「龍ケ崎市に住宅の解体補助金はあるのだろうか」「あるとしたら、いくらもらえて、どんな条件があるのか」——空き家や老朽化した実家の解体を考え始めたとき、多くの方がまず気になるのが補助金の有無です。

結論から言うと、龍ケ崎市には「老朽空家等解体費等補助金」という制度があります。補助率は対象経費の2分の1、上限は50万円です。ただし、この補助金には「特定空家等に認定されていること」という、多くの方が見落としがちな条件があります。単に古い、単に空き家というだけでは対象になりません。

この記事では、龍ケ崎市の解体工事に精通した「解体Do!」が、龍ケ崎市公式サイトおよび交付要綱(告示第23号)を一次情報として、補助金の条件・上限額・申請の正しい順番・見落としがちな落とし穴までを網羅的に解説します。読み終える頃には、ご自身の空き家がこの補助金を使えるかどうか、そして使えるとしたら何から始めればよいかが分かります。

この記事でわかること

  • 龍ケ崎市老朽空家等解体費等補助金の補助率・上限額・対象経費
  • 「特定空家等」に認定される条件と、認定までの流れ
  • 申請できる人・できない人の条件(所有者・抵当権・市税滞納など)
  • 先に工事を始めると補助金が受け取れなくなる「順番」の重要性
  • 空き家バンクを使った別の補助金制度(家財処分・改修工事)
  • 解体後に発生する固定資産税の変化と、相続空き家の3,000万円特別控除

龍ケ崎市に解体補助金はある|老朽空家等解体費等補助金の中身

龍ケ崎市公式サイト「龍ケ崎市老朽空家等解体費等補助金について」(更新日:2025年4月4日)および交付要綱(平成29年3月3日告示第23号)を確認したところ、龍ケ崎市には管理不全な空家等の解体を促進するための補助金制度が存在します。制度の骨子は次のとおりです。

龍ケ崎市 解体補助金 早見表

補助金額|対象経費の2分の1・上限50万円

補助金の額は、補助対象経費の合計額に2分の1を乗じて得た額(1,000円未満の端数は切り捨て)で、50万円が上限です(交付要綱第7条)。つまり、対象経費が100万円なら50万円、対象経費が70万円なら35万円が補助されます。上限に達するのは対象経費が100万円以上のケースです。

対象経費|解体本体・仮設工事・廃材処分・整地

補助の対象となるのは、空家等の解体そのものに加え、解体に係る仮設工事費、廃材等の運搬及び処分、整地の費用です(交付要綱第6条)。ただし砕石を敷き均すなどの舗装費用は対象外です。見積書を確認する際は、この「整地」と「舗装」の境界がどこまでかを業者に確認しておくとよいでしょう。

最大の落とし穴|「特定空家等」の認定が絶対条件

龍ケ崎市の補助金でもっとも見落とされやすいのが、この条件です。交付要綱第3条は、補助対象となる空家等の条件を次のように定めています。

  1. 市から空家等の適切な管理の促進を求められた際、その求めに応じて速やかに必要な措置を行った実績があること
  2. 「特定空家等」に認定され、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第22条第1項の助言又は指導を受け、かつ、同条第2項の勧告を受けていないこと
  3. 個人が所有するものであること
  4. 抵当権など所有権以外の権利が設定されていないこと
  5. 公共事業の対象となっていないこと
  6. 解体工事等に伴い、他の補助金等の交付を受けていないこと

つまりこの補助金は、「まだそこそこきれいな空き家」や「単に古いだけの家」は対象になりません。市から「特定空家等」として認定され、法律に基づく助言・指導という段階まで進んでいる必要があります。一方で、指導の次の段階である「勧告」まで進んでしまうと、今度は対象から外れてしまいます(勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除されるなど、別のペナルティの段階に入るためです)。つまり「助言・指導は受けたが、勧告はまだ」という狭い範囲だけが対象になる、という点は事前に理解しておく必要があります。

なお、例外として「空家等が道路に面し、倒壊等により隣接する住宅等へ被害を及ぼすおそれがある等、公益上必要があると市長が認めるもの」については、特定空家等でなくても補助対象となる余地があります(要綱第3条第2項)。詳細は個別の判断になるため、まずは市への相談が必要です。

