「実家が古くなってきたけれど、このまま解体すべきか、それとも古い家のまま売った方がいいのか分からない」——茨城県内で解体のご相談を受けていると、この悩みに毎週のように出会います。結論から言うと、正解は1つではありません。建物の状態・立地・資金計画・相続人の状況によって、最適な選択は変わります。この記事では、解体専門業者「解体Do!」が、古い家を「解体するか」「売るか」「活かすか」を判断するための5つの軸と、それぞれの費用・税金の注意点を整理します。

そもそも「古い家」とは?築年数と「旧耐震基準」の目安

「古い家」に法律上の明確な定義はありませんが、不動産・解体の現場では次の2つの基準がよく使われます。

  • 旧耐震基準の建物:建築確認が昭和56年(1981年)5月31日以前に行われた建物。現在の耐震基準(新耐震基準)を満たしていない可能性があります。
  • 法定耐用年数を超えた建物:木造住宅は22年、鉄骨造は27〜34年(骨格材の厚みによる)、鉄筋コンクリート造は47年が税務上の減価償却の基準です。ただし法定耐用年数は税金の計算上の目安であり、「その年数を過ぎたら住めなくなる」という意味ではありません。実際の耐久性はメンテナンス状況によって大きく異なります。

この2つはあくまで「判断のきっかけ」であり、実際にどうするかは次章以降の軸で総合的に決める必要があります。

古い家を放置するとどうなる?3つのリスク

1. 特定空家等に指定されると固定資産税が上がることがある

空家等対策の推進に関する特別措置法により、倒壊のおそれや衛生上有害となるおそれがある空き家は「特定空家等」に指定される場合があります。指定されて市区町村長からの勧告を受けると、住宅用地に対する固定資産税の特例(200㎡以下の部分は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減される制度)の対象から外れ、税額が上がることがあります。金額は自治体・敷地面積により異なるため、正確な額は市区町村の税務担当課にご確認ください。

2. 保安上・防犯上のリスクが増す

屋根材の飛散、外壁の崩落、シロアリ被害による倒壊のおそれのほか、不法侵入・放火・不法投棄のリスクも年数とともに高まります。

3. 相続人が増え、話がまとまりにくくなる

放置している間に相続が発生すると、所有者(相続人)の数が増え、解体・売却いずれの判断も全員の合意が必要になり、手続きが難しくなります。2024年4月からは相続登記が義務化されており、放置は登記義務の観点からもリスクになります。

古い家 解体 売却 判断チェックリスト5項目 解体Do!茨城
古い家を「解体するか」「売るか」を判断する5つのチェックポイント

「解体か、売却か」判断5つの軸

軸1|耐震性・老朽度

旧耐震基準の建物か、雨漏り・シロアリ被害などの劣化が進んでいるかを確認します。老朽化が進んでいるほど、そのまま売る場合の買い手が限られます。

軸2|買い手のつきやすさ(再建築不可・接道状況)

敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していない「再建築不可物件」の場合、解体して更地にしても新築が建てられません。この場合は解体費用をかけるより、現況(古家付き)のまま専門の買取業者へ相談したほうが合理的なケースがあります。

軸3|資金計画(解体費用を先に負担できるか)

解体してから売る場合、数十万円〜数百万円の解体費用を売主が先に負担する必要があります。手元資金に余裕がない場合は、古家付きのまま売り出し、値引き交渉の中で解体費用相当分を調整する方法もあります。

軸4|相続人の状況(共有名義の同意)

相続した家が共有名義になっている場合、解体も売却も名義人全員の同意が原則必要です。話し合いが難航しそうな場合は、先に司法書士・弁護士へ相談することをおすすめします。

軸5|活用・居住の意思の有無

「いずれ自分や親族が住む・貸す」という具体的な予定があるなら、解体せずリフォームや空き家バンクへの登録という選択肢も検討できます。予定が無いなら、維持コスト(固定資産税・管理の手間)を考えて早めの決断が有利になることが多いです。

選択肢①|解体して更地で売る

更地にしてから売り出す方法です。

メリット 買い手の対象が広がる(土地として検討する人・新築希望者にも刺さる)/境界や地中埋設物を解体時に確認できる/建物の契約不適合責任(雨漏り・シロアリ等)が発生しない
デメリット 解体費用を売主が先に負担する/固定資産税の住宅用地特例が外れ、更地の期間は税額が上がることがある/再建築不可物件だと更地にしても建築できない

