城里町で「空き家をどうするか」を考えるとき、選択肢は解体だけではありません。町が運営する「城里町空家バンク制度」に登録し、活用したい人に貸す・売るという道もあります。この記事では、城里町空家バンクの登録手順とリフォーム補助金の中身を一次情報にもとづいて整理したうえで、解体という選択肢とどう使い分ければよいかを、解体の専門会社である解体Do!の視点から解説します。

城里町の空き家事情と3地区の違い

城里町は常住人口16,272人・世帯数6,963戸(令和8年7月1日現在)の町で、平成17年2月に常北町・桂村・七会村の3町村が合併して誕生しました。2020年国勢調査の総人口18,097人は2015年比で8.6%減少しており、2020〜2045年の推計では約40%減・約10,900人まで落ち込む見通しが示されています。人口減少のペースが速いぶん、空き家の発生と活用・処分の判断は今後さらに増えていくと見られます。

3地区にはそれぞれ性格の違いがあります。常北地区は水戸市に隣接し役場や商業施設が集まる行政の中心、桂地区は那珂川沿いに集落が広がり空家バンクの活用事例も見られる地域、七会地区は御前山県立自然公園に近い山間部で、空き家というより古民家・別荘的な需要が中心になりやすい地域です。空家バンクに登録して活用を目指すか、解体して更地にするかの判断は、この地区特性によっても変わってきます。

城里町空家バンク制度とは

城里町空家バンクは、空家を「貸したい・売りたい」所有者と、定住や定期的な滞在のために「借りたい・買いたい」利用希望者を町が橋渡しする制度です。所有者から提供された物件情報をまとめて利用希望者に公開し、登録された利用希望者との相談・マッチングも行います。ただし、町は売買や賃貸の交渉・契約そのものには関与しません。交渉と契約は、所有者と利用希望者が直接行う仕組みです。

専門家への仲介を希望する場合は、公益社団法人茨城県宅地建物取引業協会との協定にもとづき、協会会員の紹介を受けることができます(契約成立時には規約に従った報酬支払いが発生します)。町が公開している制度説明では、登録件数や成約件数といった実績数値までは示されていないため、この記事でも未確認の数字は使わず、制度の仕組みと条件のみを正確に伝えます。

空家バンクの登録から契約までの流れ

城里町 空家バンク登録の流れ 4ステップ
城里町空家バンクの登録から契約成立までの流れ(城里町公式サイトの手続きをもとに作成)

所有者側の登録手続き

空家の所有者は、「城里町空家バンク登録申込書(様式第1号)」と「誓約書(様式第2号)」を城里町役場まちづくり戦略課に提出します。町が書類を審査し「城里町空家バンク登録台帳」に登録すると、登録通知書が所有者に送付され、登録情報が一般に公開されます。物件情報の変更や登録を取り消したい場合は、それぞれ専用の届出書(様式第4号・様式第5号)を提出します。

利用希望者側の登録手続き

空家を借りたい・買いたい利用希望者も、専用の申込書(様式第7号)と誓約書(様式第8号)を同じくまちづくり戦略課に提出します。町が「利用登録台帳」に登録すると通知書が届き、以降は公開されている物件情報を確認できるようになります。利用者情報の変更・抹消も専用の届出書で行います。

交渉と契約

希望する物件が見つかったら「物件交渉申込書(様式第13号)」を町に提出し、町から所有者へ交渉申請通知書が送付されます。そのあとは所有者と利用希望者が直接交渉し、成立したら「契約締結報告書(様式第15号)」を町に提出して完了です。町はあくまで情報の橋渡しに徹し、価格交渉や契約条件の調整には入らない点は、不動産会社を通じた通常の売買・賃貸と大きく異なるところです。

空家バンク経由のリフォーム補助金は上限100万円

城里町空家バンク住宅リフォーム費用補助金交付要綱(令和6年城里町告示第148号)にもとづき、空家バンク制度を利用して購入・賃貸借した空家のリフォーム費用に対し、対象工事費の2分の1・上限100万円までの補助を受けられる制度があります。

補助金の主な条件

  • 空家バンクに登録された個人用住宅・併用住宅(居住部分)・併存住宅(居住部分)が対象
  • リフォーム後の空家に10年以上居住すること
  • 購入・賃貸借の相手が2親等以内の親族でないこと
  • 空家バンクの利用登録者として登録され、登録を抹消されていないこと
  • 町税等(町民税・固定資産税・軽自動車税・国民健康保険税)の未納がないこと
  • 城里町住宅リフォーム資金助成など、他の類似補助金の交付を受けていないこと

対象となる工事は、基礎・土台・柱の修繕、外壁・屋根・内壁・床の設置や修繕、給排水・電気・ガス等の設備工事、玄関・台所・浴室・トイレの改修、建具の取り替え、外構工事など住宅としての機能維持・向上に関わる幅広い内容です。工事費の総額が10万円以上(消費税等を除く)であることが条件で、リフォーム工事の着工前に申請する必要があります。着工後の申請は対象外になるため、この順番を間違えないことが重要です。工事完了期限は2月末までと定められており、完了後は実績報告書(様式第6号)の提出も必要になります。

解体と空家バンク登録、どちらを選べばよいか

解体と空家バンク登録どちらが向くか比較図
建物の状態・立地・活用意向から見た判断の目安

空家バンクは「建物を活かす」制度、解体は「建物を無くす」選択で、目的が正反対です。城里町のように旧常北町・桂村・七会村という3つの旧町村からなる町では、地区によって空家の状態や需要にも差があります。

