「鹿嶋市の実家が空き家のままになっている」「解体すべきか、貸すか売るか迷っている」——そんなときに市が用意しているのが鹿嶋市空家バンク制度です。本記事では、鹿嶋市公式サイトの一次情報をもとに、登録の流れ・費用・そして解体や改修とセットで使える補助金までを整理します。
鹿嶋市の空き家バンクとは?制度の目的と仕組み
鹿嶋市空家バンクは、市内の空き家を有効活用し、良好な住環境の確保と生活環境の保全を進めるための制度です。「売りたい」「貸したい」という所有者に物件を登録してもらい、市内への定住等を目的に「買いたい」「借りたい」という希望者へ情報提供する、いわば市が仲立ちする空き家のマッチング窓口です。
なぜ鹿嶋市は空き家バンクに力を入れているのか
鹿嶋市は鹿島臨海工業地域や鹿島アントラーズの本拠地として知られる一方、全国的な人口減少・高齢化の流れの中で空き家の増加が課題になっています。空き家を放置すれば倒壊・景観悪化・治安低下のリスクが高まる一方、活用できれば移住者の受け皿にもなります。空き家バンクは「所有者の負担を増やさずに、まず選択肢を広げる」ための入口として位置づけられています。
対象になる空き家・対象外になる空き家
登録対象は「市内に存在し、現に使用していない、または近く使用しなくなる予定の建物」です。空き家であれば何でも登録できるわけではなく、次の2つに該当する建物は対象外とされています。
登録できない2つのケース
- 過去に所有者等の居住使用実態が無いなど、もともと賃貸または分譲を目的として建築された建物
- 建築基準法および都市計画法上、違法なもの
つまり「人が住んでいた実家」は対象になりやすい一方、投資用に建てられたまま入居者がつかないアパートや、違法増築が疑われる建物は登録段階で弾かれる可能性があります。迷う場合は都市計画課住宅グループへの事前相談が確実です。
空き家バンク登録から成約までの流れ(5ステップ)
登録から成約までは、大きく分けて5つのステップで進みます。窓口は都市計画課住宅グループです。

- 対象要件を確認する(賃貸・分譲目的で建てた建物や違法建築は対象外)
- 申込書類を準備する(登録申込書・物件登録カード・同意書)
- 都市計画課へ提出する(紙提出または電子申請、登録料は無料)
- 媒介業者を選ぶ(市が連携する宅建協会等から選任)
- 情報が公開され、利用希望者と交渉・成約に進む
電子申請とQRコード申請
鹿嶋市空家バンクは電子申請に対応しており、市公式サイトの申請フォームやQRコードから物件登録・利用登録の両方を申し込めます。紙の様式を使う場合は、都市計画課の窓口またはダウンロードした申込書に記入して持参・郵送します。
登録後の変更・取消の手続き
登録した内容に変更があった場合は「登録変更届出書」、登録をやめたい場合は「登録取消届出書」の提出が必要です。売却・賃貸が成立した後も届出をしないままにすると情報が公開され続けてしまうため、成約したら速やかに取消の手続きをしましょう。
「売りたい・貸したい」方の申請書類
空き家を登録する所有者側は、次の3点を都市計画課へ提出します(電子申請の場合は同等の項目をフォームに入力)。
- 鹿嶋市空家バンク物件登録申込書(様式第1号)
- 鹿嶋市空家バンク物件登録カード(様式第2号)
- 同意書(様式第3号)
登録が認められると、空き家に関する情報は市のホームページ等で広く公開されます。ただし登録後も、その空き家の管理責任は引き続き所有者にあるという点は誤解しやすいポイントです。
「買いたい・借りたい」方の申請書類
利用希望者側は、次の書類で利用登録を行います。
- 鹿嶋市空家バンク利用登録申込書(様式第10号)
- 誓約書(様式第11号)
利用登録が完了し、気になる物件が見つかったら「交渉申込書(様式第16号)」を提出して交渉に進みます。登録内容に変更があった場合の届出様式(様式第13号)も用意されています。
登録・利用の費用と媒介業者への仲介手数料
鹿嶋市空家バンクへの物件登録料・利用登録料は無料です。ただし、登録した物件には市が連携協定を結んだ宅建業協会等が選任した媒介業者(不動産会社)と媒介契約を結ぶ必要があり、実際に売買や賃貸契約が成立した場合は、その媒介業者に宅地建物取引業法に定められた仲介手数料を支払うことになります。「バンク登録が無料=仲介手数料もゼロ」ではない点に注意してください。
媒介業者はどう選ぶ?
