「那珂市の実家、建て替えたいけれど市街化調整区域だと言われて何から確認すればいいか分からない」——解体Do!には、那珂市でこうしたご相談が多く寄せられます。那珂市は水戸市のベッドタウンとして発展してきた一方、旧那珂町・旧瓜連町それぞれの中心部には古くからの集落が残り、地区によって建て替えのしやすさが大きく異なります。この記事では那珂市公式サイトの一次情報にもとづき、古い家が多いエリアの特徴と、建て替え・解体を検討するときに確認すべき制度上のポイントを整理します。
那珂市で「古い家が多い」と感じるエリアの傾向
那珂市空家等対策計画の地区別調査(自治会委託調査)によると、市内8地区のうち空き家数が最も多いのは旧那珂町の中心市街地にあたる菅谷地区、次いで五台地区、旧瓜連町域の中心部にあたる瓜連地区と続きます(詳細な戸数は「那珂市の空き家の現状とまちの変化」で解説済みです)。この記事では戸数の内訳ではなく、なぜこれらの地区で「古い家」が集中するのか、建て替えを検討する際に何を確認すべきかを掘り下げます。
旧那珂町・旧瓜連町、それぞれの中心部に集落起源の住宅が集積
那珂市は2005年1月21日、那珂郡那珂町が瓜連町を編入する形で誕生しました。菅谷地区(那珂町の旧中心部)と瓜連地区(瓜連町の旧中心部)は、それぞれ合併前から独立した市街地として発展してきた経緯があり、古くからの商店街や農家住宅が密集しています。敷地の間口が狭く奥に長い「うなぎの寝床」型の区画や、私道・位置指定道路に接する敷地が多いのも、これらの旧市街地に共通する特徴です。
市街化調整区域に広がる純農村集落エリア
那珂市の都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に分かれており、後者では建築行為に原則として都市計画法に基づく開発許可が必要です。額田・門部・加納・海後・戸・四堰など、市の周辺部に位置する集落では、代々の農家住宅が多く残る一方、市街化調整区域であることを理由に建て替えを迷う所有者が少なくありません。
【重要】市街化調整区域でも建て替えられる「区域指定制度」
那珂市は平成29年4月1日より、市街化調整区域における既存集落の維持・保全を目的とした「区域指定制度」を導入しています。これは、市が指定した区域内であれば、申請者の出身・居住歴などの要件を問わず、一戸建て住宅等の建築を目的とした開発許可を受けられる制度です。市街化調整区域だからといって、建て替えができないわけではありません。
指定区域内で建てられる建築物の要件(2026年時点)
- 建築できる用途:一戸建て住宅、一戸建て兼用住宅、学校、老人ホーム等の公益施設、延べ面積200㎡以下の事務所・作業所など(共同住宅・長屋・寄宿舎・下宿は対象外)
- 開発区域の総面積:5,000㎡以下
- 敷地面積:300㎡以上(一戸建て住宅の場合は300㎡以上1,000㎡未満)
- 建ぺい率60%以下・容積率200%以下
- 建築物の最高高さ:原則10m以下
敷地面積の上限(1,000㎡未満)は令和6年4月1日の改正で新たに設けられた要件です。それ以前から所有している広い敷地の場合、現行基準に照らして建て替え可能かどうかを那珂市開発指導室に確認することをおすすめします。
令和4年4月からは災害ハザード区域が対象外に
都市計画法の改正を受け、那珂市は令和4年4月1日より、区域指定の対象区域から災害ハザード区域を除外しました。具体的には、土砂災害警戒区域(額田地区の一部、門部地区の一部、加納・海後地区の一部)と、浸水想定区域=浸水想定3m以上(戸地区の一部、四堰地区の全域)が対象外となっています。これらのエリアに該当する場合、区域指定制度を使った建て替えができない可能性があるため、事前確認が欠かせません。
なお、指定区域内であっても排水・接道等の技術基準を満たさなければ開発許可を受けられず、農地転用が必要な土地では別途農地転用許可も必要です。区域指定の詳細な指定区域図は那珂市都市計画課で確認できます。
建て替え前に確認したい那珂市の用途地域と建ぺい率・容積率
