「かすみがうら市に、空き家の解体補助金はありますか?」というご相談をよくいただきます。結論から申し上げます。かすみがうら市には、住宅の解体(除却)費用そのものを補助する制度はありません(2026年7月時点・市公式ホームページで確認)。
ただし、これは「かすみがうら市は空き家に冷たい」という話ではありません。むしろ逆で、かすみがうら市は「壊す側」ではなく「残して活かす側」に支援を集めているのが特徴です。この設計思想を知らずに先に解体してしまうと、本来もらえたはずのお金や、買主が使えたはずの制度を、自分で消してしまうことになります。
この記事では、茨城県の解体工事専門「解体Do!」が、かすみがうら市公式ホームページの記載にもとづいて、①解体補助金が無いことの確認 ②代わりに使える3つの制度 ③壊す前に確認すべき順番 を整理します。

かすみがうら市に空き家の解体補助金はある?【結論:ありません】
市公式ホームページで確認した範囲
かすみがうら市公式ホームページの「くらし・手続き>住まい>空家等対策」には、解体費用を補助する制度のページがありません。掲載されているのは「空家等とは」「連携協定の締結」「空家等の活用・管理・処分でお悩みの方へ」という案内で、いずれも費用の補助ではなく情報提供と相談窓口です。
市サイト内検索で「除却」を検索しても、該当するのは屋外広告物の除却届出書のみで、住宅の除却補助に関する要綱・様式は見当たりません。近隣の石岡市には「特定空家等解体費用補助金(上限30万円)」がありますが、制度の有無は市町村ごとにまったく違います。
まとめサイトの情報は古いことがあります(ブロック塀の補助ページは現在404)
かすみがうら市には、以前「危険ブロック塀等撤去費補助事業」がありました。補助額は除却費用の3分の2、または総延長(m)×1万円×3分の2のいずれか低い額で、上限10万円という内容でした。
しかし2026年7月時点で、この制度の市公式ページは開くことができません(ページが見つかりませんと表示されます)。市サイト内検索でヒットするのも2021〜2023年の回覧文書だけです。一方で補助金まとめサイトには、いまも「実施中」として残っているものがあります。
ブロック塀の撤去補助を当てにして工事を進める前に、必ず市の担当課(地域コミュニティ課 空き家対策担当/代表 0299-59-2111)に現在の受付状況を確認してください。まとめサイトの情報だけで判断すると、当てが外れます。
なお、当時の要綱には「販売を目的とする土地に存するものでないこと」という条件が入っていました。これは茨城県内の他市町村のブロック塀補助にも共通して見られる条件で、売却予定の土地では塀の撤去補助は使えないという意味です。詳しくはブロック塀の解体費用相場で解説しています。
かすみがうら市が用意しているのは「残して活かす側」への3制度
解体への補助は無い一方で、かすみがうら市には空き家を壊さずに流通させるための制度が複数あります。売却・活用を考えているなら、こちらのほうが金額的に有利になる場合があります。
①空家等バンク登録奨励金|5万円/件
かすみがうら市空家等・空き地バンクに物件(空き地を除く)を登録した所有者に対して、登録奨励金5万円/件が交付されます。ただし予算の範囲内という条件付きです。
ポイントは、これが「売れたら」ではなく「登録したら」もらえるお金だという点です。まず登録してみる、という一歩のハードルが低く設計されています。
②かすみがうら市空き家バンクリフォーム事業補助金
バンクを通じて売買・賃貸契約が成立した利用者が、一定の条件を満たす改修工事を行った場合に、その費用が補助されます。空き家の改築・増築、機能や性能を維持・向上させる修繕、補修、改造、附帯設備の修繕・模様替えなどが対象です。
これは「買った人・借りた人」が使う制度です。つまり、あなたの空き家がバンクに載っていることで、買い手側の負担が下がり、結果として売れやすくなります。
③結婚新生活支援事業の「空き家バンク購入加算」|20万円
かすみがうら市の結婚新生活支援事業には、空き家バンク購入加算20万円という枠があります。夫婦の双方または一方が所有者となる対象住宅を、かすみがうら市空家等・空き地バンクに登録された物件から購入した場合に加算されるものです。
★先に壊すと、買主が使えたはずの20万円が消えます
ここが最も見落とされる点です。②も③も「建物が残っていて、バンクに登録されている」ことが前提の制度です。
解体して更地にしてしまうと、その土地はもう「空き家バンクの空き家」ではなくなります。買主が使えたはずのリフォーム補助と20万円の加算が、あなたの解体という判断によって消えるのです。買主にとって20万円得をする物件と、しない土地では、当然、売れ行きも価格交渉の余地も変わります。
「とりあえず更地にしてから売ろう」は、かすみがうら市では損になる可能性があります。

住宅リフォーム資金補助金は空き家には使えません
かすみがうら市には「住宅リフォーム資金補助金」(工事費・税抜の10%、上限10万円)もあります。ただし空き家の所有者は、この制度を使えません。
条件が「3年以上住んでいること」だから
- かすみがうら市に住所を有する個人であること
- 補助を受けようとする住宅に継続して3年以上居住していること
- 補助の対象となる住宅の所有者であること
