「そろそろ家を建て替えようか、それとも売ってしまおうか」——茨城県内でも、老朽化した実家や築年数の古い持ち家をめぐって、こうした相談が増えています。建て替えは、家を解体してから新しい家を建てる一連の工事であり、実際には解体工事が最初のステップになります。このページでは、建て替えとは何かという基本から、費用の目安、建て替え・売却・リフォームをどう判断するか、流れと注意点までを、茨城県内で解体工事を行う解体Do!が一つにまとめて解説します。

建て替えとは 費用相場 流れ 茨城県

建て替えとは?意味とリフォーム・新築との違い

建て替えの意味

建て替えとは、今建っている建物を解体・撤去したうえで、同じ敷地に新しい建物を建てることをいいます。区画そのものは変えず、建物だけを新しくする点が特徴です。手順としては「既存の家の解体」が先にあり、そのあとに「新築」が続くため、建て替えは解体工事とセットで語られます。

新築との違い

一般的に「新築」は更地や新たに取得した土地に初めて建物を建てることを指します。これに対して建て替えは、すでに建物が建っている土地を対象にする点が異なります。建て替えでは解体費用・仮住まい費用・引っ越しが2回発生する費用など、更地への新築にはかからない費用が追加でかかります。

リフォーム(リノベーション)との違い

リフォームは既存の建物の骨組みを残したまま、内装・設備・間取りなどを改修する工事です。建て替えのように建物をゼロから作り直すわけではないため、一般的に工期が短く、仮住まいが不要な場合もあります。ただし、建物の構造そのものに問題がある場合や、大幅な耐震補強・間取り変更が必要な場合は、リフォームの費用が建て替えに近づくこともあります。

建て替えが「解体の一番の理由」になっている背景

私たち解体Do!に寄せられる解体のご相談の中でも、建て替えを目的としたものは特に多い動機の一つです。背景としては、主に次のようなケースが挙げられます。

  • 老朽化・耐震性への不安:築年数が経ち、雨漏りや傾き、シロアリ被害などが目立つようになった住宅を、耐震性能も含めて新しくしたいケース。
  • 家族構成やライフスタイルの変化:子どもの独立や親との同居、バリアフリー化など、今の間取りでは対応しきれなくなったケース。
  • 相続した実家をどうするか迷っている:親から相続した家に自分たちが住み替える、あるいは古い実家を建て替えて活用したいケース。

一方で、これらの動機があっても「必ず建て替えが正解」とは限りません。次の章で、建て替え・売却・リフォームをどう分けて考えるかを整理します。

建て替え・売却・リフォームを分ける5つの判断軸

「建て替えるべきか、売るべきか、リフォームで済ませるべきか」は、次の5つの視点で整理すると判断しやすくなります。

①建物の耐震性(昭和56年5月31日が一つの目安)

建築確認を受けた日が昭和56年(1981年)5月31日以前の建物は、現在の耐震基準(新耐震基準)ではなく、旧耐震基準で建てられています。旧耐震の住宅は耐震性能が不足していることが多く、住み続けるのであれば建て替えか、耐震診断・耐震補強を伴う大がかりなリフォームが検討の対象になります。

②そのまま住み続けたいか、資産として活かしたいか

今後もその土地・家に住み続けたいのであれば建て替えかリフォームが選択肢になります。一方、住む予定がなく、相続した実家を管理しきれない、他に住まいがあるといった場合は、無理に建て替えず売却して資産として整理するほうが合理的なこともあります。

③再建築不可の土地では建て替えができない

建築基準法上の道路に2m以上接していない土地(接道義務を満たさない土地)などは、「再建築不可物件」となり、同じ規模で建て直すことができません。この場合、建て替えという選択肢自体がなく、リフォームで住み続けるか、売却するかの二択になります。ご自身の土地が再建築可能かどうかは、建て替えを検討する前に必ず確認しておきたいポイントです。再建築不可物件の売却については、茨城県内での売却方法と調べ方もあわせてご確認ください。