市街化区域内であっても、用途地域によって建てられる建物の規模・用途は異なります。菅谷地区・五台地区などの旧市街地は住居系の用途地域に指定されていることが多く、建ぺい率・容積率の上限が土地ごとに異なります。建て替えを検討する際は、現在の建物が「既存不適格」(当時の基準では合法だったが、現行の建築基準法や都市計画法の基準には合っていない状態)になっていないかも合わせて確認が必要です。用途地域や建ぺい率・容積率は那珂市都市計画課の窓口または都市計画図で確認できます。
【図解】那珂市の建て替え判断フロー
那珂市で古い家の建て替えを検討する際は、次の順番で確認を進めると迷いにくくなります。
- 市街化区域か市街化調整区域かを都市計画図で確認する
- 市街化調整区域の場合、区域指定制度の対象エリア(災害ハザード区域を除く)に該当するかを確認する
- 敷地面積・接道状況が開発許可の技術基準を満たすかを確認する
- 既存不適格建築物でないか、用途地域の建ぺい率・容積率を確認する
- 建て替え・解体・活用(空き家バンク登録)のどれが最適かを比較検討する

古い家によくある建て替え時の注意点
接道条件(旧市街地の狭小道路・私道)
菅谷地区・瓜連地区など旧市街地の古い家では、建築基準法上の道路に該当しない私道や、幅員4m未満の狭い道路に接する敷地が少なくありません。建て替えの際は「セットバック」(道路中心線から2mの位置まで敷地を後退させる)が必要になるケースがあり、建築可能な面積が実質的に狭くなることがあります。
農家住宅・附属建物の解体費用
那珂市の周辺集落に多い農家住宅は、母屋のほかに納屋・蔵・倉庫などの附属建物を伴うことが一般的です。建て替えのために解体する場合、これら附属建物の解体・処分費用が見積りに含まれているかを事前に確認することが重要です。附属建物を含めると、母屋単体の解体費用より総額が大きくなる傾向があります。
井戸・浄化槽など旧来の設備の扱い
上下水道が後年に整備されたエリアでは、古い家に井戸や浄化槽が残っていることがあります。建て替え時にはこれらの埋め戻し・撤去費用も別途発生するため、解体業者に現地を見てもらった上での見積りが欠かせません。
那珂市空き家バンクリフォーム補助金|「壊す」前に検討したい制度
那珂市には、空き家バンクに登録した物件のリフォーム・家財処分費用を補助する「那珂市空き家バンクリフォーム補助金」があります。2026年時点で確認できる内容は次のとおりです。
- リフォーム工事費(経費総額20万円以上):対象経費の1/2、上限30万円
- 家財処分費(経費総額5万円以上):対象経費の1/2、上限10万円
- 対象者:那珂市空き家バンクの登録者・利用登録者で、市税等の滞納がないこと
- 申請は工事・処分の実施前に行う必要がある(事後申請不可)
注意したいのは、補助金の交付を受けた登録物件を3年以内に取り壊した場合、交付決定の取り消し・返還を求められることがあるという点です。将来的に解体を考えている古い家をこの補助金でリフォームする場合、3年以内の解体予定がないか事前によく検討する必要があります。
那珂市には建物の解体そのものを直接補助する制度は、2026年8月時点の一次情報の範囲では確認できていません。危険なブロック塀の除却については別途補助金制度があるため、該当する場合は那珂市建築住宅課にご確認ください。
建て替えのために解体する場合の届出
床面積の合計が80㎡以上の建築物を解体する場合、建設リサイクル法にもとづき工事着手の7日前までに那珂市(または茨城県)へ届出が必要です。木造住宅の建て替えはほとんどの場合この対象になるため、解体業者に依頼する際は届出も含めて対応してもらえるかを確認しておくと安心です。詳しい流れは「解体工事とは?流れ・期間・費用・届出をまるごと解説」でも解説しています。
建て替え・解体・活用|3つの選択肢の比較

| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 建て替え | その土地に住み続けたい・区域指定制度の対象エリア | 接道・敷地面積・用途地域の基準を満たすか要確認 |