- 納期の到来した市税を完納していること(同一世帯の親族の市税に滞納がないこと)
- 市の他の制度による補助を受けていないこと
相続した実家や、誰も住んでいない空き家は「継続して3年以上居住」に当てはまりません。また対象工事も「自己の居住用の住宅本体のリフォーム」であり、解体は対象外です。
令和8年度の枠は、7月13日時点ですでに残り0件
市の申請状況ページによると、令和8年7月13日8時30分時点で申請62件・残件数(目安)0件となっており、令和8年度の受付は終了しています。受付は5月1日午前9時からの先着順でした。
補助金は「上限額」よりも「枠数」が先に効きます。金額だけを見て計画を立てると、申し込める時期を逃します。
交付決定前の着工は対象外
この制度に限らず、補助金には「交付決定通知書が届く前に工事を始めたら対象外」という条件がほぼ必ず入っています。見積りを取ったらすぐ着工、という進め方は補助金を捨てることになります。
かすみがうら市とクラッソーネの連携協定(2025年11月6日締結)
かすみがうら市は、令和7年(2025年)11月6日に株式会社クラッソーネと「空家等の適切な管理の促進に係る連携協定」を締結しました。これにより、市民は次の無料ツールを使えるようになっています。
- 家じまいの相談窓口|空き家の処分・利活用・売却を含めた相談(0120-304-395/平日9時〜18時)
- かすみがうら市版 すまいの終活ナビ|解体費用と、解体後の土地売却査定の相場がわかる
- かすみがうら市版 解体費用シミュレーター|解体工事の概算相場がわかる
- かすみがうら市版 固定資産税シミュレーター|解体後の固定資産税の上昇額の目安がわかる
- かすみがうら市版 空き家の迷惑度診断|「管理不全空家等」に指定される可能性を診断できる
シミュレーターは「概算」です。実際の見積りとはズレます
無料で相場感をつかめるのは大きなメリットです。ただし市の案内にも注記があるとおり、傾斜地、前面道路の高低差など重機の搬入が難しい接道状況、ベタ基礎、茅葺、り災、アスベストなどの条件はシミュレーターに反映されません。
かすみがうら市は霞ヶ浦沿いの旧霞ヶ浦町エリアと、常磐道が通る旧千代田町エリアで道路事情が大きく異なります。現地を見ないと出せない金額があるということは、必ず頭に入れておいてください。
かすみがうら市の解体費用の目安
構造別・坪単価の目安
| 建物の構造 | 坪単価の目安 |
|---|---|
| 木造(W造) | 30,000円〜40,000円/坪 |
| 軽量鉄骨造(S造) | 35,000円〜45,000円/坪 |
| 重量鉄骨造(S造) | 40,000円〜60,000円/坪 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 50,000円〜80,000円/坪 |
30坪の木造住宅なら、建物本体でおおむね90万円〜120万円が目安です。※これは付帯工事費・諸経費を含まない概算であり、実際の金額は現地条件で変動します。
見積りが上がる主な要因
- 前面道路が狭く、重機が入らない(手作業が増え人件費が上がる)
- 隣家との距離が近く、養生や手壊しの範囲が広がる
- アスベストの含有(事前調査は法令上の義務。含有時は除去費用が加算)
- 附帯工事|ブロック塀・カーポート・庭木・庭石・浄化槽・物置
- 残置物(家財が残っていると産業廃棄物扱いになり割高)
詳しい内訳と費用を抑える方法は、かすみがうら市の解体費用|2026年相場と5つのコスト削減術で解説しています。
補助金が無いなら、解体費用をどう回収するか
①建物付きのまま売る(解体費0円)
最も確実なのは、解体せずにそのまま買い取ってもらう方法です。解体費用が0円になるうえ、前述のとおりバンク経由なら買主側の制度も生きます。
「こんな古い家、買い手がつかない」と思われがちですが、買取業者は建物ではなく土地と再販可能性を見ています。残置物が残っていても、そのまま引き取れる場合があります。
②解体後の土地の売却代金で回収する
更地にしたほうが売れる土地もあります。判断材料は「解体費用を差し引いた手取り額がどちらが多いか」の1点です。
解体を決める前に、必ず「建物付きで売った場合」と「更地で売った場合」の両方の査定を取ってください。片方しか取らずに解体を決めるのが、いちばん多い失敗です。
③更地にすると、翌年度の固定資産税が上がります
住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税の課税標準が小規模住宅用地(200㎡以下の部分)で6分の1、一般住宅用地で3分の1に軽減されています。建物を解体するとこの特例が外れます。
毎年1月1日時点の状況で課税されるため、年内に解体すると翌年度から税負担が上がります。売却の時期と解体の時期は、セットで考える必要があります。
売却時に使える国の税制特例(かすみがうら市の空き家も対象)
相続空き家の3,000万円特別控除
相続で取得した被相続人の居住用家屋とその敷地を売却した場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円)を控除できる制度です。