④資金計画とローンの残債

建て替えには、解体費用・新築費用・仮住まい費用・諸費用がまとめて必要になります。すでに住宅ローンが残っている場合は、その残債と新しいローンをどう組み合わせるかによって資金計画が大きく変わります。金融機関によって建て替え向けのローン商品(つなぎ融資など)の扱いが異なるため、早い段階で相談しておくと安心です。

⑤仮住まいの負担に耐えられるか

建て替えは解体から新築の引き渡しまで、一般的に半年〜1年程度、仮住まいでの生活が必要になります。仮住まいの家賃・引っ越し費用・荷物の保管費用などの負担が難しい場合は、居住しながら進められるリフォームのほうが現実的な選択肢になることもあります。

建て替え 売却 リフォーム 判断早見図 茨城県

建て替えの流れ|計画から引き渡しまで

建て替えを決めてから引き渡しまでの大まかな流れは、次の6ステップです。

①資金計画・ローンの検討

解体費用・新築費用・仮住まい費用を含めた総額を見積もり、自己資金とローンの配分を検討します。既存のローン残債がある場合は金融機関に相談し、建て替え時のローンの組み方を確認しておきましょう。

②建築会社・解体業者への相談

建築会社(ハウスメーカーや工務店)に新築の相談をすると同時に、解体業者にも見積りを依頼します。建築会社が解体工事も含めて手配してくれる場合と、施主自身が解体業者を探して依頼する場合があります。解体業者の選び方・許可の確認方法もあわせてご覧ください。

③仮住まいへの引っ越し

解体工事の前に、家財を仮住まいまたはトランクルームへ移動します。残置物(不用品)の処分も必要になるため、荷物の仕分けと処分方法を早めに整理しておくと当日の作業がスムーズです。

④解体工事(届出・近隣あいさつ・アスベスト調査)

解体工事の前には、アスベストの事前調査、近隣へのあいさつ、必要に応じた道路使用許可や建設リサイクル法の届出などが行われます。工事そのものは木造30坪程度の住宅であれば1〜3週間程度が目安です。詳しい流れは解体工事とは?流れ・期間・費用・届出のページで解説しています。

⑤新築工事(着工〜竣工)

解体工事と滅失登記が完了したら、新築工事に着手します。地盤調査の結果によっては地盤改良工事が必要になることもあります。工期は建物の規模や工法によって異なりますが、一般的な木造2階建てで4〜6か月程度が目安です。

⑥引き渡し・登記・引っ越し

建物が完成したら完了検査を受け、建物表題登記・保存登記(住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記も)を行います。登記が完了したら、仮住まいから新居への引っ越しです。

建て替えの流れ 6ステップ 茨城県

建て替えにかかる費用の内訳

解体費用の目安(構造別)

建て替えの最初の工程である解体費用は、建物の構造によって坪単価の目安が異なります。

構造坪単価の目安30坪の場合
木造3.5万〜5.5万円約105万〜165万円
鉄骨造(S造)4.5万〜7万円約135万〜210万円
鉄筋コンクリート造(RC造)6万〜9万円約180万〜270万円

※あくまで一般的な目安です。実際の金額は立地条件や残置物の量などにより変わるため、現地調査を伴う見積りでご確認ください。より詳しい坪数別のシミュレーションは解体費用の相場|坪数別シミュレーションで解説しています。

新築工事費用

新築工事費用は、建物の本体工事費に加えて、外構・地盤改良・設備などの付帯工事費が別途かかります。建築会社やプランによって総額は大きく変わるため、複数社から見積りを取って比較することをおすすめします。

仮住まい・引っ越し費用

賃貸物件やウィークリーマンションなどへの仮住まい費用、旧居から仮住まいへ・仮住まいから新居への2回分の引っ越し費用が必要です。荷物を一時的に預けるトランクルーム費用がかかることもあります。

