常総市の常住人口は令和8年8月1日現在で57,966人・世帯数24,192世帯(常総市公式サイト調べ)。水海道地区・石下地区の合併で生まれたこの街でも、「親から相続した実家が空き家のまま」「住み替えたあとの旧居をどうするか決めかねている」という相談は年々増えています。そんなとき、真っ先に「解体して更地にする」以外の選択肢として知っておきたいのが、常総市が運営する空家等バンクです。
本記事では、常総市空家等バンクの登録要件・必要書類・申込みから契約までの流れ、そして修繕費・購入費の一部を補助してくれる「常総市空家等バンク活用支援補助金」の中身を、常総市公式サイトの一次情報にもとづいて解説します。あわせて「解体して更地にする」という選択肢との使い分けも整理しますので、実家や空き家の処分に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
常総市空家等バンクとは?
空家等バンクとは、空き家を「売りたい・貸したい」所有者がバンクへ登録し、その情報を常総市のホームページ等で公開することで、空き家を利用したい人に情報提供する制度です。常総市では公益社団法人茨城県宅地建物取引業協会と連携してこの制度を運営しており、市内で利活用できる空き家の取引の活性化を図っています。
令和4年1月の制度見直しにより、住宅だけでなく空き店舗などの建物や、空き家を解体したあとの空き地も登録対象になったほか、個人だけでなく法人による利用登録、会社の寮やサテライトオフィスとしての活用も可能になりました。空き家は放置すれば管理不全のリスクを抱えますが、活用したいという需要が高まっている今、地域の貴重な資源でもあるという考え方が制度の背景にあります。
登録できる物件・登録できない物件
登録できる物件の要件
個人が所有する建物(常総市の区域内にあるものに限る)で、現在居住その他の使用がされていないもの(近く使用されなくなる予定のものを含む)と、その敷地(建物の跡地を含む)が登録対象です。住宅に限らず、空き店舗など住宅以外の用途の建物も登録できます。
登録できない物件
次のいずれかに該当する建物は登録できません。
- 賃貸・分譲を目的として建築された建物
- 空家特措法に規定する「特定空家等」に認定された建物
- 建築基準法・都市計画法その他の関連法令で居住等の使用に供することができない建物
- 常総市暴力団排除条例に規定する暴力団等が所有権その他の権利を有する建物
物件登録の流れと必要書類
物件を登録したい場合は、以下の書類を準備して都市整備課へ提出します。
提出書類
- 空家等バンク物件登録申込書(様式第1号)
- 空家等バンク物件登録カード(様式第2号)※記載できる部分のみでよい
- 同意書(様式第3号)
- 身分を証するものの写し(運転免許証やマイナンバーカードの写しなど)
提出方法
都市整備課の窓口での提出のほか、郵送、PDF等でデータ化してのメール提出(re-aky@city.joso.lg.jp)も可能です。書類を準備しなくても「いばらき電子申請サービス」からのインターネット申込みもできます。
登録後の流れと登録期間
提出後は市の審査を経てバンクへ登録され、常総市のホームページ等で情報が公開されます。登録期間は2年間で、期間満了前に申出をすれば延長が可能です。内容を変更したい場合や登録をやめたい場合も、それぞれ届出書の提出が必要です。
利用したい人(借りたい・買いたい人)の流れ
バンクに登録された物件を活用したい場合は、あらかじめ利用登録を行ったうえで、希望する物件ごとに交渉を申し込む必要があります。住宅としての活用だけでなく、店舗・事務所・別荘・会社の寮・サテライトオフィスなど、さまざまな用途での活用が可能です。個人だけでなく法人も利用登録できます(ただし都市計画法や建築基準法など各種法令に違反しないことが前提です)。
利用登録の必要書類
- 空家等バンク利用登録申込書(様式第10号)
- 誓約書兼同意書(様式第11号)
- 身分を証するものの写し(法人の場合は登記事項証明書)
交渉から契約まで
利用登録後、希望物件について内見や媒介業者との話し合いを希望する場合は「空家等バンク物件交渉申込書(様式第17号)」を提出します。提出してもただちに契約に進むわけではなく、その後の交渉・契約は媒介業者を通じて進められ、契約が成立した場合は法律で定められた仲介手数料が発生します。
空家等バンク活用支援補助金|修繕100万円・購入100万円
常総市空家等バンクに登録した物件を居住用として利用する場合、「常総市空家等バンク活用支援補助金」により修繕費または購入費の一部が補助されます。補助金の交付は修繕費用・取得費用のいずれか一方のみで、利用件数にも上限があるため、詳細は市への確認が必要です。
登録空家等修繕支援事業(補助率1/2・上限100万円)
補助対象経費の2分の1(限度額100万円)が補助されます。対象となるのは登録空家等の所有者(賃貸借契約締結もしくは予定)、所有者(購入した場合)、登録空家等を賃借している者のいずれかで、次の要件をすべて満たす必要があります。
- 登録空家等の活用後の用途が「住宅(併用住宅を含む)」であること
- 居住する者が10年以上定住する意思があり、世帯全員が市内に居住用の建物を保有していないこと
- 市税その他使用料等の滞納がないこと
- この補助金その他市の補助金(登録空家等に係るもの)を重複して受けていないこと
なお、三親等以内の親族からの賃貸・購入は対象外です。交付申請は改修工事の着工予定日14日前までに、見積書・納税証明書・着工前の現場写真・賃貸借契約書または売買契約書の写しなどを添えて提出し、工事完了後30日以内(またはその年度末までの早い日)に実績報告書・領収書の写し・工事完了後の写真などを提出します。
