茨城県かすみがうら市で「実家が古くなってきた」「空き家をどうするか決めたい」と考え始めた方に向けて、市内で古い家が多いエリアの特徴と、建て替え・解体を検討する際に知っておきたい制度を2026年8月時点の一次情報でまとめました。

かすみがうら市は霞ヶ浦に面した旧千代田町・旧霞ヶ浦町が合併して生まれた市で、土浦市に隣接する新興住宅地と、農村部・湖畔の旧集落とで住宅事情が大きく異なります。この記事では、地区ごとの特徴、建て替え時に注意すべきポイント、そして市が実際に用意している補助制度を整理します。

かすみがうら市の住宅事情の全体像

かすみがうら市は令和4年度の空家等実態調査で、居住者の高齢化が空き家発生の主要因であることが明らかになっています。「住んでいた人の死亡」「施設入所・入院」を理由とする回答が全体の6割を超えており、これは持ち家率が高い茨城県の郊外都市に共通する傾向です。

市の成り立ちと人口動態

かすみがうら市は2005年に旧千代田町と旧霞ヶ浦町が合併して誕生しました。庁舎が千代田庁舎(上土田)と霞ヶ浦庁舎(大和田)の2か所に分かれていることからも分かるように、市内は大きく「千代田地区」と「霞ヶ浦地区」に分かれ、それぞれ住宅の成り立ちや世帯構成が異なります。茨城県内の多くの市町村と同様、人口減少と少子高齢化が進んでおり、核家族化による単身・高齢者世帯の増加で、今後も空き家の増加傾向が続くと市の対策計画でも予測されています。

古い家が多いエリアの特徴

かすみがうら市内で築年数の古い住宅が集中しやすいのは、主に次の3つのエリアです。

千代田地区(旧市街地・農村部)

かすみがうら市役所の本庁舎がある千代田地区は、旧千代田町時代からの中心市街地と、周辺に広がる農村集落で構成されています。農家住宅や昭和期に建てられた戸建てが多く、土地に対して建物が古いまま維持されているケースが目立ちます。

霞ヶ浦沿岸エリア(旧霞ヶ浦町エリア)

霞ヶ浦庁舎周辺を含む旧霞ヶ浦町エリアは、湖に面した集落や漁業・農業を営んできた世帯が多く、高齢化率が市内でも高い水準にあります。空き家等対策計画のアンケート調査でも、このエリアからの相談・回答が多く寄せられています。

土浦市近接エリア(新興住宅地混在)

土浦市に隣接する市南部・西部の一部地域は、通勤圏として比較的新しい住宅も混在しています。ただし造成から数十年が経過した団地では、初期入居世帯の高齢化により、今後築古化が進むことが見込まれます。

かすみがうら市の地区別世帯特性イメージ図

なぜ古い家が集中するのか

相続と空き家化のプロセス

親世代が亡くなった、または施設に入所したことをきっかけに住宅が空き家化するパターンが、かすみがうら市でも最も多い要因です。相続人が市外・県外に住んでいる場合、実家の管理や処分の判断が先送りされやすく、結果として老朽化が進行します。

再建築不可・接道条件の問題

旧集落エリアでは、建築基準法上の接道義務を満たさない敷地(幅員4m未満の道路にしか接していない土地など)も一定数存在します。こうした土地は建て替えができず、既存の建物を維持し続けるか、セットバックなどの対応が必要になる場合があります。

農地・市街化調整区域の制約

かすみがうら市の農村部には市街化調整区域が広く指定されているエリアもあり、原則として新たな住宅の建築に制限がかかります。建て替えを検討する際は、対象の土地がどの区域区分に属するか、都市計画課などへの事前確認が欠かせません。

建て替えを検討する際に確認すべきこと

まず登記と権利関係を確認する

空き家等対策計画でも強調されている通り、相続登記が適切になされていないと、建て替えや売却の手続きに多くの時間と費用がかかります。名義が祖父母のままになっているケースも少なくないため、早めに法務局で登記事項証明書を取得して確認しましょう。

解体費用の目安と使える制度

建て替えの場合、既存住宅の解体費用と新築費用の両方を資金計画に織り込む必要があります。老朽化した家屋の解体費用は、木造住宅で坪3万円台〜5万円台が一般的な目安とされていますが、家財の量やアスベスト含有建材の有無によって変動します。かすみがうら市には解体費用そのものを直接補助する制度は2026年8月時点で存在しませんが、「住宅リフォーム資金補助金」では増改築の際に一部を取り壊す工事が条件により対象となる場合があります(工事費税抜の10%・上限10万円、市内施工業者利用が条件)。

かすみがうら市で使える住まい関連の制度

2026年8月時点でかすみがうら市の公式ホームページ上に掲載されている、住まいに関する主な制度は次の3つです。いずれも解体費用そのものを対象とする制度ではありませんが、建て替えや空き家の利活用を検討する際に関係してくる可能性があります。

かすみがうら市で使える制度の比較図

住宅リフォーム資金補助金

市内に住所を有し、対象住宅に3年以上継続して居住している個人が、市内施工業者を利用してリフォームを行う場合に、工事費(税抜)の10%・上限10万円を補助する制度です。令和8年度は5月1日から先着順で受付が開始されましたが、2026年7月13日時点で申請62件・残件数0件となっており、既に予算上限に達し受付を終了しています。次年度の受付開始時期は市の商工観光課への確認が必要です。

