「解体業者はどこも同じに見える」「一括見積もりサイトで3社並んだが、選び方が分からない」——解体工事は人生で何度も発注するものではありませんから、当然のお悩みです。

この記事では、茨城県の公式情報にもとづいて、解体業者が正規の資格を持っているかをご自身で確かめる方法をお伝えします。あわせて、見積書を「一式」で受け取ってはいけない理由と、追加請求が起きる典型的な3つの原因も解説します。会社の口コミや雰囲気ではなく、公的に確認できる事実で選べるようになる記事です。

建設業許可と解体工事業者登録の違い|茨城県の解体業者
解体業者の資格は2ルート。どちらも無いまま請け負うのは違法です

解体業者には「2つの資格ルート」があります

まず、ここを知っているだけで業者選びの目線が変わります。解体工事を請け負って営業するには、次のどちらかが必要です。

①建設業許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業)

建設業法にもとづく許可です。請負金額に制限がなく、500万円以上の大きな解体工事も請け負えます。取得には、経営業務の管理責任者や営業所ごとの専任技術者を置くなどの要件があり、5年ごとの更新が必要です。

なお、2016年6月の建設業法改正で「解体工事業」が独立した業種として新設されました。それ以前は「とび・土工工事業」で解体を行っていたため、古い許可のままの業者もあり得ます。許可の業種と有効期限は確認する価値があります。

②解体工事業者登録(建設リサイクル法にもとづく知事登録)

建設業許可を持っていない業者が、軽微な解体工事だけを請け負うための登録制度です。茨城県内で営業するなら茨城県知事の登録を受けます。

茨城県の公式説明によると、「軽微な解体工事」とは次のとおりです。

  • 請負金額500万円未満の工事
  • 建築一式工事に属する解体工事の場合、請負金額1,500万円未満の工事

登録には技術管理者の設置が必要で、この技術管理者が現場で施工の技術上の管理を行い、作業員を監督します。手数料は新規33,000円・更新26,000円で、5年ごとの更新が必要です。

どちらも無いまま営業すると、罰則の対象です

茨城県は、建設業法の許可も解体工事業の登録も受けないまま解体工事業を営んだ場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になると明示しています。

つまり、資格の有無は「あれば安心」というレベルの話ではなく、無いこと自体が違法ということです。極端に安い見積書が出てきたときは、この点をまず確認してください。

ご自宅の解体は、どちらの資格が必要になるか

一般的な木造2階建て住宅(30坪前後)の解体費用は、条件によりますが100万円台〜200万円台が一つの目安です。この規模なら500万円未満に収まることが多く、解体工事業者登録だけの業者でも請け負えます。

ただし、鉄骨造・鉄筋コンクリート造、あるいは大きな付帯工事や擁壁・地中埋設物の撤去が加わると、500万円を超えることがあります。登録だけの業者に500万円以上の工事を頼むことはできません。「金額が膨らんだのに、同じ業者が続けている」という状況は、この点でも確認が必要です。

【実践】茨城県で、解体業者の資格を自分で確かめる4つの方法

ここが本題です。業者に「うちは大丈夫です」と言われて終わりにせず、ご自身で確認できます。

方法1|営業所と工事現場の「標識」を見る

これがいちばん手軽で、意外に知られていません。茨城県は、登録を受けた解体工事業者は、営業所と解体工事現場の見やすい場所に標識を掲示しなければならないと定めています。建設業許可業者にも同様の標識掲示義務があります。

つまり、

  • 見積もりの前に一度、その会社の事務所に行ってみる——標識が掲げられているか
  • 近所で工事をしている業者を見かけたら、現場の標識を見てみる——登録番号・技術管理者の名前が読み取れます

看板の一つも出ていない、あるいは現場に標識がない業者は、それだけで判断材料になります。

方法2|茨城県の「解体工事業者登録簿」を閲覧する

登録を受けた業者は解体工事業者登録簿に掲載され、一般の閲覧に供されます。茨城県によれば、登録簿は次の場所で閲覧できます。

  • 茨城県土木部検査指導課
  • 水戸市、日立市、土浦市、古河市、高萩市、北茨城市、取手市、つくば市、ひたちなか市

県南にお住まいなら取手市・つくば市・土浦市、県央・県北なら水戸市・日立市・ひたちなか市と、お住まいの近くで確認できる可能性が高いということです。また、茨城県は登録業者の一覧をホームページでも公開しています。

