茨城県内で解体工事を専門に行う「解体Do!」です。坂東市エリアでも、空き家や実家じまいに関するご相談を年々多くいただくようになりました。この記事では、坂東市が公式に公表している人口統計や「坂東市空家等対策計画」などの一次情報をもとに、坂東市の空き家の「今」と、まちがどう変わってきたのかを整理します。

坂東市の空き家、いま何が起きているか

坂東市の空き家問題を数字で見ると、静かに、しかし着実に進行していることがわかります。まずは坂東市自身が公表している人口・世帯データと、実態調査の結果を確認します。

人口は21年で6,465人減、世帯数はむしろ増えている

坂東市公式ホームページ「人口と世帯数」(住民基本台帳)によると、合併当初の平成17年3月22日時点で58,012人・16,843世帯だった坂東市は、2026年8月1日現在で51,547人・22,527世帯となっています。21年間で人口は6,465人(約11.1%)減少した一方、世帯数は5,684世帯(約33.7%)増加しました。

人口が減っているのに世帯数が増えているということは、1世帯あたりの人数が減っている=単身世帯や高齢者のみの世帯が増え、核家族化が進んでいることを意味します。坂東市自身も「坂東市空家等対策計画」の中で、この傾向が空家等の増加要因になっていると分析しています。

坂東市 人口・世帯数の推移グラフ
坂東市の人口・世帯数の推移(出典:坂東市公式ホームページ「人口と世帯数」)

空家等実態調査でわかった数字――417戸中75戸、「特に危険」は16戸

坂東市は令和2年度・3年度に「空家等実態調査」を実施しました。調査対象としたのは417戸(岩井地域325戸・猿島地域92戸)で、このうち居住その他の使用がなされていないことが常態である「空家等」と確認されたのは75戸でした。さらにそのうち16戸は、建物の一部の倒壊や屋根の損壊等が確認された「特に危険な家屋」とされています。

空き家になったきっかけの半数超は「死亡」と「施設入所」

同調査のアンケートでは、「空家になったきっかけ」を尋ねる設問に167件の回答が寄せられ、「居住していた人が亡くなったため」が60件、「居住していた人が施設入所または入院したため」が28件と、この2つで合計88件・全体の52.7%を占めました。坂東市自身の分析でも、居住者の高齢化が空家等発生の直接的な要因になっていると明記されています。

空き家が増えやすいのはどのエリアか――旧岩井市と旧猿島町の差

調査対象は岩井地域325戸、猿島地域92戸

先の実態調査を地域別に見ると、調査対象となった417戸のうち325戸が岩井地域、92戸が猿島地域でした。約3.5倍の差がありますが、これは単純に空き家「率」が高いという意味ではなく、そもそも人口・世帯数の規模が岩井地域の方が大きいことも影響しています。

中心市街地の岩井、農地混在の猿島――背景が違う

旧岩井市エリアは坂東市役所や商店街を抱える中心市街地で、戸建て住宅が密集しています。世代交代のタイミングで空き家化するケースが目立ちやすいエリアです。一方、旧猿島町エリアはさしま茶やレタス・ねぎなどの畑作が盛んな農地混在型の地域で、農家の後継者不在によって母屋が空き家として残るケースが特徴的です。同じ坂東市でも、空き家が生まれる背景が地区によって異なっている点は押さえておきたいポイントです。

なぜ坂東市に古い家が多くなるのか――2005年合併という背景

2005年3月22日、岩井市と猿島町の対等合併で「坂東市」誕生

坂東市は、平成17年(2005年)3月22日に岩井市と猿島郡猿島町が対等合併して誕生した市です。坂東市公式ホームページの「坂東市誕生の軌跡」でも、この合併の経緯が記録として公開されています。合併から2026年で21年が経過し、旧2市町それぞれの世代の住宅がまとめて更新時期を迎えつつあることが、坂東市に古い家が多くなっている背景のひとつと考えられます。

