桜川市で「実家をどうするか」を考えるとき、真壁の土蔵造りの家と、岩瀬・大和の農家住宅とでは、建て替えのしやすさがまったく違います。同じ桜川市内でも、区域によって建築のルールが大きく異なるためです。この記事では、桜川市で古い家が集まりやすい3つのエリアタイプと、それぞれで建て替え・解体を考えるときに知っておきたい制度を、桜川市公式サイトの一次情報にもとづいて整理します。
桜川市はなぜ「古い家が多いエリア」と「建てやすいエリア」が分かれるのか
桜川市は2005年(平成17年)に岩瀬町・真壁町・大和村の3町村が合併して誕生しました。合併前の行政区域がそのまま都市計画上の性格の違いとして残っているため、「同じ市内なのに建て替えのしやすさが違う」という状況が生まれています。
真壁地区=伝統的な街並みと重機導線の制約
真壁地区は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているエリアを含み、土蔵造りや出桁造りの古い商家・住宅が数多く残っています。景観保全の観点から外観に一定の配慮を求められる場合があるほか、道幅が狭く重機の搬入経路が限られる住宅も多いのが実情です。
岩瀬・大和地区=区域指定で建築のハードルが下がったエリア
岩瀬・大和地区の一部(間中南・稲・羽黒・岩瀬・長方・大和・真壁の各区域)は、令和6年4月1日施行の「桜川市市街化調整区域に係る開発許可等の基準を定める条例」により区域指定されており、出身者要件を問わず誰でも住宅の建築許可を受けられるようになっています。
それ以外の市街化調整区域=個別の許可要件を要確認
区域指定エリアの外側は、都市計画法上の市街化調整区域として原則、住宅の新築が制限されます。既存の建物を建て替える場合でも、都市計画法第43条にもとづく許可の要否を桜川市都市整備課に確認する必要があります。

桜川市の区域指定制度|令和6年4月から誰でも家を建てられるエリアが生まれた
区域指定の対象エリア(市条例第3条)
桜川市公式サイトによると、市条例第3条の規定による区域指定は間中南・稲・羽黀・岩瀬・長方・大和・真壁の各地区に設定されています(総括図・計画図は市公式サイトで公開)。指定区域内であれば、自己用住宅は敷地面積200平方メートル以上、それ以外は250平方メートル以上、幅員4m以上(自己用住宅以外は5m以上)の道路に接していることなどの要件を満たせば、出身者でなくても住宅の建築許可を受けられます。
実家の建て替えを考えるときにまず確認すべきこと
区域指定エリアで建てられる建物の高さは10m以下、用途は第2種低層住居専用地域に建築可能なもの(住宅・共同住宅・床面積150平方メートル以下の店舗など)に限られます。マンションや大型店舗は想定されていません。「この土地は区域指定に入っているか」は、桜川市都市整備課への確認、または茨城県の「いばらきデジタルまっぷ」で調べられます。区域指定に入っていない市街化調整区域の場合は、建て替えそのものが個別許可の対象になるため、解体工事の着手前に建築の可否を確認しておくことが重要です。
古い木造住宅ほど気になる耐震性|桜川市の耐震診断制度
令和8年度 木造住宅耐震診断士の派遣(募集5戸)
桜川市は、昭和56年5月31日以前に着工された2階建て以下の木造戸建て住宅を対象に、木造住宅耐震診断士を自己負担2,000円で派遣する事業を実施しています。令和8年度は7月1日から10月30日まで募集し、募集戸数はわずか5戸です(募集戸数に達し次第終了)。診断は11月から令和9年2月に実施予定です。対象は丸太組構造・プレハブ工法・木造枠組工法を除く在来の木造住宅で、店舗等併用住宅の場合は住宅以外の用途の床面積が過半でないものに限られます。また、過去に市の補助を受けて耐震診断を実施していないことも条件です。
耐震診断の結果が「古い家をどうするか」の判断材料になる
耐震診断の結果、大規模な補強が必要と分かった場合、リフォームで住み続けるか、解体して建て替えるかの判断材料になります。桜川市第2次耐震改修促進計画でも、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の木造住宅の耐震化が課題として位置づけられています。
実家が空き家のまま古くなっている場合|桜川市の空き家解体補助金
不良住宅(空家)除却費補助制度の概要
桜川市には、空き家になってから1年以上経過した住宅を対象に、解体費用の2分の1(上限50万円)を補助する「不良住宅(空家)除却費補助制度」があります。店舗・倉庫・納屋・門・塀などは対象外で、住宅本体の解体費が対象です。
採択は「申込順」ではなく「点数の高い順」
この制度で誤解が多いのが採択方法です。早く申し込んだ人から順に補助を受けられるのではなく、市が現地を調査して「不良住宅判定票」で点数をつけ、傷みが激しく危険度の高い空き家から順に、令和9年度予定の10棟枠まで補助対象になります。
2年度にまたがるスケジュールに注意
この補助金は「解体する前年度」に判定を受けておく必要があるのが特徴です。令和9年度の補助を希望する場合は、令和8年9月11日までに不良住宅判定の申し込みが必要になります。「思い立ってすぐ解体・申請」とはいかない点に注意してください。詳しい条件・上限額・申請の流れは、当サイトの桜川市の空き家解体補助金の記事で解説しています。
建て替えずにリフォームする場合に使える制度
住宅リフォーム助成事業(工事費の10%・上限10万円)
桜川市内の施工業者でリフォーム工事(修繕・改築・増築・模様替え・補修等)を行う場合、工事費用の10%(上限10万円)が補助されます。対象は工事金額20万円以上の工事で、申請は先着順、交付決定前の工事着手は補助対象外です。令和8年度は5月7日から受付を開始しています。交付対象者は、市内に住所を有し対象住宅に継続して3年以上居住していること、住宅の所有者であること、市税等が完納されていることなどが条件です。実家を相続してすぐの場合は、この居住年数要件を満たさない可能性があるため注意が必要です。