方法3|建設業許可は、国土交通省の検索システムで調べる

建設業許可を持つ業者であれば、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名から許可の有無・業種・有効期限を誰でも無料で確認できます。営業マンの説明を待たずに、その場でスマートフォンから調べられます。

方法4|産業廃棄物収集運搬業の許可も確認する

ここが抜け落ちやすい点です。建物を壊す資格と、出た廃材を運ぶ資格は別物です。解体で出るコンクリート・木くず・石膏ボードなどは産業廃棄物にあたり、運搬するには産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

この許可のない業者が廃材を運び、山林などに不法投棄した場合、排出事業者としての責任が発注者にまで及ぶことがあります。「安いと思ったら、あとから不法投棄で自分に話が来た」という事態を避けるため、次章のマニフェストとあわせて確認してください。

お問い合わせ先

登録制度について分からないことは、県の窓口に直接聞くのがいちばん確実です。茨城県 土木部検査指導課 建設リサイクル担当(電話 029-301-4386)が窓口です。

【重要】解体の見積書は「一式」で受け取らないでください

資格の次に大切なのが見積書です。当社が最もお伝えしたいのはここです。

不動産の売却では、宅地建物取引業法により「査定額の根拠を明らかにすること」が不動産会社の義務とされています。解体工事には、これと同じ条文はありません。だからこそ、内訳を示すかどうかに、その会社の姿勢がそのまま出ます。

解体工事の見積書で確認する内訳項目|解体Do! 茨城
「解体工事一式 ○○円」の1行見積もりは、追加請求の余地を残しています

「解体工事一式 150万円」の見積書が危ない理由

1行だけの見積書は、金額が安く見えることがあります。しかし内訳がないということは、何が含まれていて、何が含まれていないのかが、契約の時点で決まっていないということです。工事が始まってから「これは別途です」と言われても、比べる基準が手元にありません。

見積書で確認する9つの項目

  1. 仮設工事:養生シート、足場、仮囲い。近隣への粉じん・騒音対策の質がここに出ます。
  2. 本体解体工事:建物の構造(木造・鉄骨造・RC造)と延床面積で決まります。
  3. 基礎・土間コンクリートの撤去:見落とされやすい項目です。基礎の深さで金額が動きます。
  4. 廃棄物の処分費ここは品目別(木くず、コンクリートがら、石膏ボード、混合廃棄物など)に分かれているのが望ましい項目です。混合廃棄物は処分単価が高くなります。
  5. 運搬費・重機回送費:現場までの距離、前面道路の幅、重機が入れるかどうかで変わります。道路が狭く手壊しが増える現場は高くなります。
  6. 付帯工事:ブロック塀、外構、樹木、庭石、カーポート、物置、浄化槽など。解体トラブルの多くがここです。「建物だけの見積もりだった」という行き違いを防ぎます。
  7. 整地・残土処分:更地にして引き渡すのか、砕石を敷くのか、どの状態で引き渡すかを明記してもらいます。
  8. 届出・書類関係:建設リサイクル法の届出、アスベスト事前調査の費用。
  9. 諸経費:上記に入らない現場管理費など。諸経費だけが妙に大きい見積書は、内訳を聞いてください。

追加請求が起きる「三大要因」を、契約前に確認する

解体で金額が膨らむ原因は、経験上ほぼこの3つに集約されます。

  1. 地中埋設物:古い建物の基礎、井戸、浄化槽、大量のガラなどが地中から出てくるケース。事前に完全に予測することはできません。だからこそ「出た場合はどう精算するのか」を契約前に決めておくことが唯一の対策です。「出たら実費」ではなく、単価と算定方法まで書面にしてもらってください。
  2. アスベスト(石綿):後述しますが、事前調査は法律上の義務です。含有が判明すると除去費用が加わります。調査前の見積書は暫定であることを、お互いに確認しておきます。
  3. 想定より多い廃材:家財道具が残っている場合、処分費が上乗せされます。家の中の物をどこまで業者が処分するのかを明確にしておきましょう。

相見積もりは「同じ条件」で取ってください

3社に見積もりを頼んでも、A社は建物のみ、B社は庭木と塀を含む、C社は整地まで、では比較になりません。依頼する側から条件をそろえて伝える——建物のほかに何を壊すのか、家財は残っているのか、どの状態で引き渡してほしいのか。この一手間で、比較が成立します。