さしま茶と全国1位の春レタス・夏ねぎを支えた農家の高齢化

坂東市(旧猿島町エリア)は、江戸時代後期の安政6年(1859年)に海外へ初めて輸出されたお茶「さしま茶」の産地として知られています。また猿島台地の畑作地帯では、春レタスと夏ねぎの生産量が全国1位という実績もあります。こうした農業を長年支えてきた世代の高齢化が進み、後継者が市外に出ているケースも多いことが、農家住宅の空き家化につながっていると考えられます。

合併から21年、世帯の中身が変わった

坂東市は平将門終焉の地としても知られる歴史ある土地ですが、まちの「中身」は合併から21年でゆるやかに変化してきました。人口減少と世帯数増加という一見矛盾したデータが同時に進む中で、次の世代にどう住まいを引き継ぐかという課題が、坂東市全域で顕在化しつつあります。

空き家を放置するとどうなるか――行政の動きと制度の現在地

特定空家等に認定されると何が起きるか

坂東市空家等対策計画では、管理不全の空家等について「助言・指導」→「勧告」→「命令」→「代執行」という段階的な措置の手順が定められています。特に「勧告」を受けると、固定資産税等の住宅用地特例(小規模住宅用地で課税標準額が6分の1になる特例)が適用されなくなり、税負担が大きく増える点は所有者にとって見落とせないポイントです。

坂東市空家等対策計画(令和5〜9年度)が掲げる数字

坂東市空家等対策計画の計画期間は令和5年度から令和9年度までの5年間です。この計画では、発生抑制の累計目標を15件(3件/年)、空き家バンクの成立目標を累計10件(2件/年)、除却の累計目標を5件(1件/年)と定めています。数字だけを見ると小規模に映りますが、これは坂東市の空家等対策がまだ体制構築の段階にあることの裏返しともいえます。

坂東市 空家等実態調査 結果早見表
坂東市 空家等実態調査の結果早見表(出典:坂東市空家等対策計画)

空き家バンクは「検討中」、まだ制度化されていない

坂東市空家等対策計画の中では、空き家バンクについて「現在、坂東市では空き家バンク設立を検討中」と明記されています。つまり2026年8月時点では、坂東市に公式な空き家バンク制度はまだ存在していません。近隣市町村ではすでに空き家バンクを運用している自治体もあるため、坂東市でも今後の制度化が待たれる分野です。

坂東市で家を解体する費用の目安と、使える補助制度

解体費用の相場はどれくらいか

坂東市で木造住宅を解体する場合の坪単価の目安や、費用を安くする具体的なコツについては、別記事「【2026年版】坂東市 解体費用相場|坪単価と安くする5つのコツ」で詳しく解説しています。

坂東市に解体費用そのものを補助する制度は「今のところ無い」

2026年8月時点で、坂東市に建物(住宅・空き家)の解体そのものを対象にした補助金はありません。坂東市空家等対策計画の第4章にも「市が定める要件を満たした空家等の解体・除却をする際には、その費用の一部を補助する制度等の導入を検討していきます」とあるとおり、解体費補助はあくまで「今後の検討課題」という位置づけであり、令和9年度までの現行制度には含まれていません。制度の詳しい経緯は別記事「坂東市の解体補助金はある?条件・上限・申請時期を正直に解説【2026】」でまとめています。

使えるのは危険ブロック塀等撤去支援補助制度など

解体費用そのものの補助はなくても、坂東市には現行施策として使える制度があります。代表的なのが「危険ブロック塀等撤去支援補助制度」で、専門家の安全点検で危険と確認されたブロック塀等の撤去工事費の一部(撤去費用の3分の2、上限10万円が目安)を補助するものです。このほか、市内施工業者によるリフォーム工事を対象にした「住宅リフォーム資金の補助制度」や、結婚を機に市内で新生活を始める世帯向けの「結婚新生活支援の補助制度」も現行施策として実施されています。