諸費用(滅失登記・地盤調査・登記費用など)

  • 建物滅失登記:解体後1か月以内に法務局へ申請する義務があります(怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます)。
  • 地盤調査・地盤改良工事費用:地盤の強度によっては改良工事が必要になります。
  • 建物表題登記・保存登記・抵当権設定登記費用:新築後に必要な各種登記の費用です。

建て替えで見落としやすい注意点

固定資産税は年をまたぐと上がることがある(1月1日基準)

住宅が建っている土地には、固定資産税の課税標準を軽減する「住宅用地の特例」(200㎡までの部分は課税標準が価格の6分の1、超える部分は3分の1)が適用されています。建物を解体して更地の期間が長くなると、この特例が外れて土地の固定資産税が上がることがあります。固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されるため、更地の期間が年をまたぐかどうかで負担が変わります。建て替えの場合、1月1日時点で新しい住宅の建築工事に着手していれば特例が継続される制度がありますが、前年度に住宅用地であったことなど一定の要件があるため、詳しくは市町村の税務担当にご確認ください。

2025年4月の建築基準法改正で審査が増えている

2025年4月に施行された建築基準法の改正により、木造2階建て住宅を含む多くの建物で、新築時の構造関係規定の審査(構造計算書の提出など)が必要になりました。これにより、建て替えの際の建築確認申請の手続きが増え、審査期間や設計コストに影響が出る可能性があります。建て替えを検討する際は、建築会社に最新の制度を踏まえたスケジュールと費用感を確認しておくと安心です。

再建築不可・接道義務を事前に確認する

前述のとおり、接道義務を満たさない土地は再建築不可物件となり、同じ規模での建て替えができません。また、道路の種類によっては、建て替え時に敷地の一部を道路として提供する「セットバック」が必要になることもあります。土地の権利関係や道路状況は、建て替えを本格的に計画する前に確認しておきましょう。

住宅ローンの組み方(つなぎ融資)

建て替えでは、解体工事の代金や新築工事の着工金など、建物の完成前にまとまった支払いが発生する場面があります。通常の住宅ローンは建物の完成後に融資が実行されるため、それまでの資金を一時的につなぐ「つなぎ融資」が必要になることがあります。つなぎ融資には別途金利や手数料がかかるため、資金計画の段階で金融機関に確認しておくことをおすすめします。

「建て替えない」という選択肢|売却も検討する

建て替えは大きな費用と時間がかかる選択です。今の家に住み続ける予定がないのであれば、無理に建て替えず、売却するという選択肢も正直にお伝えしておきたいと思います。

解体して更地で売る

建物の傷みが激しい、あるいは市から特定空家等・管理不全空家等の指導を受けているようなケースでは、解体して更地にしたほうが買い手を見つけやすいことがあります。ただし、解体費用と、更地にした翌年から上がる可能性のある固定資産税を踏まえたうえで判断する必要があります。

建物を残したまま売る

建物の状態次第では、解体せずそのまま売却したほうが、解体費用をかけずに済み、リフォーム前提で購入したい買主にも選択肢が広がることがあります。

再建築不可物件は売却のほうが現実的なことがある

再建築不可物件は建て替えができないため、住み続ける予定がなければ、専門の買主・不動産会社への売却を検討したほうが現実的なケースが多くあります。茨城県内での再建築不可物件の売却方法については、こちらの記事もご参照ください。解体して更地で売るか、建物を残したまま売るかで迷う場合は、不動産会社に両方のパターンで査定を依頼して比較することをおすすめします。

業者選びのポイント

解体業者と建築会社の役割分担

建て替えでは、建築会社が解体工事も含めて手配してくれるケースと、施主自身が解体業者を探して依頼するケースがあります。解体業者を自分で選ぶと、建築会社経由に比べて中間マージンを抑えられる可能性がありますが、日程調整は施主側で行う必要があります。どちらの場合も、解体費用の内訳が明確な見積りを取ることが大切です。

