)を求められるケースがあるため、解体前に町の都市整備課へ相談しておくことが重要です。

区域指定制度|茨城町の集落に息づく「もう一つのルール」

市街化調整区域だからといって、茨城町のすべての集落で建築が一律に制限されているわけではありません。茨城町には、既存集落の維持・保全を目的とした「区域指定制度」があります。これは都市計画法第34条第11号・第12号に基づき、茨城県が条例(茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例第4条・第6条第1項第1号・第2号)で定めた開発許可基準の一つです。

区域指定制度の仕組み

市街化調整区域において、おおむね50以上の建築物が連たんしていることや、道路・排水等の公共施設が一定水準整備されていることなど、県の定めた基準を満たす区域をあらかじめ指定することで、指定区域内では申請者の出身要件を問わず、誰でも住宅等一定用途の建築物を建てられるようになる制度です。古い家が多く残る集落ほど、この区域指定の有無が建て替えの可否を左右します。

11号区域と12号区域の違い

区域指定は、市街化区域から1キロメートル以内の集落を「11号区域」、1キロメートルを超える集落を「12号区域」として区分します。茨城町内には11号区域が10集落(大戸・前田・長岡・小鶴など)、12号区域が18集落(下石崎・上石崎・宮ヶ崎・飯沼・木部など)指定されており、合計28の集落区域が対象です。それぞれの区域は第1種・第3種・第4種・第6種といった集落区分にも分かれ、区域ごとに詳細な位置図が公開されています。

令和4年の制度改正で一部区域が縮小

令和4年4月1日の都市計画法改正(開発許可制度の見直し)に伴い、浸水被害の恐れがある区域を除外する検討が行われ、7つの区域の一部で重複が生じたため茨城県への申出を経て区域が決定し直されました。縮小となったのは11号区域の「小鶴」、12号区域の「下石崎」「上石崎」「下飯沼・下土師」「上飯沼・下飯沼」「飯沼・上飯沼」です。古くからある家がこれらの集落にある場合、以前は区域指定の対象だった土地が現在は対象外になっている可能性があるため、最新の区域図での確認が欠かせません。

茨城町の市街化調整区域における11号区域と12号区域の比較図解
茨城町の区域指定:11号区域(10集落)と12号区域(18集落)の比較

古い家が多いエリアと区域指定の重なり

茨城町で古い家が目立つのは、桜の郷のような新興住宅地ではなく、旧集落を中心とした地域です。区域指定された28集落の多くは、まさに古くからの農村集落や街道沿いの集落と重なっています。

長岡地区一帯|複数の区域指定が集中するエリア

長岡は11号区域だけでも「矢頭」「植農」「農協周辺」など複数の区域指定があり、12号区域の「谷田部(明光中学校周辺)」も含めると、町内でも特に区域指定が細かく分かれているエリアです。古い家が連なる旧集落と、区域指定によって建て替えが可能な範囲が入り組んでいるため、番地レベルでの確認が必要になります。

石崎地区一帯|昭和33年編入の歴史ある集落

石崎地区は昭和33年に編入された旧石崎村にあたり、上石崎・下石崎・中石崎に区域指定が複数存在します。警察学校周辺、免許試験場周辺、旧広浦小学校周辺など、公共施設を中心に集落が形成されてきた歴史があり、古い家が多い一方で区域指定の対象になっている範囲も広いエリアです。

飯沼・木部地区一帯|令和4年改正で区域が縮小したエリア

飯沼・上飯沼・下飯沼・下土師・木部は12号区域の第4種集落に指定されていますが、令和4年の改正で一部が縮小対象となった地区でもあります。古い家の敷地が縮小後の区域指定の範囲内に収まっているかどうかは、個別の位置図で確認する必要があります。

区域指定がない土地で建て替えたい場合

区域指定を受けていない市街化調整区域の土地では、原則として住宅の新築・建て替えはできません。ただし、都市計画法第34条には区域指定以外にも複数の許可基準があり、既存の宅地であることや、農家の分家住宅であることなど、個別の要件を満たせば許可される可能性があります。こうした判断は専門的な内容を含むため、茨城町都市建設部都市整備課、または開発許可権限を持つ茨城県建築指導課県央建築指導室への事前相談が不可欠です。

