常陸大宮市の中心部から少し離れた集落を車で走ると、築40年、50年を超える木造住宅が点々と残っている光景に出会います。空き家になっているものも少なくありません。「この家、建て替えられるのだろうか」「更地にしたら家は建てられるのか」——そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は常陸大宮市は、市内のほとんどが「非線引き都市計画区域」または都市計画区域外という、茨城県内でも比較的珍しい土地利用の構造を持っています。この記事では、常陸大宮市がなぜ「古い家が多いエリア」になったのかという成り立ちから、建て替えや解体を検討する際に押さえておきたい制度まで、公式情報をもとに整理します。
常陸大宮市はなぜ古い家が多いのか
5つの町村が合併してできた市という成り立ち
常陸大宮市は平成16年10月16日、那珂郡大宮町・山方町・美和村・緒川村、東茨城郡御前山村の1町3村1村、合計5つの自治体が合併して誕生しました。それぞれの町村は独自の集落形成の歴史を持っており、合併から20年以上が経過した今も、旧町村ごとに街並みの成り立ちが異なります。
旧町村ごとに異なる街並みの表情
中心部にあたる旧大宮町エリアは市役所や商業施設が集まり、比較的新しい住宅も混在します。一方、旧山方町・旧美和村・旧緒川村・旧御前山村のエリアは、久慈川沿いや山間部の集落が中心で、古くからの農家住宅や、道路の拡幅が難しい狭い道沿いの家屋が多く残っています。
久慈川流域の農村集落という土地柄
常陸大宮市は久慈川とその支流に沿って集落が形成されてきた歴史があり、平地が限られる中で敷地の形状や接道条件が現代の建築基準に合わないケースが少なくありません。これが「建て替えたくても難しい」という相談につながる背景のひとつです。

都市計画区域から見る建て替えのしやすさ
非線引き都市計画区域とは何か
都市計画区域には大きく分けて「市街化区域・市街化調整区域に分ける(線引き)」タイプと、「分けない(非線引き)」タイプがあります。常陸大宮市は市街化区域・市街化調整区域という線引きそのものが行われていない「非線引き都市計画区域」に該当する地域が中心です(大宮地域の一部)。線引きされた自治体のように「市街化調整区域だから原則建てられない」という制約が及ばない範囲が広いのが特徴です。
山方地域の一部は知事指定区域
山方地域の一部(山方宿周辺)については、建築基準法第6条第1項第3号に基づく知事指定区域とされています。この区域では建築確認の手続き上、通常の都市計画区域とは異なる扱いになる場合があるため、該当地区での建て替えを検討する際は、事前に市の都市計画担当窓口で区域の該当有無を確認することをおすすめします。
用途地域が指定されている範囲は限定的
用途地域についても、非線引き都市計画区域内の一部にのみ指定されており、市内全域に及んでいるわけではありません。用途地域が指定されていない地域では、建てられる建物の種類や規模に関する制約が比較的緩やかな一方、逆に「何が建つか分からない」土地柄という側面もあります。詳細は「大宮都市計画総括図」で地区ごとに確認できます。
都市計画区域外の集落も点在
山間部を中心に、そもそも都市計画区域の指定を受けていないエリアも存在します。こうした地域では建築基準法上の接道義務など一部規制の適用が異なる場合があり、古い家屋の建て替えにあたっては個別の確認が必要です。

接道条件と建て替えの壁
再建築不可になりやすい旗竿地・細街路
農村集落特有の敷地割りとして、道路に接する間口が狭い「旗竿地」や、幅員4m未満の狭い道路(いわゆる細街路)に面した宅地が多く見られます。建築基準法上、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していないと再建築ができないため、こうした土地では「今建っている家を解体すると、同じ場所に同じ規模の家を建てられない」というケースが起こり得ます。
セットバックが必要になるケース
幅員4m未満の道路でも「2項道路」に該当すれば、道路の中心線から2m後退(セットバック)することで建て替えが可能になる場合があります。ただし後退した部分は敷地として使えなくなるため、建蔽率・容積率の計算上も影響が出ます。該当するかどうかは市の建築指導担当への確認が必要です。
擁壁・崖地に接する敷地の注意点
久慈川沿いや山間部では、擁壁や崖地に近接する敷地も少なくありません。老朽化した擁壁がある場合、新築や増改築の際に擁壁の安全性確認や補強が求められることがあり、解体費用に加えて追加のコストが発生する可能性がある点は事前に把握しておきたいところです。