| 解体して売却・更地活用 | 住む予定がなく管理負担を減らしたい | 解体費用は自己負担、附属建物の有無で総額が変わる |
| 空き家バンク登録+リフォーム補助 | 賃貸・売却で活用したい、3年以内に解体予定がない | リフォーム補助金は3年以内解体で返還対象になりうる |
那珂市の解体費用相場を知りたい方へ
建て替え・解体いずれを選ぶ場合も、まずは概算費用を把握しておくと判断しやすくなります。木造住宅の解体費用相場や坪単価の考え方は「解体費用の坪単価|50坪・100坪の総額シミュレーション」で解説しています。また、建て替えと売却のどちらが得かで迷う場合は「古い家は解体すべき?売却との判断基準5つ」もあわせてご覧ください。那珂市の空き家全体の状況(人口推移・8地区の空き家分布)は「那珂市の空き家の現状とまちの変化」でまとめています。無料のお見積りはこちらの無料相談フォームからお気軽にどうぞ。
隣接する常陸大宮市の建て替え事情については「常陸大宮市の古い家が多いエリアと建て替え事情」もあわせてご覧ください。
まとめ|那珂市で古い家の建て替え・解体を検討するときは
那珂市は旧那珂町・旧瓜連町それぞれの中心部に古くからの集落が残り、市街化調整区域の周辺集落にも代々の農家住宅が多く残っています。市街化調整区域だからといって建て替えを諦める必要はなく、区域指定制度の対象エリア(災害ハザード区域を除く)であれば一定の条件で建て替えが可能です。まずは都市計画図でご自宅がどの区域に該当するかを確認し、建て替え・解体・空き家バンク活用のどれが最適かを比較検討することをおすすめします。ご不明な点があれば、地域事情に詳しい解体Do!までお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 那珂市の市街化調整区域でも建て替えはできますか?
那珂市が指定する「区域指定制度」の対象区域内であれば、都市計画法の開発許可を受けて一戸建て住宅等を建てられます。ただし敷地面積(300㎡以上1,000㎡未満)や建ぺい率・容積率などの基準を満たす必要があります。
Q2. 区域指定制度の対象区域はどこで確認できますか?
那珂市都市計画課で指定区域図を確認できます。令和4年4月からは土砂災害警戒区域や浸水想定区域(額田・門部・加納・海後地区の一部、戸地区の一部、四堰地区全域など)が対象外となっているため、該当エリアかどうかも合わせて確認が必要です。
Q3. 那珂市に解体費用そのものを補助する制度はありますか?
2026年8月時点で確認できる一次情報の範囲では、建物の解体そのものを直接補助する制度は見当たりませんでした。那珂市の主な補助制度は空き家バンクリフォーム補助金など、活用・改修に寄せた設計になっています。
Q4. 空き家バンクリフォーム補助金を使った後、すぐに解体してもよいですか?
那珂市空き家バンクリフォーム補助金は、交付を受けた登録物件を3年以内に取り壊した場合、交付決定の取り消し・返還を求められることがあります。解体を検討している場合は、補助金申請前に3年以内の解体予定がないか慎重に確認してください。
Q5. 旧市街地(菅谷・瓜連地区など)の古い家で建て替え時に注意すべき点は?
私道や幅員4m未満の狭い道路に接する敷地が多く、セットバックが必要になるケースがあります。また農家住宅では母屋以外に納屋・倉庫などの附属建物があることが多く、解体費用の見積りにこれらが含まれているかの確認が重要です。
Q6. 建て替えと解体、どちらを選ぶべきか迷っています。
その土地に住み続けたいか、管理の負担を減らしたいかによって選択肢が変わります。区域指定制度の対象エリアであれば建て替えの選択肢も現実的です。判断基準を整理した記事もあわせてご覧いただき、迷う場合は解体Do!までご相談ください。
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