解体を優先したほうがよいケース

倒壊・崩落の危険がある、老朽化が著しく修繕費用が資産価値を上回る、周辺での買い手・借り手のニーズが薄い立地、相続人が複数で活用方針の合意が難しい、といったケースでは、無理に空家バンクでの活用を目指すより解体して更地にするほうが、管理の手間や近隣への影響というリスクを早期に減らせます。特に七会地区や桂地区の山間部・農村部では、老朽化した木造の母屋と納屋が一体になった大きめの住宅が多く、修繕範囲が広くなりやすい点にも注意が必要です。

空家バンク登録が向いているケース

構造が健全で大きな修繕が不要、古民家としての活用価値がある、移住・二地域居住のニーズが見込める立地であれば、空家バンクへの登録とリフォーム補助金の活用を検討する価値があります。常北地区のように水戸市に近く生活利便性が高いエリアは、比較的需要が見込みやすい傾向があります。ただし、登録してもすぐに借り手・買い手が見つかるとは限らないため、時間的な余裕をもって進める必要があります。

判断に迷う場合は、まず建物の状態を専門家に見てもらい、解体した場合の概算費用を把握したうえで、活用と解体のどちらが現実的かを比較することをおすすめします。

解体を選ぶ場合に使える城里町の制度

空家バンクのリフォーム補助金は「活用」を前提にした制度のため、建物を解体する場合には使えません。城里町で解体に関連して使える公的な補助は、危険なブロック塀等の撤去費用の一部補助が中心で、住宅本体の解体費そのものを対象とする補助金は、現時点の城里町公式サイトの情報では確認できません。この点は城里町の解体補助金|ブロック塀20万円と代替制度の記事で確認した内容と同じで、本記事でも重ねて正直にお伝えします。解体費用の相場は城里町の解体費用の相場と優良業者選びの記事で、人口動態や3地区の詳しい特徴は城里町の空き家の現状とまちの変化の記事で、都市計画・線引きの有無を踏まえた建て替え事情は城里町の古い家が多いエリアと建て替え事情の記事で、それぞれ詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

城里町でよくある質問

Q. 城里町の空家バンクに登録すると、必ず借り手・買い手が見つかりますか?

A. 必ず見つかるわけではありません。空家バンクは所有者と利用希望者の情報を町がまとめて公開する仕組みで、成約を保証する制度ではないためです。町は交渉や契約の仲介も行わず、条件面の交渉は所有者と利用希望者が直接行います。専門家への仲介を希望する場合は、茨城県宅地建物取引業協会との協定にもとづき会員の推薦を受けられます(契約成立時は規約に沿った報酬が発生)。

Q. 空家バンクのリフォーム補助金は、誰でも申請できますか?

A. 空家バンク制度を利用して住宅を購入または賃貸借した方が対象です。加えて、その空家に10年以上居住すること、購入・賃貸の相手が2親等以内の親族でないこと、町税等の未納がないことなど複数の要件があります。また城里町住宅リフォーム資金助成など他の補助金と重複しての受給はできません。工事着工前の申請が条件で、着工後の申請は対象外になります。

Q. 空家バンクに登録した家が、結局古すぎて活用できないとわかったらどうすればいいですか?

A. 登録後に活用が難しいと判断した場合は、登録事項変更届出書または登録抹消届出書を城里町まちづくり戦略課に提出すれば、いつでも登録を見直せます。傷みが激しく修繕費用が資産価値を上回りそうな場合は、無理に空家バンクでの活用を続けるより、解体して更地として管理・売却したほうが結果的に負担が軽くなるケースもあります。判断に迷う場合は、解体費用の見積もりを先に取ってから比較することをおすすめします。

Q. 空家バンクへの登録と、解体を同時に検討することはできますか?

A. 制度上は問題ありません。ただし空家バンクは「建物を活かす」ための制度、解体は「建物を無くす」選択のため、方向性は逆になります。実務上は、まず建物の傷み具合・耐震性・立地の需要を確認したうえで、活用に見込みがあれば空家バンク登録、修繕費用が現実的でなければ解体、という順番で検討する方が判断がぶれにくくなります。

Q. 城里町の空家バンクに登録できない空家もありますか?

A. 町が公開している登録手続きのページでは、登録できない条件について個別に明記されたものはありませんが、登録には申込書・誓約書の提出と町の審査が必要です。老朽化が著しく倒壊のおそれがある、いわゆる「特定空家等」に近い状態の建物は、活用より解体・除却が優先される場合があります。判断に迷う場合はまちづくり戦略課、または解体の専門家である当社にご相談ください。

Q. 空家バンクのリフォーム補助金と、城里町の解体・ブロック塀の補助金は両方使えますか?

A. 空家バンクのリフォーム補助金は「活用(購入・賃貸してリフォームする)」を前提にした制度であり、建物を解体する場合には使えません。城里町で解体に関連して使える補助制度は、危険ブロック塀等の撤去補助が中心で、住宅本体の解体費そのものを対象とする補助金は現時点で城里町にはありません。どちらの制度も対象となる工事・条件が異なるため、活用するか解体するかの方針を先に決めてから該当する制度を確認することをおすすめします。

城里町の解体・空き家のご相談は解体Do!へ

「空家バンクで活用すべきか、解体すべきか迷っている」「まず解体費用の目安を知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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