なお、買主が決済時に土地代金の中から解体費用相当分を負担する形の「更地渡し」(引渡し猶予)という進め方を不動産会社が提案してくれる場合もあります。資金負担のタイミングは事前に相談しておくと安心です。

選択肢②|古家付きのまま売る(現況渡し)

メリット 解体費用が原則不要/住宅用地の固定資産税特例が続きやすい/古材・古民家再生を希望する買い手に刺さることがある
デメリット 買い手が限られやすい/建物部分の契約不適合責任(雨漏り等)が問題になることがある/住宅ローンの審査で建物評価が低く付きやすい

「古家付き土地」として売却する場合、査定額や進め方は不動産会社によって差が出ます。茨城県内での売却相談は、グループの不動産売却サイトhousedo.group(茨城県の不動産売却・買取)で無料査定を受けることもできます。

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「解体して更地で売る」と「古家付きで売る」の比較

選択肢③|解体せずリフォーム・活用する

「まだ使える」「思い入れがある」という場合は、解体せずに活用する道もあります。

  • 空き家バンクへの登録:市町村が運営する空き家バンクに登録し、移住希望者などへの賃貸・売却を待つ方法。自治体によってはリフォーム費用の補助制度もあります。
  • 賃貸に出す:最低限の修繕で貸し出す方法。ただし旧耐震基準の建物は借り手が見つかりにくい場合があります。
  • 自分たちで住む・二拠点利用:耐震診断・耐震改修を行った上で住み続ける選択肢です。

古い家の解体費用の目安

解体費用は建物の構造・延床面積・立地条件によって大きく変わります。目安は以下の通りです(すべて坪単価の目安であり、正確な金額は現地調査後の見積りで確定します)。

構造 坪単価の目安
木造 3万円〜5万円/坪
鉄骨造(S造) 3.5万円〜5.5万円/坪
鉄筋コンクリート造(RC造) 5万円〜8万円/坪

より詳しい坪数別のシミュレーション(30坪・50坪・100坪の総額目安)は、解体費用の坪単価|50坪・100坪の総額シミュレーションで解説しています。あわせてご確認ください。

解体前に必ず確認したい3つのこと

1. 使える補助金があるか

茨城県内の市町村の多くに、老朽空き家の解体費用を補助する制度があります(金額・条件は自治体ごとに大きく異なり、無い自治体もあります)。当社で一次確認した茨城県内44市町村の一覧は茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧【2026年】にまとめています。多くの自治体で「交付決定の通知を受ける前に契約・着工すると補助対象外になる」というルールがあるため、解体業者と契約する前に必ず確認してください。

2. アスベスト(石綿)の事前調査

2022年4月から、一定規模以上の解体・改修工事では石綿の事前調査結果の報告が義務化され、2023年10月からは有資格者による調査が必須になっています。古い家ほど石綿含有建材が使われている可能性があるため、見積り前の事前調査は欠かせません。

3. 隣地との境界

建物が建っている間は境界標が建物の下に隠れていることがあります。解体後に境界トラブルにならないよう、可能であれば解体前・解体後に隣地の方と境界を確認しておくと安心です。境界が不明な場合は土地家屋調査士による測量が必要になることもあります。

解体を選んだ場合の流れと、見積り時に見るべきポイント

解体すると決めた場合の大まかな流れは、①業者へ相談・現地調査 → ②アスベスト事前調査 → ③補助金の事前申請(使う場合) → ④交付決定後に契約・着工 → ⑤解体工事 → ⑥廃棄物処理・整地 → ⑦建物滅失登記、という順番になります。工事の内容や必要な届出について詳しくは解体工事とは?構造別の工法・法律・流れを解説をご覧ください。

見積書は「解体工事一式」とだけ書かれていると、他社と比較しづらく追加請求の原因にもなります。内訳の見方や相見積もりの取り方は解体工事の見積書の見方と相見積もりの取り方で詳しく解説しています。また、家財・不用品が残っている場合は、解体と別々に業者を呼ぶより、まとめて依頼したほうが処分費用を抑えられることがあります(解体工事の残置物とは|処分費用と自分で処分する方法)。