建て替え・新築を考える場合に使える住宅取得助成金
基本30万円+条件で加算(最大110万円規模)
桜川市内に住宅を新築・購入した50歳以下の方(空き家バンク経由なら年齢制限なし)を対象に、基本助成金30万円に加え、新婚・子育て世帯なら50万円、Iターン・Uターンなら50万円、市内事業者との契約なら30万円などの加算がある「さくらがわ人生応援住宅取得助成金」があります。
保存登記から1年以内という期限に注意
この助成金は、住宅の所有権を保存登記してから1年以内に申請する必要があります。実家を解体して建て替えるケースでは、登記のタイミングを見落として申請期限を過ぎてしまわないよう注意が必要です。令和8年度からは国の住宅取得関連の補助制度との併用も可能になっています。

解体そのものへの補助金は無い|正直に伝えたい2つの制度の違い
桜川市には「空き家(1年以上放置された住宅)」の解体を対象にした補助金はありますが、居住中の古い家を建て替え目的で解体する場合に使える一般的な解体費用補助は、現時点の公式サイトの確認では見当たりません。「空き家になってから1年以上」という条件を満たさない住宅の解体は、原則として自己負担になります。
桜川市の解体工事の費用相場や業者選びについては、当サイトの桜川市の解体工事費用・業者選びの記事で詳しく解説しています。
現地で「古い家が多いエリア」を見分ける3つの手がかり
棟の高さ・前面道路の幅・付属建物の量に注目する
真壁地区のように昭和以前からの街並みが残るエリアでは、隣接する住宅の棟の高さがそろっていることが多く、後から建て替えられた住宅が混じると景観上目立ちます。また、建築基準法上の接道義務(幅員4m以上)を満たさない道路に面した敷地では、そもそも建て替え自体ができない、またはセットバック(敷地の後退)が必要になる場合があり、これが古い家がそのまま残りやすい大きな要因です。加えて桜川市は農業・石材業(真壁石)が盛んな地域性から、母屋以外に納屋や作業場を併設する住宅が多く見られます。解体費用はこうした付属建物の量によって総額が大きく変わるため、見積もり時には母屋だけでなく敷地全体の建物を伝えることが重要です。
建て替え・解体を進める順番を間違えると損をする3つのポイント
耐震診断・解体補助・取得助成金、それぞれの申込タイミング
木造住宅耐震診断士派遣は募集戸数5戸と少なく、住宅リフォーム助成事業も先着順です。建て替えかリフォームか迷っている段階でも、早めに市都市整備課・商工観光課へ相談しておくことで選択肢が狭まりにくくなります。空き家の解体補助を使いたい場合は、解体する前年度のうちに不良住宅判定を受けておく必要があり、解体を決めてから慌てて申し込んでも、その年度の判定期間を過ぎていれば翌年度以降に持ち越しになります。さらに、解体して建て替えた後の住宅取得助成金は保存登記から1年以内の申請が条件のため、解体工事のスケジュールが延びて登記が遅れると助成金の申請期限にも影響することを念頭に置いておきましょう。
よくある質問
Q1. 桜川市のどのエリアでも家を建て替えられますか?
A. いいえ。桜川市は都市計画法上の市街化調整区域が広く、区域指定エリア(間中南・稲・羽黒・岩瀬・長方・大和・真壁の一部)以外では、建て替えに個別の開発許可・建築許可が必要になる場合があります。着手前に桜川市都市整備課への確認が必要です。
Q2. 実家の解体費用に使える補助金はありますか?
A. 空き家になってから1年以上経過した住宅であれば、解体費の2分の1(上限50万円)の補助制度があります。ただし居住中の住宅の建て替え目的での解体には使えません。採択は申込順ではなく点数の高い順で、前年度のうちに判定を受ける必要があります。
Q3. 古い家の耐震性が心配です。どこに相談すればいいですか?
A. 昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅であれば、桜川市の木造住宅耐震診断士派遣制度(自己負担2,000円)を利用できます。令和8年度は5戸限定のため、早めに都市整備課へ申し込むことをおすすめします。
Q4. 区域指定に入っているかはどこで確認できますか?
A. 桜川市都市整備課への問い合わせのほか、茨城県の「いばらきデジタルまっぷ」でも指定区域を確認できます。桜川市公式サイトでは間中南・稲・羽黒・岩瀬・長方・大和・真壁の各区域の総括図・計画図がPDFで公開されています。
Q5. 建て替えとリフォーム、どちらを先に検討すべきですか?
A. まずは耐震診断で建物の状態を把握するのがおすすめです。大規模な補強が必要なら建て替え、部分的な劣化であればリフォーム助成の活用を検討するというように、診断結果を判断材料にすると費用のかけどころを見極めやすくなります。
Q6. 桜川市に空き家バンクはありますか?
A. 桜川市の住宅取得助成金は空き家バンクを利用して住宅を取得した場合、年齢の上限なく対象になり10万円が加算されます。空き家として放置する前に、空き家バンクへの登録も選択肢の一つです。
まとめ
桜川市で古い家が多いのは、真壁地区の伝統的な街並みや、市街化調整区域が広く建築に制約があるエリアが多いことが背景にあります。一方で令和6年4月からは区域指定制度により、指定エリアなら出身者でなくても住宅を建てられるようになりました。建て替えを検討する際は、①区域指定の有無の確認、②耐震診断での状態把握、③空き家解体補助金は前年度判定が必須という3点を押さえておくと、手戻りを防げます。解体を伴う建て替えをご検討の際は、現地調査から見積もりまで解体Do!にお気軽にご相談ください。
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