建て替え前に必ず確認したい5つのステップ

ステップ1|自分の土地が市街化区域か市街化調整区域か確認する

茨城町都市建設部都市整備課の窓口、または都市計画図で確認できます。市街化区域であれば用途地域に応じた建ぺい率・容積率の範囲内で比較的自由に建て替えが可能です。

ステップ2|市街化調整区域なら区域指定の対象か確認する

28集落の区域指定図と自分の土地の番地を照合します。令和4年の改正で縮小された区域もあるため、古い資料ではなく最新の位置図を確認することが重要です。

ステップ3|区域指定の種別(第1種〜第6種)を確認する

同じ区域指定でも集落区分によって用途や規模の条件が異なる場合があります。詳細は都市整備課への確認が確実です。

ステップ4|農地が絡む場合は農地転用の要否を確認する

市街化調整区域内の農地を宅地に転用する場合は農地法の許可制となり、市街化区域内の届出制よりも手続きに時間がかかります。解体・建て替えのスケジュールに影響するため早めの確認が必要です。

ステップ5|解体と建て替えを同じ業者・同じ流れで進められるか確認する

区域指定や開発許可の要件を満たしていても、解体工事と建て替えの間に空白期間が生じると、既存建物との同一性を証明しづらくなるケースがあります。解体前の段階で建て替え計画がある場合は、その旨を解体業者にも伝えておくと後の手続きがスムーズです。

茨城町で建て替え前に確認すべき5つのステップのフロー図解
茨城町の建て替え前チェックフロー(5ステップ)

解体費用・補助金を先に確認したい方へ

茨城町では工事費の40%・上限50万円という県内でも手厚い空き家解体補助金制度がありますが、補助金を使うと土地が10年間売却できなくなるという条件があります。建て替え前提か売却前提かによって判断が変わるため、詳しくは茨城町の空き家解体補助金50万円|10年の落とし穴【2026】で解説しています。解体費用の相場や優良業者の見分け方は失敗しない茨城町の解体|2026年費用相場と優良業者5つの見分け方もあわせてご確認ください。近隣の水戸市の古い家が多いエリアと建て替え事情【2026年】も参考になります。

まとめ|茨城町の建て替えは「線引き」と「区域指定」の二段階確認が鍵

茨城町で古い家の建て替えを考えるときは、まず市街化区域か市街化調整区域かを確認し、市街化調整区域であれば28集落におよぶ区域指定の対象かどうかをさらに確認するという二段階のチェックが欠かせません。令和4年の制度改正で区域が縮小された集落もあるため、古い情報のまま判断せず、最新の位置図と町の窓口での確認を習慣にしましょう。解体Do!では、建て替えを前提とした解体工事のご相談も承っています。

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茨城町の建て替え・解体に関するよくある質問

Q1. 茨城町の土地が市街化区域か市街化調整区域かはどこで確認できますか?

茨城町都市建設部都市整備課(電話029-240-7116)の窓口、または町ホームページで公開されている都市計画図で確認できます。決定図書は窓口での閲覧も可能です(コピー不可)。

Q2. 区域指定を受けている集落なら誰でも家を建てられますか?

区域指定制度は、県の定めた基準を満たす区域内であれば申請者の出身要件を問わず住宅等一定用途の建築が可能になる制度です。ただし建ぺい率・容積率や接道条件など他の基準も満たす必要があるため、個別の確認が必要です。

Q3. 令和4年の改正でどの集落の区域指定が縮小されましたか?

11号区域の「小鶴」、12号区域の「下石崎(旧広浦小学校周辺・長洲周辺)」「上石崎(東永寺県道沿い)」「下飯沼・下土師」「上飯沼・下飯沼」「飯沼・上飯沼」の一部が、浸水被害の恐れがある区域との重複を理由に縮小されました。

Q4. 市街化調整区域の農地を解体後に宅地として使う場合、手続きは必要ですか?

必要です。市街化調整区域内の農地転用は農地法上の許可制となり、市街化区域内の届出制よりも手続きに時間がかかる場合があります。解体・建て替えのスケジュールに影響するため、早めに農業委員会等へ確認することをおすすめします。

Q5. 茨城町の解体補助金を使うと建て替えにも影響しますか?

茨城町の空き家解体補助金(工事費40%・上限50万円)は、交付を受けると土地が10年間売却できなくなる条件があります。建て替えて住み続ける前提であれば影響は小さいですが、将来の売却も視野に入れる場合は補助金利用の判断を慎重に行う必要があります。

Q6. 開発許可制度の詳しい相談窓口はどこですか?

茨城町の都市計画法に基づく開発行為に関しては、茨城県建築指導課県央建築指導室が窓口です。区域指定の詳細は茨城町都市建設部都市整備課でも確認できます。

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