古い家を売るときに使える税制優遇

古い家(空き家)を売却して利益が出た場合、要件を満たせば譲渡所得から控除を受けられる制度があります。

  • マイホームを売ったときの3,000万円特別控除:自分が住んでいた家を売った場合に使える制度です。
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除の特例:相続した空き家を売却した場合に使える制度で、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど複数の要件があります。

いずれも要件・期限が細かく定められており、当社は税務の専門家ではないため、適用可否は税理士または税務署に必ずご確認ください。制度の概要は国税庁のタックスアンサーで公開されています。

古い家をどうするか迷ったら、専門家に相談を

「解体してから売る」か「古家付きで売る」かは、立地・建物の状態・資金計画によって最適解が変わるため、解体業者だけでなく不動産のプロと合わせて相談することをおすすめします。

  • 解体費用の見積り・補助金の確認→解体Do!(当社)へ
  • 売却の進め方・査定額の相談→グループの不動産売却サイト housedo.group(茨城県の不動産売却・買取)や、つくば・水戸・取手・守谷の各店舗サイトへ

すでに「古家付き土地の売却は解体すべきか」を判断基準ごとに整理した記事も公開しています。あわせてご覧ください(古家付き土地の売却は解体すべき?解体費は誰が払う)。

解体Do!が「古い家」の相談で選ばれる理由

  • 自社施工:中間マージンが発生しにくく、見積り内訳を明確にご提示します。
  • 残置物・不用品も一括対応:家財の片付けから解体まで、別々に業者を呼ばず一度で対応できます。
  • 茨城県内の補助金情報を一次情報で保有:市町村公式サイト・要綱を確認したうえでご案内するため、「使えると思っていたのに使えなかった」を防ぎます。

よくある質問(FAQ)

Q. 古い家の解体費用はいくらですか?

A. 建物の構造・延床面積・立地で変わりますが、目安は木造で坪3万〜5万円、鉄骨造で坪3.5万〜5.5万円、RC造で坪5万〜8万円です。正確な金額は現地調査後の見積りでご確認ください。詳しくは「解体費用の坪単価|50坪・100坪の総額シミュレーション」で解説しています。

Q. 古い家を壊すのに補助金は出ますか?

A. 自治体によります。茨城県内でも解体費用の補助制度がある市町村と無い市町村があります。当社が一次確認した44市町村の一覧は「茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧」でご覧いただけます。多くの制度で「契約・着工前の交付決定」が条件になるため、業者と契約する前の確認が重要です。

Q. 古い家を売った場合、税金はいくらかかりますか?

A. 譲渡益が出た場合、要件を満たせば「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除」や「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除の特例」が使える場合があります。適用可否は要件が細かいため、税理士または税務署にご確認ください。

Q. 古い家は解体せずに売れますか?

A. はい、可能です。「古家付き土地」として現況のまま売却する方法があります。解体費用がかからない一方で、買い手が限られたり建物部分の契約不適合責任が問題になったりすることがあるため、メリット・デメリットを踏まえて判断することをおすすめします。

Q. 古い家を手放す方法はありますか?

A. 売却(更地または古家付き)のほか、市町村の空き家バンクへの登録、賃貸に出す、といった方法があります。どうしても買い手・借り手がつかない場合は、寄付や相続放棄が選択肢になることもありますが、いずれも専門家への相談をおすすめします。

Q. 更地にすると税金は本当に上がりますか?

A. 建物を解体して更地にすると、住宅用地に対する固定資産税の軽減特例の対象から外れ、土地の固定資産税が上がることがあります。上がり幅は敷地面積や自治体によって異なるため、解体前に市区町村の税務担当課へ確認しておくと安心です。

Q. 解体と売却、どちらを先に決めればいいですか?

A. 先に不動産会社へ相談し、その土地・建物が「古家付きでも売れやすいか」「更地の方が需要があるか」を確認してから解体の要否を決めるのがおすすめです。解体してから売れないと分かると、費用だけがかかってしまいます。

まとめ

古い家を「解体するか」「売るか」「活かすか」に唯一の正解はありません。旧耐震基準かどうか、再建築不可でないか、解体費用を先に負担できるか、相続人全員の合意が取れているか、そして本当に住む・貸す予定があるか——この5つの軸で整理すると、判断がぐっとしやすくなります。迷ったときは、解体費用の見積りだけでなく、不動産会社への売却相談もあわせて行い、両方の選択肢を数字で比較したうえで決めることをおすすめします。