茨城県のほぼ中央、涸沼のほとりに広がる茨城町。町の東部には汽水湖「涸沼」が横たわり、北西部には「桜の郷」という新しい大字が生まれています。この2つの地域資産の対照的な姿こそ、いまの茨城町を理解する近道です。本記事では茨城町公式サイトの最新統計と国土交通省地価公示などの一次情報にもとづき、人口・世帯数の実数から、涸沼・桜の郷という地域ごとの変化、そして空き家に関する行政の取り組みまでを整理します。
令和8年6月末、茨城町の人口は29,980人
茨城町公式サイトが公表する住民基本台帳によると、令和8年6月末現在の人口は29,980人(男15,030人・女14,950人)、世帯数は13,860世帯です。1世帯あたりの人員は約2.16人となり、単身世帯や高齢者のみの世帯が一定数含まれていることがうかがえます。

2020年国勢調査との比較で見える変化の速度
政府統計の総合窓口(e-Stat)に集計されている令和2年(2020年)国勢調査では、茨城町の人口は31,401人でした。令和8年6月末の住民基本台帳人口29,980人と単純に比較すると、この間に1,400人超が減少した計算になります。調査方法(国勢調査は実際に居住する人を対象、住民基本台帳は住民票の登録者を対象)が異なるため厳密な同一基準の比較ではありませんが、人口が緩やかに減少傾向にあることは、どちらの数値からも読み取れます。
世帯数13,860世帯という数字が意味すること
人口が減少する一方で、世帯数の減り方は人口ほど急激ではないというのが、多くの自治体で共通する傾向です。これは同居していた家族が独立したり、高齢の親が一人で暮らし続けたりすることで、世帯数自体はある程度維持されるためです。茨城町の世帯数13,860世帯という数字も、その内訳(単身世帯・高齢者世帯の割合など)までは公式統計から読み取れませんが、空き家が生まれる土壌として「世帯の小規模化」が進んでいる可能性は念頭に置く必要があります。
合併の歴史が刻む、茨城町の街の姿
現在の茨城町は、一度の合併では完成しませんでした。総務省「市町村合併資料集」によると、昭和30年(1955年)2月11日に長岡町・川根村・上野合村・沼前村の1町3村が合併して「茨城町」が発足し、その後昭和33年(1958年)3月5日に石崎村を編入したことで、現在の町域が確定しています。
1町3村がひとつになった昭和30年
長岡町を中心に川根村・上野合村・沼前村が合流したこの合併から、すでに70年以上が経過しました。旧町村ごとに集落の中心地や神社仏閣、農地の区画が異なるため、茨城町の中には今も「旧長岡」「旧川根」といった地域ごとの生活圏の名残が見られます。空き家の分布や地域ごとの事情を見る際にも、こうした旧町村の単位を意識すると、実態が見えやすくなります。
3年後に編入された石崎村
石崎村の編入は最初の合併から3年後というタイムラグがありました。合併の経緯が一度で完結しなかったという事実は、茨城町が周辺町村との調整を重ねながら現在の町域を形づくってきたことを示しています。町内で「昔からの茨城町」と「後から加わった地域」という感覚の違いが、今も地域コミュニティの中にわずかに残っている可能性があります。
涸沼という唯一無二の自然資産
茨城町を語るうえで欠かせないのが、町の東部に広がる汽水湖「涸沼」です。海水と淡水が混じり合う涸沼は、ヤマトシジミの一大産地として知られ、絶滅危惧種の水生植物ミズアオイの自生地でもあります。さらに、この湖でしか確認されていない新種のトンボ「ヒヌマイトトンボ」の生息地としても知られ、平成27年5月にはラムサール条約湿地に登録されました。
ラムサール条約登録が地域にもたらす意味
ラムサール条約湿地への登録は、単なる自然保護の枠組みにとどまらず、地域のブランド価値を高める効果も持ちます。涸沼周辺では自然観察やしじみ漁など、湖の資源を活かした暮らしが続いており、これは茨城町が「ただの郊外住宅地」ではなく、固有の自然環境を背景に持つ町であることを示しています。空き家を検討する際にも、涸沼に近いエリアかどうかで、土地の性格や将来性の見え方は変わってきます。
ヤマトシジミとヒヌマイトトンボが示す環境の豊かさ
ヤマトシジミは涸沼の名産品として地域経済にも一定の役割を果たしており、ヒヌマイトトンボのような固有種の存在は、涸沼周辺の環境が長期間にわたって大きく損なわれずに維持されてきたことの証でもあります。こうした自然環境は、都市化が進む茨城県内でも茨城町ならではの個性であり、涸沼周辺に空き家や古い家屋が残っている場合、その土地の価値を考えるうえでも無視できない要素です。
桜の郷、新しい大字に生まれた住宅地