登録時には、公益社団法人茨城県宅地建物取引業協会または公益社団法人全日本不動産協会茨城県本部のいずれかから媒介業者を選ぶ案内があります。地元での売却実績や、解体・買取まで一貫して相談できるかどうかも選ぶ際の判断材料になります。
令和8年度 既存ストック利活用補助金|上限50万円
空き家バンクとあわせて知っておきたいのが「令和8年度既存ストック利活用補助金制度」です。空家の解体、または空き家バンク登録物件を購入して移住のために改修する場合に、補助金の交付を受けられます。
(1)不良住宅・特定空家の解体工事の場合
市の「不良住宅」判定または「特定空家」認定を受けた物件が対象です。相続登記が済んでいない場合は相続人等の同意が必要で、以前に市の各種補助金を受けていないことも条件になります。判定を受けるには事前に「不良住宅判定申請書」を提出し、現地調査を受ける必要があります。
(2)中古住宅の改修工事の場合(空き家バンク登録物件限定)
鹿嶋市外に居住する方が、鹿嶋市空家バンクに登録されている中古住宅を購入し、移住のための改修工事を行う場合が対象です。購入から1年以内に住民票を移し、10年以上継続して居住する意思があること、所有権の2分の1以上を申請者の世帯で所有し登記を完了していることなどが条件です。この補助金は「空き家バンクに登録されている物件」であることが前提のため、所有者が先に解体してしまうと、買主側のこの改修補助の対象からも外れてしまいます。
申請期間・予算に達し次第終了
補助金額は、空家等解体費用の5分の4、または中古住宅改修費用の3分の2に相当する額(千円未満切り捨て)で、いずれも上限50万円です。申請期間は令和8年4月1日から令和8年12月25日まで(土日祝を除く)で、令和9年2月1日までに完了報告書を提出できる工事が対象、予算に達し次第受付終了となります。
必要書類一覧
- 交付申請書
- 申請者の住民票(続柄記載)
- 建物登記簿の全部事項証明書の写し(無い場合は評価証明書または土地登記簿の写し)
- 工事前のカラー写真
- 工事の見積書または工事請負契約書
- (該当する場合)法人登記簿謄本、売買契約書の写し
空き家バンクと解体、どちらを先にすべきか
結論から言うと、「まだ住める・貸せる・売れる見込みがある」なら空き家バンクへの登録を先に検討し、「老朽化が進み倒壊の危険がある・更地にして活用したい」なら解体(既存ストック利活用補助金の解体メニューや鹿嶋市の空き家解体補助金)が候補になります。
「先に壊すと消える」補助金がある
既存ストック利活用補助金の改修メニュー(3分の2・上限50万円)は、空き家バンクに登録された物件を市外の方が購入して移住する場合が対象です。所有者が「とりあえず更地にしよう」と先に解体してしまうと、この買主向け補助金の対象そのものが消えてしまいます。逆に、老朽化が激しく安全上のリスクが高い場合は、無理に空き家バンクへ登録せず解体を優先したほうが結果的に早く問題が解決するケースもあります。判断材料は「建物の状態」と「売却・賃貸の需要が見込めるか」の2つです。
| 状況 | 向いている選択肢 | 使える制度 |
|---|---|---|
| まだ住める・買い手や借り手が見込める | 空き家バンクへ登録 | 空家バンク制度(登録無料)+改修補助(買主側・上限50万円) |
| 老朽化が進み倒壊・保安上の危険がある | 解体を優先 | 既存ストック利活用補助金(解体・上限50万円) |
| 判断がつかない・現地を見てほしい | 専門家に相談 | 解体Do!への無料相談 |
全国版空き家バンク(LIFUL HOME’S・at home)との関係
鹿嶋市空家バンクに登録された物件情報は、市のホームページだけでなく、全国版の空き家バンクサイトであるLIFUL HOME’Sやat homeにも掲載されます。窓口となる手続きは鹿嶋市都市計画課で一本化されていますが、物件を探す側からは複数の入口で見つけてもらえる仕組みになっています。