かすみがうら市空家等バンク登録奨励金

空家等・空き地バンク(通称:空家等バンク)に物件を登録した所有者に対し、登録奨励金として5万円/件が交付されます(予算の範囲内)。空き家を売却・賃貸に出したいと考えている所有者にとって、登録のインセンティブになる制度です。

かすみがうら市空き家バンクリフォーム事業補助金

市への定住意思を持って空き家バンクの物件を改築・増築、または機能維持・向上のための修繕やリフォームを行う場合に、予算の範囲内で補助金が交付されます。空き家を購入・賃借して移住する側にとって、初期費用の負担を軽減できる制度です。

解体費用そのものへの補助は無い

茨城県が公表している市町村別の住宅関連助成制度一覧には、過去の時点で「かすみがうら市空家等解体撤去補助金」という名称の制度が掲載されていたことがありますが、2026年8月時点でかすみがうら市公式ホームページの空家等対策ページ・住まい関連ページのいずれにも、解体・撤去費用そのものを補助する制度の掲載は確認できませんでした。制度の新設・廃止は年度によって変わる可能性があるため、実際に解体を検討する際は、地域コミュニティ課(電話:029-897-1111)に最新の状況を必ず確認してください。

危険ブロック塀等の対応について

解体費用そのものへの補助ではありませんが、道路に面した危険なブロック塀の撤去については、茨城県内の複数市町村で個別の補助制度が設けられている例があります。かすみがうら市で該当する制度の有無や条件は、建築指導を担当する部署に個別確認することをおすすめします。

建て替え・解体を依頼する際の業者選びのポイント

複数業者からの見積もりと許可の確認

解体工事の費用は業者によって差が出やすい分野です。地域の施工実績がある業者を含め複数社から見積もりを取り、内訳(人件費・廃材処分費・重機使用料など)を比較しましょう。また、一定規模以上の解体工事を請け負う業者は建設業許可または解体工事業登録が必要です。契約前に許可番号を確認し、無登録業者への依頼は避けてください。

廃棄物処理の適正性

解体で発生する廃材は産業廃棄物として適正に処理される必要があります。マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付・保管について、契約前に確認しておくと安心です。

空き家のまま放置するリスク

老朽化した空き家を放置すると、倒壊・火災・不法侵入などのリスクが高まるだけでなく、周辺の生活環境にも悪影響を及ぼします。かすみがうら市でも、管理不全な空家等に対しては所有者への助言・指導が行われており、改善が見られない場合はさらに踏み込んだ対応がとられる可能性があります。早めに解体・建て替え・売却・賃貸など、具体的な方向性を決めることが結果的にコストを抑えることにつながります。

かすみがうら市の空き家全般の現状については「かすみがうら市の空き家の現状とまちの変化【2026年】」、解体補助金の詳しい条件については「かすみがうら市の解体補助金|無い理由と使える3制度【2026】」で解説しています。隣接する稲敷市の古い家事情は「稲敷市の古い家が多いエリアと建て替え事情【2026年版】」もあわせてご覧ください。

まとめ

かすみがうら市で古い家が多いのは、千代田地区の農村部、霞ヶ浦沿岸エリア、そして土浦市近接の一部地域です。いずれも高齢化の進行が空き家化の主な要因となっています。市には解体費用そのものを補助する制度は2026年8月時点で存在しませんが、住宅リフォーム資金補助金や空家等バンクの奨励金・リフォーム補助金など、建て替えや空き家活用に関連する制度は複数用意されています。まずは登記状況の確認と、市担当課への最新情報の確認から始めることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. かすみがうら市に解体費用の補助金はありますか?

2026年8月時点で、かすみがうら市公式ホームページ上に解体・撤去費用そのものを対象とする補助制度の掲載は確認できません。住宅リフォーム資金補助金の中で、増改築に伴う一部取り壊しが条件付きで対象になる場合があります。最新情報は地域コミュニティ課・商工観光課へ直接お問い合わせください。

Q2. 住宅リフォーム資金補助金はいつ申請できますか?

例年5月頃から先着順で受付が開始されます。令和8年度は5月1日に受付を開始し、7月13日時点で予算上限に達して受付を終了しています。次年度の受付時期は市の発表を確認してください。

Q3. 空き家バンクに登録するとどんなメリットがありますか?

物件登録者にはバンク登録奨励金として5万円/件が交付されます(予算の範囲内)。また、購入・賃借して定住する側がリフォームを行う場合は、別途リフォーム事業補助金の対象になる場合があります。

Q4. 市街化調整区域でも建て替えはできますか?

区域や既存建物の状況によって可否が異なります。市街化調整区域内での建て替えには制限がかかる場合があるため、都市計画課などへの事前確認が必要です。

Q5. 解体費用の相場はどれくらいですか?

木造住宅の場合、坪あたり3万円台〜5万円台が一般的な目安とされていますが、家財の量、立地条件(重機搬入路の有無など)、アスベスト含有建材の有無によって変動します。正確な費用は現地調査を伴う見積もりで確認することをおすすめします。

Q6. 相続登記が済んでいない実家でも解体・建て替えできますか?

相続登記が未了のままでは、解体や建て替えの契約主体が定まらず手続きが滞ることがあります。まず法務局で登記事項証明書を取得し、必要であれば相続登記を先に進めることをおすすめします。

Q7. 危険なブロック塀だけを撤去したい場合の相談先は?

建築指導を担当する部署(地域コミュニティ課・都市計画課など)に、対象となる補助制度の有無を個別に確認することをおすすめします。

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