建て替え・住み替えを後押しする制度
空き家改修費補助金の仕組み
常陸大宮市には、空き家バンクを通じて売買・賃貸借契約が成立した空き家を対象とした「空き家改修費補助金」があります。改修工事費用の1/2以内(上限50万円)、家財処分費用(ハウスクリーニング含む)の1/2以内(上限20万円)が補助されます。建て替え前提で古家を取得する場合、この制度が使えるかどうかは検討の初期段階で確認しておく価値があります。
定住促進のための住宅取得奨励金
子育て世帯などを対象に、令和2年1月1日以降に登記が完了した住宅取得に対する奨励金制度も設けられています。建て替え後の新居がこの制度の対象になるかどうかは、対象要件(世帯構成・登記時期など)を市の窓口で確認するのが確実です。
木造住宅の耐震診断・耐震改修に関する事業
昭和56年5月31日以前に建築された木造戸建て住宅を対象に、耐震診断士を派遣する事業や、耐震改修費用を補助する事業の存在が市公式サイトで確認できます。ただし補助率や上限額の詳細はページによって案内が分かれているため、対象となる可能性がある方は、解体・建て替えの計画を立てる前に市の建築指導担当課へ直接問い合わせることを強くおすすめします。
危険なブロック塀等の撤去に関する補助
老朽化したブロック塀の撤去を対象とした補助事業の存在も確認されています。解体工事の際、古い家屋と同時にブロック塀の撤去を検討している場合は、対象になるかどうか事前確認しておくと費用面で有利になる可能性があります。
解体費補助は既存記事で解説済み
常陸大宮市の解体工事そのものに対する補助金(老朽危険空家等解体撤去補助金・上限50万円)については、当サイトの別記事「常陸大宮市の解体補助金は最大50万円|条件・申請の順番・費用相場」で詳しく解説しています。建て替えの前段階として解体を検討している方はあわせてご確認ください。
常陸大宮市空家等対策計画から見える市の方針
計画策定の背景
常陸大宮市は「常陸大宮市空家等対策計画」を策定し、空き家の発生予防から利活用、管理不全な空き家への対応まで、総合的な方針を示しています。人口減少と高齢化が進む中、古い家をどう次の世代に引き継ぐか、あるいはどう手放すかという課題に市全体で向き合っている姿勢がうかがえます。
空き家バンク制度の活用
空き家対策計画の柱のひとつが空き家バンク制度です。売りたい・貸したい所有者と、住みたい・使いたい希望者をマッチングする仕組みで、前述の改修費補助金ともセットで運用されています。古家付きの土地を取得して建て替える場合、まず空き家バンクの登録物件を確認してみるのもひとつの方法です。
地区別に見る古い家の傾向
旧大宮町エリア(中心市街地)
市役所周辺の中心市街地は比較的道路整備が進んでいますが、駅周辺の旧商店街エリアには昭和期の店舗兼住宅が密集して残る一角もあります。間口が狭く奥行きのある「うなぎの寝床」型の敷地が多いのも特徴です。
旧山方町エリア(久慈川沿い・知事指定区域含む)
山方宿を中心に、久慈川沿いの集落に古い家屋が多く残ります。前述の知事指定区域が含まれるため、建て替えの際は区域の該当確認が特に重要になるエリアです。
旧美和村・旧緒川村エリア(山間部の農家住宅)
山間部特有の広い敷地に建つ農家住宅が多く、母屋と離れ・納屋がセットになっている物件も珍しくありません。母屋だけでなく付属建物の解体・整理をあわせて検討するケースが多いのもこのエリアの特徴です。
旧御前山村エリア(過疎化が進む山間集落)
5町村の中でも特に人口減少が進んでいるとされる地域で、空き家の増加が課題となっています。都市計画区域外の集落も含まれるため、建築規制よりもむしろ「そもそも建て替え需要自体が少ない」という別の課題に直面しているエリアでもあります。
建て替えか、解体して手放すか
建て替えを選ぶ場合に確認したいこと
接道条件・用途地域の有無・知事指定区域への該当有無をまず確認し、そのうえで耐震診断や補助制度の対象可否を市に問い合わせるという順番が失敗しにくい進め方です。制度は年度ごとに条件が変わることもあるため、最新情報は必ず市の公式窓口で確認してください。
解体して更地で活用・売却する場合
再建築不可の土地や、山間部で住宅需要が見込みにくい土地の場合、建て替えよりも解体して更地にし、駐車場や資材置き場として活用したり、隣地所有者への売却を検討したりする選択肢もあります。解体費用の相場については、当サイトの「常陸大宮市の解体費用はいくら?相場と4つのコツ」で詳しく解説しています。