「特定空家等」とは何か

特定空家等とは、空家法第2条第2項に規定される、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態などにあると市が認めた空き家のことです。市が現地調査のうえ認定するもので、所有者が自己判断で「うちは特定空家等だ」と主張しても認定されるわけではありません。まずは市の空家対策担当(まちの魅力創造課)への相談が第一歩になります。

補助を受けられる人の条件

補助対象者となるのは、次のすべてに該当する方です(交付要綱第4条)。

  • 補助対象空家等の所有者又は相続人であること
  • 申請時点で市民税・固定資産税・都市計画税・軽自動車税・国民健康保険税・介護保険料・下水道使用料を滞納していないこと(共有の場合は共有者全員が滞納していないこと)
  • 暴力団員又はその関係者でないこと

この補助制度は個人を対象としており、法人は対象となりません。相続した実家を解体したい、というケースが典型的な利用イメージです。

施工業者にも条件がある|市内業者限定

補助対象工事を請け負えるのは、市内に本店、支店又は営業所がある建設業者(建設業法第3条第1項の許可を受けた業者)、または解体工事業者(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第21条第1項の登録を受けた業者)に限られます(要綱第5条)。市外の業者に安いからと発注してしまうと、それだけで補助対象から外れてしまう可能性があるため、業者選びの段階から補助金の利用を前提に伝えておくことが重要です。

申請の正しい順番|先に工事を始めると0円になる

龍ケ崎市公式サイトは「補助金を活用した解体工事を行う場合は、必ず工事着手前に補助金の交付申請を行ってください。申請前に工事に着手した場合は、補助は受けられません。」と明記しています。交付要綱第5条第2項でも、「補助金の交付を決定する前に着手した工事」は補助対象工事としないと定められています(空家等の状況により緊急に工事を要する事情があると市長が認める場合を除く)。

龍ケ崎市 解体補助金 申請の順番フロー

実務でよくある失敗は、「早く更地にしたい」という気持ちが先に立ち、業者と契約・着工してしまってから補助金の存在を知る、というケースです。この場合、どれだけ条件を満たしていても補助金は一切受け取れません。解体を検討し始めた時点で、まず市への相談から動くことが結果的に一番の近道になります。

申請から入金までの流れ

  1. 特定空家等の認定を受ける(市の現地調査・助言指導を経る)
  2. まちの魅力創造課へ事前相談
  3. 見積書・内訳書、付近見取図・配置図・現況写真、登記事項証明書、(相続人の場合)戸籍謄本等を準備
  4. 交付申請書(様式第1号)を提出
  5. 市が審査し、交付決定または不交付決定を通知
  6. 交付決定通知を受けてから着工(ここが最大の分岐点)
  7. 解体工事の完了
  8. 完了日から30日以内に実績報告書(現況写真・領収書の写し・廃棄物処分証明書を添付)を提出
  9. 市が審査・現地調査のうえ補助金額を確定・通知
  10. 交付請求書を提出し、入金

この補助金は「予算の範囲内」で運用されるため、年度によっては早期に受付が終了する可能性もあります。解体を計画している方は、着工予定日から逆算して早めに市へ相談することをおすすめします。

解体以外の選択肢|空家バンクを使った補助金もある

「特定空家等の認定条件に当てはまらない」「そもそも解体せず活用したい」という場合、龍ケ崎市には空家バンク制度に登録することで使える補助金も別途用意されています(龍ケ崎市公式サイト「空家利活用支援」・更新日2026年4月1日で確認)。

制度名 対象者 補助金額
家財処分費補助金 空家バンクに物件を登録した所有者 家財処分費の1/2(上限10万円)
空家改修工事費補助金 登録物件を購入等した方 改修工事費の1/2(上限50万円)

いずれも空家バンクへの登録・申込が前提で、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた住宅(または耐震基準適合証明書等で耐震性が確認できる住宅)であることなど、老朽空家等解体費等補助金とは異なる条件が設定されています。「売却して活かす」なら空家バンクの補助金、「解体して更地にする」なら解体費補助金と、目的によって使う制度が変わる点を押さえておいてください。なお、こちらも交付決定通知を受け取る前に業者と契約すると補助対象外になる点は共通しています。