坂東市はこれからどう変わるか――まちの変化

圏央道坂東ICが変えたアクセスと暮らし

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の茨城区間が全線開通したことで、坂東市は都心から約50km圏、坂東ICから坂東市役所までは車で約10分という位置づけになりました。坂東市公式ホームページでも、圏央道の開通により偕楽園・日光や那須・富岡製糸場・川越・秩父といった観光地へのアクセスが向上したことが紹介されています。都心を経由しないルートが選べるようになったことで、渋滞リスクの低減や移動時間の短縮にもつながっています。

空き家跡地は次の使い道を探せる時代に

圏央道の全線開通は、物流や工業の振興という面でも坂東市に変化をもたらしています。空き家そのものをすぐに活用できなくても、老朽化した建物を解体して更地に戻すことで、駐車場や資材置き場、新築用地など次の使い道を検討しやすくなるケースは少なくありません。まちのアクセスが変わりつつある今だからこそ、空き家・空き地をどう次につなげるかを考えるタイミングともいえます。

よくある質問

Q1. 坂東市の空き家率は何%ですか?

坂東市単体の「空き家率(%)」を示す一次資料は確認できませんでした。坂東市が公式に公表しているのは、令和2〜3年度の実態調査に基づく戸数(調査対象417戸のうち75戸を空家等と確認、うち16戸が特に危険な家屋)です。本記事では、根拠が不確かなパーセンテージではなく、坂東市自身が公表している戸数ベースの数字のみをお伝えしています。

Q2. 坂東市に解体費用の補助金はありますか?

2026年8月時点で、建物の解体・除却そのものを対象にした補助金はありません。坂東市空家等対策計画では「導入を検討していく」施策として位置づけられていますが、令和9年度までの計画期間中は制度化されていません。詳しくは「坂東市の解体補助金はある?条件・上限・申請時期を正直に解説【2026】」をご覧ください。

Q3. 坂東市に空き家バンクはありますか?

2026年8月時点では未設立です。坂東市空家等対策計画では「空き家バンク事業」の導入を今後の検討施策として掲げていますが、設立時期は明示されていません。

Q4. 空き家を放置するとどうなりますか?

坂東市空家等対策計画に基づき、管理不全の空家等はまず所有者への適正管理を促す通知が送られ、状態が改善されない場合は坂東市空家等対策協議会の判断を経て「特定空家等」に認定されることがあります。認定後は助言・指導、勧告、命令という段階を経て、最終的には行政代執行に至る可能性もあります。特に「勧告」の段階では固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増える点に注意が必要です。

Q5. 旧岩井市と旧猿島町、どちらに空き家が多いですか?

坂東市の実態調査における戸数ベースでは、岩井地域325戸に対し猿島地域92戸と、調査対象の絶対数は岩井地域の方が多くなっています。ただしこれは人口・世帯数の規模差を反映した数字でもあり、人口あたりの比率までは坂東市の公表資料では確認できませんでした。

Q6. 坂東市で解体を依頼する際の相談先は?

制度面の相談は坂東市都市整備課が窓口になります。解体工事そのものの費用や進め方についてご不安な方は、茨城県全域に対応する解体工事専門店「解体Do!」まで無料でご相談いただけます。

まとめ|坂東市の空き家は「静かに増えている」

坂東市の空き家は、人口減少と世帯数増加が同時に進む中で、静かに、しかし着実に増える構造にあります。実態調査で確認された75戸・特に危険な16戸という数字、そして解体費用の補助制度がまだ整っていない現状は、坂東市に家や実家を持つ方にとって他人事ではありません。旧岩井地域・旧猿島地域それぞれの背景を踏まえたうえで、早めに解体や活用の選択肢を検討することが、将来の負担を減らす一歩になります。

坂東市の空き家・実家の解体でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

無料見積もりフォーム

この記事に関するお見積もり・ご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。

    物件種別(必須)

    物件のご住所(必須)

    お名前(必須)

    お電話番号(必須)

    メールアドレス(必須)

    ご希望の相談方法(任意)

    現地調査をご希望の方は、日時をご指定ください

    第1希望日時(任意)


    第2希望日時(任意)


    解体のご希望時期(任意)

    備考(任意)


    ※ 見積もり後のキャンセルもOKです。お気軽にどうぞ。