解体工事で「発注者」が負う法律上の役割

意外に思われるかもしれませんが、解体工事には業者ではなく発注者(施主)が義務を負う手続きがあります。

建設リサイクル法の届出義務者は「発注者」です

床面積の合計が80平方メートル以上の建築物の解体工事は、建設リサイクル法にもとづき、工事着手の7日前までに都道府県知事へ届け出る必要があります。そしてこの届出義務者は、工事を請け負う業者ではなく発注者です。

実務では業者が委任を受けて代行しますが、法律上の名義は発注者です。「業者に任せていたが届出がされていなかった」場合に問われるのは発注者ですので、届出の控えは必ず受け取って保管してください。

アスベストの事前調査

大気汚染防止法により、建物の解体・改修工事の前には石綿(アスベスト)含有の有無を調べる事前調査が義務付けられており、一定の資格を持つ者が行うこと、結果を現場に掲示すること、規模により結果を行政へ報告することが求められます。

2006年9月以前に着工した建物は、アスベストが使われている可能性が相対的に高いとされています。「うちは古いから大丈夫」ではなく、古い建物ほど調査が重要です。調査を省こうとする業者は、法令を守っていない業者です。

マニフェスト(産業廃棄物管理票)の控えをもらう

廃材が適正に処理されたことを示す書類です。「処分場に運びました」という口頭の説明ではなく、書面で受け取ってください。不法投棄が起きたときに、発注者としてきちんと委託していた証拠にもなります。

建物滅失登記は、解体から1か月以内

建物を壊したら、1か月以内に建物滅失登記を申請する必要があります(不動産登記法)。これを忘れると、存在しない建物に固定資産税が課され続けたり、土地の売却時に決済ができなくなったりします。解体後の売却まで見据えるなら、ここは必ずセットで進めてください。

「解体業者」と一口に言っても、業態が違います

自社で施工する会社(元請かつ自社施工)

自社で重機と職人を持ち、直接工事を行う会社です。中間マージンが乗らないため価格を抑えやすく、現場の状況を直接説明できるのが特徴です。

受注して下請に出す会社

契約は結ぶものの、実際の工事は別の会社が行う形態です。悪いことではありませんが、実際に工事をするのがどの会社なのかは確認しておくべきです。何かあったときの連絡経路が長くなります。

紹介・マッチングサイト

解体の一括見積もりサイトは、自社では工事をせず、登録業者に見積もりを取り次ぐ事業者です。手軽さはありますが、次の点は理解しておいてください。

  • サイトの運営費は、どこかで工事費に反映されます。紹介手数料が業者から支払われる仕組みが一般的で、その分は最終的に見積もりに含まれます。
  • 入力した情報が複数の業者に渡り、しばらく複数社から連絡が来ます。
  • 並んだ金額の比較にはなりますが、資格の有無まで代わりに確認してくれるとは限りません。結局、この記事でお伝えした確認はご自身で行う必要があります。

気をつけたい営業のしかた

「今日契約すれば安くします」と即決を迫る、内訳を聞くと嫌がる、契約書を作らない、現場を見ずに金額を出す、前金で全額を求める——こうした対応は、金額の多寡にかかわらず注意が必要です。まともな業者は、考える時間を渡してくれます。

解体費用を抑える現実的な方法

家財道具はできる範囲でご自身で処分する

家の中の物は、解体業者が処分すると産業廃棄物として扱われ、単価が上がります。市町村の粗大ごみとして出せるものを事前に出しておくだけで、数万円単位で変わることがあります。ただし、無理をなさらないでください。ご高齢の方や遠方にお住まいの方は、まとめてお任せいただいたほうが結果的に安全で早いこともあります。

市町村の解体補助金・空き家補助金を確認する

茨城県内でも、老朽化した空き家の解体費用に補助を出している市町村があります。金額や要件は市町村ごとにまったく違い、しかも予算の枠(年間の件数)に限りがあります。着工後の申請は認められないのが原則ですので、契約前に必ず確認してください。

▶あわせて読みたい:茨城県の解体費用の補助金・助成金まとめ(市町村別)

解体の時期を「1月1日」から考える

住宅が建っている土地には固定資産税の住宅用地特例があり、税額が軽減されています。建物を壊して更地にすると、この特例が外れます。固定資産税は毎年1月1日時点の状態で課税されますので、年内に解体するのか、年明けに解体するのかで、翌年の税額が変わります。売却の予定とあわせて、順番を設計する価値があります。