許可・登録の確認

解体工事業を営むには、建設業許可(請負金額500万円以上)または解体工事業登録(500万円未満)のいずれかが必要です。無許可・無登録での営業は建設業法・建設リサイクル法違反となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になり得ます。営業所や工事現場に掲示されている標識で確認できるほか、登録内容は茨城県土木部検査指導課で確認できます。詳しくは解体業者の選び方|許可と登録の確認方法で解説しています。

茨城県で使える補助金・制度

建て替えのための解体には、市町村によって解体費用の補助金が用意されている場合があります。ただし、補助の有無や条件は市町村ごとに大きく異なり、対象が「特定空家等」に限られていたり、そもそも住宅解体の補助自体が無い市町村も少なくありません。茨城県内の市町村別の解体補助金・ブロック塀撤去補助などを一次情報にもとづいて一覧化していますので、茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧で、お住まいの市町村の制度をご確認ください。

まとめ

建て替えとは、既存の建物を解体してから新しい建物を建てる一連の工事です。判断のポイントは、建物の耐震性、住み続けたいかどうか、再建築が可能な土地かどうか、資金計画、仮住まいの負担に耐えられるかの5つ。建て替えが唯一の正解とは限らず、リフォームや売却のほうが合っているケースもあります。まずは現地調査を伴う解体費用の見積りから、具体的な資金計画を立てていきましょう。

解体費用の詳しい相場は解体費用の相場|坪数別シミュレーション、解体工事全体の流れは解体工事とは?流れ・期間・費用・届出、解体そのものの基本は解体とは?建物・家具・不用品の解体の違いもあわせてご覧ください。茨城県内での不動産売却は、ハウスドゥ加盟店のhousedo.groupでもご相談いただけます。

建て替えに関するよくある質問

Q. フルリフォームと建て替え、どちらが安いですか?

A. 一般的にはリフォームのほうが費用を抑えやすい傾向にあります。ただし、間取りを大きく変えたり、耐震性能を新築同等まで引き上げたりする場合は、フルリフォームの費用が建て替えに近づくこともあります。建物の状態や希望する性能によって金額差が変わるため、両方で見積りを取って比較することをおすすめします。

Q. 築何年くらいの家が建て替えの対象になりますか?

A. 築年数だけで一律に決まるものではありませんが、一つの目安が「昭和56年(1981年)5月31日」以前に建築確認を受けた旧耐震基準の建物です。旧耐震の住宅は現在の耐震基準を満たしていないことが多く、建て替えや耐震性能を見直す大がかりなリフォームが検討されます。

Q. 建て替えができない土地はありますか?

A. あります。代表的なのが「再建築不可物件」で、建築基準法上の道路に2m以上接していない土地(接道義務を満たさない土地)などが該当します。この場合は同じ規模で建て直すことができないため、リフォームで対応するか、売却を検討することになります。

Q. 建て替え中の仮住まいはどのくらいの期間が必要ですか?

A. 解体工事から新築の引き渡しまでを合わせると、一般的に半年〜1年程度の仮住まい期間を見込むケースが多いです。工事の規模や施工会社のスケジュールによって前後するため、着工前に工程表で確認しておくと安心です。

Q. 解体してから建て替えると固定資産税は上がりますか?

A. 更地の期間が年をまたぐと、その年は住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がることがあります。1月1日時点で新しい住宅の建築工事に着手していれば特例が継続される制度がありますが、要件があるため、正確な扱いは市町村の税務担当にご確認ください。

Q. 建て替えず、家をそのまま売ることはできますか?

A. 可能です。建物の状態によっては解体せずに売却したほうが、解体費用をかけずに済み、リフォーム前提で選びたい買主にとっても選択肢が広がることがあります。更地にしたほうが売れやすいケースもあるため、不動産会社に建物ありと更地の両方で査定を依頼して比較するのがおすすめです。