要件には、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと、相続時から譲渡時まで事業・貸付・居住の用に供されていないこと、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどがあります。
この特例には期限があります。「そのうち考えよう」と3年を過ぎると、控除できたはずの税金がそのまま負担になります。譲渡所得にかかる税率は長期譲渡(所有期間5年超)で20.315%です。
取得費加算の特例
相続税を納めた方が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得を圧縮できます。3,000万円控除との併用はできないため、どちらが有利かの試算が必要です。
※税務の適用可否は個別事情で変わります。実際の適用は税務署または税理士にご確認ください。
かすみがうら市で空き家の解体・売却を進める手順
- ステップ1|登記簿・固定資産税課税明細書で、所有者と面積・地目を確認する
- ステップ2|相続登記が済んでいるか確認する(2024年4月から相続登記は義務化されています)
- ステップ3|「建物付きで売る」「更地で売る」の両方の査定を取る
- ステップ4|空家等バンクへの登録を検討する(登録奨励金5万円/買主側の制度も生きる)
- ステップ5|解体するなら、複数社から項目別の見積りを取る(アスベスト事前調査の有無も確認)
- ステップ6|解体時期と売却時期を、固定資産税の1月1日基準に合わせて決める
茨城県内の市町村ごとの解体補助金の有無は、茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧にまとめています。
かすみがうら市の解体補助金に関するよくある質問
かすみがうら市に空き家の解体補助金はありますか?
2026年7月時点で、かすみがうら市に住宅の解体(除却)費用を補助する制度はありません。市公式ホームページの空家等対策のページにも、解体費用の補助に関する記載はありません。代わりに空家等バンク登録奨励金(5万円/件)や空き家バンクリフォーム事業補助金など、空き家を残して活用する側への支援が用意されています。
かすみがうら市のブロック塀撤去の補助金は使えますか?
以前は「危険ブロック塀等撤去費補助事業」(除却費用の3分の2、上限10万円)がありましたが、2026年7月時点で市公式ページを開くことができません。補助金まとめサイトには実施中として残っている場合がありますので、工事を進める前に必ず市の担当課へ現在の受付状況をご確認ください。また当時の要綱には「販売を目的とする土地に存するものでないこと」という条件がありました。
住宅リフォーム資金補助金を空き家の工事に使えますか?
使えません。対象者の条件に「補助を受けようとする住宅に継続して3年以上居住していること」があるため、誰も住んでいない空き家は対象外です。また令和8年度の枠は7月13日時点で残り0件となっており、受付は終了しています。
解体してから売るのと、そのまま売るのはどちらが得ですか?
手取り額で比較してください。かすみがうら市の場合、建物を残してバンクに登録しておくと、買主が空き家バンクリフォーム事業補助金や結婚新生活支援事業の空き家バンク購入加算20万円を使える可能性があります。先に更地にするとこれらが消えるため、解体を決める前に「建物付き」と「更地」の両方の査定を取ることをおすすめします。
更地にすると固定資産税はどれくらい上がりますか?
住宅が建っている土地に適用されている住宅用地の特例(小規模住宅用地は課税標準6分の1、一般住宅用地は3分の1)が外れます。毎年1月1日時点の状況で課税されるため、年内に解体すると翌年度から負担が上がります。上昇額の目安は、かすみがうら市版の固定資産税シミュレーターでも試算できます。
かすみがうら市の解体費用の相場はいくらですか?
木造で1坪あたり30,000円〜40,000円が目安です。30坪の木造住宅なら建物本体でおおむね90万円〜120万円ですが、これは付帯工事費・諸経費を含みません。前面道路の幅、隣家との距離、アスベストの有無、残置物の量で金額は大きく変わるため、現地を見た見積りで確認してください。
かすみがうら市の空き家・解体のご相談は解体Do!へ
解体Do!は、茨城県の解体工事を専門に扱う地域密着のサービスです。運営はハウスドゥ加盟の不動産会社であるため、「解体する」「そのまま売る」「更地にして売る」の3つを、同じ窓口で数字にして比較できるのが強みです。
解体業者に相談すれば「解体しましょう」という答えになりやすく、不動産会社だけに相談すれば解体費用の実額が出てきません。かすみがうら市には解体補助金が無いからこそ、手取り額で判断することが重要です。お見積り・査定はいずれも無料です。
▶あわせて読みたい:かすみがうら市の解体費用|2026年相場と5つのコスト削減術
▶あわせて読みたい:茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧【2026年】
※本記事はかすみがうら市公式ホームページの掲載内容(2026年7月時点で確認)にもとづいて作成しています。制度は年度や予算の状況により変更されます。申請前に必ず市の担当課へ最新の内容をご確認ください。費用は目安であり、実際の金額は現地条件により異なります。