ただし「解体してから売る」が正解とは限りません

更地のほうが売れやすいと聞いて先に壊す方がいらっしゃいますが、マイホームを取り壊してから売る場合、居住用財産の3,000万円特別控除には期限や要件があり、土地を貸したりすると使えなくなることがあります。また、相続した空き家の特例では、買主が取り壊す形でも要件を満たせる場合があります。解体費を自己負担してから、税の特例まで失うことがある——これは実際に起こります。

当社は解体と不動産売却の両方を扱っていますので、「壊してから売る」「そのまま売る」「そのまま買い取る」のどれが手取りで有利かを、費用と税金を並べてご説明できます。

解体Do!(ハウスドゥ グループ)にご相談ください

解体Do!は、茨城県内でハウスドゥの4店舗を運営するグループが手がける解体の窓口です。ハウスドゥは、元プロ野球選手・野球解説者の古田敦也さんをイメージキャラクターに起用しているブランドです。

  • 見積書は内訳でお出しします。「一式」の1行見積もりはお渡ししません。
  • 地中埋設物が出た場合の精算方法を、契約前に書面で決めます。
  • 解体だけで終わりません。更地にしたあとの売却、そのまま当社が買い取る選択肢、建物滅失登記まで一つの窓口でご案内できます。
  • その場でのご決断は求めません。他社様のお見積もりと比べていただいて構いません。

解体するかどうかを決めていない段階、「そもそも壊すべきか」という段階からのご相談を歓迎しています。

▶あわせて読みたい:解体Do!トップ|茨城県の解体工事(費用相場・流れ・補助金)

よくある質問

解体業者に必要な資格は何ですか?

建設業法の許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれか)を受けているか、建設リサイクル法にもとづく解体工事業者登録を受けている必要があります。茨城県は、どちらも受けずに解体工事業を営んだ場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になるとしています。

建設業許可と解体工事業者登録は何が違いますか?

建設業許可には請負金額の制限がなく、500万円以上の工事も請け負えます。解体工事業者登録は軽微な工事のみで、茨城県によれば請負金額500万円未満(建築一式工事に属する解体工事は1,500万円未満)が対象です。登録には技術管理者の設置が必要で、手数料は新規33,000円・更新26,000円、5年ごとの更新です。

解体業者が正規の登録をしているか、自分で確認できますか?

できます。登録業者には営業所と工事現場に標識を掲示する義務がありますので、事務所や現場で確認できます。また、解体工事業者登録簿は茨城県土木部検査指導課のほか、水戸市・日立市・土浦市・古河市・高萩市・北茨城市・取手市・つくば市・ひたちなか市で閲覧できます。建設業許可は国土交通省の検索システムでも調べられます。

解体工事の見積書は、どこを見ればよいですか?

「解体工事一式」の1行ではなく、仮設・本体解体・基礎撤去・廃棄物処分費(品目別)・運搬費・付帯工事・整地・届出費用・諸経費に分かれているかを見てください。特に付帯工事(塀・樹木・カーポート・浄化槽)と、地中埋設物が出た場合の精算方法は、契約前に書面で確認しておくとトラブルを防げます。

解体工事の届出は、業者がやってくれますか?

実務では業者が代行することが多いのですが、建設リサイクル法上の届出義務者は発注者(施主)です。床面積80平方メートル以上の解体は、工事着手の7日前までに届け出る必要があります。届出の控えは必ず受け取って保管してください。

相見積もりを取るとき、何社くらいが適当ですか?

3社程度が現実的です。それ以上になると、現地立ち会いや条件のすり合わせだけで負担が大きくなります。大切なのは社数より、全社に同じ条件(壊す範囲・家財の有無・引き渡しの状態)を伝えることです。条件が違えば、金額を並べても比較になりません。

解体費用の補助金は使えますか?

茨城県内でも市町村によって制度の有無・金額・要件が大きく異なり、年間の件数枠が数件しかない市もあります。原則として着工後の申請は認められませんので、契約する前にお住まいの市町村へご確認ください。当社でもお調べします。

解体したあと、何か手続きは必要ですか?

建物滅失登記を解体から1か月以内に申請する必要があります。これを怠ると、存在しない建物に固定資産税が課され続けたり、土地を売却する際の決済ができなくなったりします。また、更地になると固定資産税の住宅用地特例が外れるため、翌年の税額が上がる点にもご注意ください。

【出典】茨城県土木部検査指導課「解体工事業者の登録」(2026年3月19日更新)/建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)/建設業法/大気汚染防止法/不動産登記法。制度の内容は変更されることがあります。最新の情報は茨城県および各市町村の公式サイトでご確認ください。