登録空家等購入支援事業(補助率5%・上限100万円)
登録空家等を取得した場合は、補助対象経費の100分の5(限度額100万円)が補助されます。要件は修繕支援事業とほぼ同様(住宅として活用・10年以上の定住意思・市税等の滞納なし・重複受給の禁止)で、三親等以内の親族からの取得は対象外です。交付申請は売買契約の締結から30日以内に、売買契約書の写し・登記事項証明書の写し・従前住所の納税証明書などを添えて提出します。
この補助金を利用して空き家を購入した方は、住宅金融支援機構の「フラット35 地域連携型」も利用できます。
「解体して更地にする」と「空き家バンクで活用する」の使い分け
常総市には空家等バンクとは別に、老朽化した空き家の解体費用を補助する制度もあります。詳しい条件・上限額は常総市の解体補助金はある?条件・上限・申請時期を一次情報で解説で解説していますので、あわせてご覧ください。
建物を残して空き家バンクに登録し活用してもらう道と、先に解体して更地にして低未利用地として活用・売却する道とでは、使える制度がまったく変わります。老朽化が進み活用が難しい建物や、立地条件が厳しい場合は解体して更地にする方が現実的なケースが多い一方、まだ住める状態で立地が良い場合は、空き家バンク経由での活用支援を検討する余地があります。迷った場合は、解体費用の概算と、空き家バンクで活用できそうかどうかの両方を早い段階で確認することをおすすめします。

常総市の空き家の現状(水海道地区・石下地区)
常総市の常住人口は令和8年8月1日現在で57,966人、世帯数24,192世帯(常総市公式サイト・前月比42人減)。住民基本台帳ベースでは59,817人・26,729世帯で、旧水海道市エリア(水海道分)と旧石下町エリア(石下分)を合わせた市域です。2015年の関東・東北豪雨で大きな被害を受けた地域を含み、水害を機に住み替えた世帯の旧居が空き家化しているケースも見られます。人口減少と高齢化が進む中、空き家バンクの活用と解体の両面から対策を検討する家庭が増えています。
常総市の古い家が多いエリアの傾向や建て替え事情については常総市の古い家が多いエリアと建て替え事情【2026年】で詳しく解説しています。
空家等バンクを活用するメリットと成約データ
空家等バンクを利用すると、常総市のホームページはもとより、民間の空き家バンクサイトなども通じて幅広く物件情報を提供できるほか、住宅として活用する場合は前述の活用支援補助金(最大100万円)も利用できます。
令和4年度全国空き家対策推進協議会の取りまとめによると、空き家バンクで成約した物件には次のような傾向があるとされています。
- 成約物件の半分が500万円以下、約8割が1,000万円以下で売れている
- 築30〜60年の築古物件が成約物件の7割を占め、特に築40〜50年が3割を占める
- 成約物件の半分が登録から半年以内、約75%が1年以内に成約している
- 買主のうち2割は域内の転居者で、移住者に限らず域内転居者や事業者の利用も一定数見られる
常総市の空き家バンクに関するよくある質問
Q. 常総市の空き家バンクに登録できない建物はありますか?
A. はい。賃貸・分譲目的で建築された建物、空家特措法上の「特定空家等」に認定された建物、建築基準法や都市計画法など関連法令で居住等の使用ができない建物、常総市暴力団排除条例に規定する暴力団等が所有権その他の権利を有する建物は登録できません。
Q. 空き家バンクの登録期間はどれくらいですか?
A. 登録期間は2年間です。期間満了前に「空家等バンク物件登録期間延長申出書(様式第7号)」を提出すれば延長できます。
Q. 活用支援補助金はいくらもらえますか?
A. 修繕支援事業は補助対象経費の2分の1(上限100万円)、購入支援事業は補助対象経費の5%(上限100万円)です。ただしいずれか一方のみの交付となり、利用件数にも上限があるため、申請前に市への確認をおすすめします。
Q. 解体と空き家バンク、どちらを選べばよいですか?
A. 建物の状態や立地によります。老朽化が進み活用が難しい建物は解体して更地にする方が現実的なケースが多く、まだ住める状態で立地が良い場合は空き家バンク経由での活用支援を検討する余地があります。解体費用と補助金の概算をあわせて確認することをおすすめします。
Q. 空き家バンクの登録・利用は個人以外でもできますか?
A. 令和4年1月の制度見直しにより、法人による利用登録も可能になりました。会社の寮やサテライトオフィスとしての活用も対象に含まれます。
Q. 空き家バンクに登録するとどのくらいの期間で売れますか?
A. 全国調査(令和4年度全国空き家対策推進協議会の取りまとめ)によると、成約した空き家の半分が登録から半年以内に、約75%が1年以内に成約しているというデータがあります。
まとめ
常総市の空家等バンクは、登録要件を満たせば無料で物件情報を公開でき、住宅として活用する場合は修繕・購入それぞれ最大100万円の補助金も利用できる制度です。一方で、老朽化が進んだ建物や立地条件が厳しい空き家は、解体して更地にする方が結果的に早く・高く手放せるケースも少なくありません。「うちの実家はどちらが向いているか分からない」という方は、解体費用の概算だけでも早めに確認しておくと判断がしやすくなります。
無料見積もりフォーム
この記事に関するお見積もり・ご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。