涸沼が茨城町の「古くからの自然」を象徴する存在だとすれば、町北西部の「桜の郷」は対照的に「新しい茨城町」を象徴するエリアです。桜の郷は2002年に成立した比較的新しい大字で、水戸医療センターや桜の郷ニュータウン、県営桜の郷アパートなどが立地する新興住宅地として整備されてきました。
水戸医療センターを核とした街づくり
桜の郷エリアの中核となっているのが水戸医療センターです。医療機関を軸とした街づくりは、高齢化が進む地域において生活インフラの安心感を高める要素になります。桜の郷ニュータウンや県営住宅の存在は、比較的新しい世代の住民が茨城町に流入してきた歴史を物語っており、旧町村エリアとは異なる人口動態を持つ可能性があります。
新興住宅地と旧集落、2つの顔を持つ町
桜の郷のような新興住宅地と、長岡・川根など合併前からの旧集落が同居しているのが、いまの茨城町の特徴です。新興住宅地では今後数十年かけて住宅の老朽化・世代交代が進む一方、旧集落ではすでに空き家化が進行している地域もあると考えられます。町内で空き家の状況を考える際は、「桜の郷のような新しいエリア」と「合併前からの集落」を分けて捉える視点が欠かせません。
茨城町の特産物が語る、農のある暮らし
茨城県公式資料(市町村概要)によると、茨城町の特産物としてメロン、いちご、しじみ、にら、栗、ねぎ、トマト、米、常陸牛が挙げられています。涸沼のしじみに加え、メロンやいちごなどの果物、にら・ねぎ・トマトといった野菜、そして常陸牛というブランド和牛まで、農業・漁業の両面で豊かな産物を持つ町であることがわかります。
農地に囲まれた暮らしと空き家の関係
これだけ多様な農産物を生産している町では、住宅の周囲に農地が広がる環境が一般的です。農業を営んでいた世帯の高齢化や後継者不在は、全国の農村地域と同様に、茨城町でも空き家が生まれる要因の一つになり得ます。農地とセットになった古い家屋の場合、解体や売却の判断において農地法の手続きが絡むケースもあるため、専門家への相談が重要になります。
茨城町の空き家対策、3つの制度を整理する
茨城町では、空き家に関連する複数の制度が公式サイトで案内されています。ここでは制度の全体像を整理し、それぞれの詳細は個別の記事や公式ページへの案内にとどめます。

空家等除却支援事業(解体費補助)の概要
茨城町には、空き家の解体費用を支援する「空家等除却支援事業」があります。対象工事費(税込)の40%以内、上限50万円が補助される制度で、令和8年度時点での条件や申請方法など詳しい内容は、当サイトの別記事「茨城町の空き家解体補助金50万円|10年の落とし穴【2026】」で解説しています。あわせてご確認ください。
危険ブロック塀等撤去費補助という見落としがちな制度
解体費補助と並んで見落とされがちなのが「危険ブロック塀等撤去費補助」です。茨城町公式サイトによると、道路面から高さ80cm超の組積造・補強コンクリートブロック造の塀のうち、町の事前調査で危険と判断されたものが対象で、撤去費用(1m当たり1万4千円まで)の3分の2、上限10万円が補助されます。町税に滞納がないことが条件です。空き家の解体を検討する際、敷地を囲むブロック塀が古いままになっているケースは少なくないため、家屋の解体とあわせて確認しておきたい制度です。
空き家バンク制度、解体だけが選択肢ではない
茨城町公式サイトでは「空き家バンク制度」も案内されています。町内の空き家の売却・賃貸情報を登録し、活用を促進する制度で、実際に登録された物件情報も公式サイトの物件情報ページで公開されています。例えば物件番号19として、所在地茨城町上石崎、価格1,500万円、建築年昭和48年の物件が掲載されているなど、実際に活用の道を探る仕組みが機能しています。空き家は「解体する」だけでなく「バンクに登録して次の使い手を探す」という選択肢もあることを、まず知っておくことが大切です。
費用相場と補助金、どちらから考えるべきか
空き家の解体を検討する際、多くの方が最初に気になるのは「結局いくらかかるのか」という費用面です。茨城町における解体費用の相場や、優良な解体業者の見分け方については、当サイトの別記事「失敗しない茨城町の解体|2026年費用相場と優良業者5つの見分け方」で詳しく解説しています。本記事とあわせてお読みいただくと、「まちの現状」から「費用」「補助金」まで一通り把握できます。
地価から見る茨城町の不動産の今
国土交通省地価公示(令和8年)を集計したデータでは、茨城町全体の平均地価は1万7,285円/㎡(坪単価5万7,140円/坪)で、前年比-0.73%となっています。用途別に見ると、住宅地平均は1万5,118円/㎡(坪単価4万9,979円/坪)で前年比-0.71%、商業地平均は2万5,950円/㎡(坪単価8万5,785円/坪)で前年比-0.78%と、いずれも緩やかな下落傾向がうかがえます。