ブロック塀の撤去にも別枠の補助金がある

龍ケ崎市は、地震の際の危険ブロック塀等の倒壊による人的被害の軽減を図るため、令和3年度から危険ブロック塀等撤去補助金を実施しています(龍ケ崎市公式サイト「危険ブロック塀等撤去補助金およびブロック塀の倒壊防止について」・更新日2026年5月1日で確認)。令和8年度は令和8年6月1日から令和9年2月26日まで受付で、予定額に到達した時点で終了します。建物本体の解体費補助とは別枠・別要綱の制度で、担当窓口も都市整備部都市計画課(本体の解体費補助はまちの魅力創造課)と異なります。ブロック塀だけを撤去したい場合は、こちらの制度と窓口を確認してください。

解体すると固定資産税はどう変わるか

解体を検討するうえで見落とされがちなのが、固定資産税への影響です。住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税が最大6分の1(200平米超の部分は3分の1)に軽減されています。解体して更地にすると、この特例が外れるため、翌年度以降の土地の固定資産税は上がる方向に働きます。補助金で解体費用の一部が戻ってきても、その後の税負担が増える可能性がある点は、解体前に必ず試算しておくべきポイントです。逆に言えば、「特定空家等」に認定されて勧告を受けた段階では、この特例がすでに解除されているケースもあるため、解体による税負担増が実質的に発生しない場合もあります。ご自身のケースがどちらに当たるかは、資産税課への確認をおすすめします。

相続した空き家なら3,000万円特別控除も検討を

相続した空き家を解体して土地を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が使える可能性があります。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始直前まで被相続人が一人で居住していたこと、相続から解体・譲渡まで一定期間内であることなどです。これは国税の制度であり龍ケ崎市の補助金とは別物ですが、解体費補助金と併用して検討する価値があります。適用可否は要件が細かいため、税理士または税務署への確認が前提です。

まとめ|龍ケ崎市の解体補助金を使うために今すぐやるべきこと

龍ケ崎市老朽空家等解体費等補助金は、対象経費の2分の1・上限50万円という内容自体は決して小さくありません。しかし、①特定空家等の認定を受けていること、②交付決定前に着工していないこと、という2つの条件を外すと、条件を満たしていても一切受け取れません。まずは市の空家対策担当へ相談し、ご自身の空き家が特定空家等に該当する可能性があるかどうかを確認するところから始めてください。

解体Do!では、龍ケ崎市内での解体工事のご相談・お見積りを承っております。補助金の対象になりそうかどうかも含めて、まずはお気軽にご相談ください。龍ケ崎市の解体費用の相場や業者選びのポイントについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

▶ あわせて読みたい:龍ケ崎市の解体費用相場|坪単価と業者選び5つの要点(費用の目安・業者の選び方・工事の流れを解説)

よくある質問(FAQ)

Q1. 龍ケ崎市の解体補助金はいくらもらえますか?

対象経費の2分の1(1,000円未満切り捨て)で、上限は50万円です。対象経費が100万円以上であれば上限の50万円になります。

Q2. 普通の空き家でも申請できますか?

いいえ。市から「特定空家等」に認定され、空家法に基づく助言・指導を受けている(かつ勧告は受けていない)ことが条件です。老朽化が著しい空き家が対象で、まだ十分に使える状態の空き家は対象になりません。

Q3. すでに解体工事の契約をしてしまいました。今から申請できますか?

できません。交付決定前に着手した工事は補助対象外と要綱に明記されています。緊急性がある場合の例外を除き、契約・着工前に交付決定を受けている必要があります。

Q4. 法人が所有する空き家でも使えますか?

使えません。この補助制度は個人を対象としており、法人は対象となりません。

Q5. 市外の解体業者に頼んでも補助金は使えますか?

補助対象工事を請け負えるのは、市内に本店・支店・営業所がある建設業許可業者または解体工事業登録業者に限られます。市外業者に発注すると補助対象外になる可能性が高いため、事前に業者へ確認してください。

Q6. 空き家を解体せず売る場合にも使える補助金はありますか?

龍ケ崎市空家バンクに物件を登録すれば、家財処分費補助金(上限10万円)や、購入者向けの改修工事費補助金(上限50万円)を利用できる可能性があります。解体前提の補助金とは条件が異なるため、目的に応じて使い分けてください。

Q7. 抵当権が残っている家は申請できますか?

できません。交付要綱では「所有権以外の権利が設定されていないもの」であることが条件とされています。抵当権が残っている場合は、金融機関への相談等で抹消の見込みを確認する必要があります。

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