鹿嶋市の空き家対策とまちの特徴
サッカーの街・工業都市としての鹿嶋市
鹿嶋市は鹿島臨海工業地域を抱える工業都市であると同時に、鹿島アントラーズの本拠地としても知られています。鹿島神宮周辺の旧市街地には昭和期に建てられた住宅が多く残る一方、工業地域や港湾周辺の社宅・アパートが空き家化しているケースもあり、エリアによって空き家の性質が異なる点が特徴です。
人口と世帯数の推移(目安)
茨城県常住人口調査によると、令和8年4月1日時点の鹿嶋市の常住人口は63,396人、世帯数は28,996世帯です(目安・茨城県統計課調べ)。世帯数が人口に比べて緩やかにしか減っていない背景には、単身・高齢世帯の増加があり、今後も空き家予備軍が増えていく可能性があります。
近隣市の空き家バンク制度と比較
神栖市・潮来市との違い
隣接する神栖市の空き家バンクでは利活用補助金の上限が最大120万円(移住者向け)と鹿嶋市より手厚く設定されているなど、同じ鹿行地域でも制度の中身は市ごとに異なります。「茨城県ならどこでも同じ」と思い込まず、対象となる市の一次情報を必ず確認することが失敗しないコツです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 空き家バンクへの登録に費用はかかりますか?
A. 登録料・利用登録料は無料です。ただし物件が成約した場合は、市が選任した媒介業者(不動産会社)に宅地建物取引業法で定められた仲介手数料を支払う必要があります。
Q2. 賃貸目的で建てたアパートも登録できますか?
A. できません。鹿嶋市空家バンクは、もともと居住実態のあった建物が対象です。最初から賃貸・分譲目的で建てられた建物や、建築基準法・都市計画法上違法な建物は登録対象外です。
Q3. 空き家を解体してから空き家バンクに登録できますか?
A. 建物が無くなると「空き家」としての登録はできません。中古住宅改修補助金(3分の2・上限50万円)は空き家バンク登録物件の購入者向けの制度のため、先に解体するとこの補助金の対象からも外れます。売却と解体のどちらが得か、先に比較することをおすすめします。
Q4. 既存ストック利活用補助金は誰でも申請できますか?
A. 解体の場合は市の「不良住宅」判定または「特定空家」認定を受けた物件の所有者、改修の場合は市外に居住し空き家バンク登録の中古住宅を購入して移住する方が対象です。いずれも市税の未納がないことが条件です。
Q5. 全国版の空き家バンクサイトとは別のものですか?
A. 鹿嶋市空家バンクに登録された物件情報は、LIFUL HOME’SやAT HOMEの全国版空き家バンクサイトにも掲載されます。窓口は鹿嶋市都市計画課ですが、情報の見え方は複数のサイトに広がります。
Q6. 空き家バンクと解体、結局どちらを選べばいいですか?
A. 「住める状態で残したい・買い手を探したい」なら空き家バンク、「老朽化が進み倒壊の危険がある・更地にして活用したい」なら解体が候補です。判断に迷う場合は、当社にご相談いただければ現地を確認のうえ両方の選択肢をご案内します。
まとめ|鹿嶋市の空き家、次の一歩
鹿嶋市空家バンクは登録料無料で始められる一方、対象要件や媒介業者への手数料、そして「先に解体すると消える補助金がある」という順番の落とし穴があります。鹿嶋市の空き家の現状とまちの変化や鹿嶋市の古い家が多いエリアと建て替え事情もあわせて確認しながら、空き家バンク・解体・改修のどれが自分の状況に合うかを整理してみてください。判断に迷ったら、地域密着の解体Do!へお気軽にご相談ください。
茨城県内の解体補助金制度は市町村ごとに条件が異なります。全44市町村の一覧は茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧でも確認できます。
無料見積もりフォーム
この記事に関するお見積もり・ご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。