住宅地・商業地ともに緩やかな下落基調
住宅地・商業地ともに前年比マイナス1%未満という数値は、急激な下落ではなく緩やかな調整局面にあることを示しています。人口の緩やかな減少と歩調を合わせるように地価も緩やかに下がっているという構図は、多くの郊外自治体で見られる典型的なパターンです。空き家を所有している方にとっては、「今すぐ大きく値下がりするわけではないが、将来的な下落を見据えて早めに判断する」という考え方が参考になります。
この地価データを見る際の注意点
ここで紹介した地価は、国土交通省地価公示のデータを民間で集計した平均値であり、個別の土地の実勢価格を保証するものではありません。同じ茨城町内でも、涸沼に近いエリアか、桜の郷のような住宅地か、あるいは幹線道路沿いかによって、実際の取引価格には大きな差が生まれます。あくまで「町全体の目安」として捉え、実際の売却や解体の判断にあたっては個別の査定を受けることをおすすめします。
空き家を放置することで生じるリスク
人口減少と高齢化が緩やかに進む茨城町において、空き家の管理は今後さらに重要な課題になっていくと考えられます。適切な管理がされていない空き家は、倒壊や火災、景観の悪化といった周農への影響だけでなく、所有者自身にとっても固定資産税の負担が続くというデメリットがあります。
放置と活用、どちらが合理的か
空き家バンクへの登録、解体して更地にする、あるいはリフォームして賃貸に出すなど、選択肢はいくつかあります。どの選択が合理的かは、立地(涸沼に近いか、桜の郷のような住宅地に近いかなど)や建物の状態、家族の意向によって変わります。まずは現状を正しく把握し、複数の選択肢を比較検討することが、後悔のない判断につながります。
まとめ|涸沼と桜の郷が映す、変化する茨城町
茨城町は、涸沼という古くからの自然資産と、桜の郷という新しい住宅地を併せ持つ、対照的な2つの顔を持つ町です。人口29,980人・世帯数13,860世帯という現状の数字は緩やかな減少局面にあり、地価もそれに合わせて緩やかに下落しています。空き家に関しては、解体費補助・ブロック塀撤去費補助・空き家バンクという3つの制度が用意されており、状況に応じて使い分けることが可能です。まずは自分の所有する空き家がどのエリアに位置し、どの制度が使えるのかを確認することから始めてみてください。
解体を含めた具体的な費用感や進め方についてご相談されたい方は、下記より解体Do!までお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 茨城町の現在の人口はどのくらいですか?
A. 茨城町公式サイトによると、令和8年6月末現在の住民基本台帳人口は29,980人(男15,030人・女14,950人)、世帯数は13,860世帯です。
Q2. 茨城町はいつ、どのように誕生した町ですか?
A. 総務省「市町村合併資料集」によると、昭和30年(1955年)2月11日に長岡町・川根村・上野合村・沼前村の1町3村が合併して茨城町が発足し、昭和33年(1958年)3月5日に石崎村を編入して現在の町域になりました。
Q3. 涸沼とはどのような場所ですか?
A. 涸沼は茨城町東部にある汽水湖で、ヤマトシジミの産地であり、絶滅危惧種ミズアオイの自生地、新種ヒヌマイトトンボの生息地としても知られています。平成27年5月にラムサール条約湿地に登録されました。
Q4. 桜の郷とはどのようなエリアですか?
A. 桜の郷は茨城町北西部にある2002年成立の新しい大字で、水戸医療センターや桜の郷ニュータウン、県営桜の郷アパートなどが立地する新興住宅地です。
Q5. 茨城町にはどのような空き家対策の制度がありますか?
A. 解体費用の一部を補助する「空家等除却支援事業」(対象工事費の40%以内・上限50万円)、危険なブロック塀の撤去を補助する「危険ブロック塀等撤去費補助」(撤去費の3分の2・上限10万円)、空き家の売却・賃貸情報を登録する「空き家バンク制度」の3つが茨城町公式サイトで案内されています。
Q6. 茨城町の地価はどのくらいですか?
A. 国土交通省地価公示(令和8年)を集計したデータでは、茨城町全体の平均地価は1万7,285円/㎡(前年比-0.73%)、住宅地平均は1万5,118円/㎡(前年比-0.71%)が目安とされています。実際の取引価格はエリアや個別の条件によって異なります。
Q7. 空き家の解体費用の相場はどこで確認できますか?
A. 当サイトの別記事「失敗しない茨城町の解体|2026年費用相場と優良業者5つの見分け方」で、費用相場と優良業者の見分け方を詳しく解説しています。
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