空き家のまま放置するリスク
「特定空家等」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除され税負担が増えるほか、行政からの指導・勧告・命令の対象になる可能性があります。段階が進むほど選択肢は狭まるため、早めの判断が結果的にコストを抑えることにつながります。
解体Do!に相談するメリット
茨城県全域対応の解体専門会社として
解体Do!は茨城県全域を対象に解体工事を手がけており、常陸大宮市のような山間部・農村集落特有の敷地条件(狭い進入路、擁壁、離れ・納屋の解体など)にも対応してきた実績があります。
建て替え前の解体でも御見積りから対応
建て替えを前提とした解体でも、まずは無料お見積りから承っています。接道条件や既存建物の状況を確認したうえで、適切な工法と費用感をご提案します。
関連記事のご案内
常陸大宮市の空き家の現状や人口動態については「常陸大宮市の空き家の現状とまちの変化」、解体費用の相場感については「常陸大宮市の解体費用はいくら?相場と4つのコツ」で詳しく解説しています。隣接する那珂市の建て替え事情は「那珂市の古い家が多いエリアと建て替え事情」もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. 常陸大宮市で家を建て替える場合、市街化調整区域だから建てられないということはありますか?
A. 常陸大宮市の中心部(大宮地域の一部)は「非線引き都市計画区域」であり、市街化区域・市街化調整区域という線引き自体が行われていません。そのため線引きされた自治体のような「調整区域だから原則建てられない」という制約は基本的に及びません。ただし山方地域の一部は知事指定区域に該当するなど地区ごとに扱いが異なるため、事前に市の都市計画担当窓口での確認をおすすめします。
Q2. 空き家を解体して更地にした場合、新しい家を建てられますか?
A. 敷地が建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たしていない旗竿地や狭い道路沿いの土地では、解体後に同規模の建て替えができない「再建築不可」となるケースがあります。解体前に接道状況を確認しておくことが重要です。
Q3. 常陸大宮市に解体費用の補助金はありますか?
A. 老朽危険空家等解体撤去補助金として上限50万円の制度があります。詳しい条件や申請の順番は「常陸大宮市の解体補助金は最大50万円|条件・申請の順番・費用相場」で解説していますのでご確認ください。
Q4. 空き家バンクを使うとどんなメリットがありますか?
A. 空き家バンクを通じて売買・賃貸借契約が成立した物件は、改修工事費用の1/2以内(上限50万円)、家財処分費用の1/2以内(上限20万円)の補助を受けられる可能性があります。古家を取得して建て替える予定がある方は、対象になるか市の窓口で確認する価値があります。
Q5. 昭和56年以前に建てた家の耐震性が心配です。補助はありますか?
A. 常陸大宮市には昭和56年5月31日以前に建築された木造戸建て住宅を対象とした耐震診断士派遣事業や耐震改修費補助事業の存在が公式サイトで確認できます。補助率・上限額はケースにより異なるため、建て替えや解体の計画を立てる前に市の建築指導担当課へ直接お問い合わせください。
Q6. 解体と建て替え、どちらを先に相談すればいいですか?
A. まずは建物の状態と土地の接道条件を確認し、建て替え可能かどうかを見極めることが先決です。解体Do!では建て替え前提の解体でも無料お見積りから対応していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ|常陸大宮市で建て替えを考えたら早めの確認を
常陸大宮市は非線引き都市計画区域を中心に、旧5町村それぞれ異なる街並みと建築条件を持つ市です。建て替えを検討する際は、まず自分の土地がどの区域・地区に該当するかを確認し、必要に応じて市の補助制度や空き家バンクの活用も視野に入れることが、後悔のない選択につながります。解体や建て替え前の整地についてお悩みの方は、お気軽に解体Do!へご相談ください。
無料見積もりフォーム
この記事に関するお見積もり・ご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。


