守谷市は茨城県内でも数少ない「人口が増え続けているまち」として知られています。しかし、まち全体が均一に新しいわけではありません。宅地開発が段階的に進んだ結果、地域によって家の築年数がはっきり分かれており、古い家が集まるエリアと、まだ新しい住宅地がはっきり共存しているのが守谷市の実情です。この記事では、人口動態を扱った既存記事や解体補助金の記事とは切り口を変え、「どの地域に、なぜ古い家が多いのか」「建て替えようとしたときにどんなルールが立ちはだかるのか」を一次情報にもとづいて整理します。

なぜ発展を続ける守谷市にも「古い家が多いエリア」があるのか

守谷市は1955年(昭和30年)3月1日に守谷町・大井沢村・大野村・高野村の1町3村が合併して守谷町となり、2002年(平成14年)2月2日の市制施行で守谷市になりました。その後、1966年の首都圏近郊整備地帯指定をきっかけに宅地開発が本格化し、2005年のつくばエクスプレス(TX)開業でさらに開発が加速しています。つまり守谷市は「一度にできたまち」ではなく、江戸時代からの旧市街地、昭和40〜60年代のニュータウン、2005年以降のTX沿線という複数の時代が積み重なってできたまちです。古い家が多いエリアも、この開発の順番に沿って分布しています。

守谷市の宅地開発は「3つの世代」でできている

守谷市の住宅地は、大きく3つの世代に分けて考えると分かりやすくなります。それぞれ成立した時期も、街の骨格を決める都市計画上の位置づけも異なります。

世代1|城下町起源の旧市街地(本町・銚子街道周辺)

現在の本町地区は、江戸時代初期に土岐(菅沼)定政が守谷城主となって以来、城下町として発展した歴史を持ちます。町の中心を南北に貫く銚子街道はかつて幅八間から九間(約14〜16メートル)もある通りでしたが、1889年(明治22年)に県道へ編入されて以降、道幅五間(約9メートル)に縮小されたという珍しい経緯があります。城下町から農村へと性格を変えながら道路が縮小された結果、旧市街地には現在の建築基準法が求める接道条件ぎりぎりの狭い敷地が今も残っています。

世代2|昭和40〜60年代のニュータウン(北守谷・南守谷)

1966年6月に首都圏近郊整備地帯の指定を受けた守谷町は、1970年7月に都市計画区域の線引き(市街化区域と市街化調整区域の区分)を決定し、1973年6月に用途地域(面積717ヘクタール)を定めました。これと並行して、1971年1月に北守谷特定土地区画整理事業(常総ニュータウン北守谷)の施行区域が計画決定され、1976年5月に日本住宅公団(現・都市機構)による事業が認可、1978年12月に使用収益が開始されています。南守谷側も1973年2月に施行区域計画が決定し、1987年10月に宅地分譲が始まりました。北守谷は築45年前後、南守谷は築35年前後の住宅がまとまって建っている計算になり、ちょうど大規模な更新期に差しかかっている世代です。

世代3|つくばエクスプレス沿線の新しい市街地(2005年〜)

2005年8月24日のTX開業を機に、みずき野(旧パークシティ守谷)や美園(旧ヒルズ美園)、東守谷などのエリアで宅地開発が進みました。この世代はまだ築20年前後で、現時点では「古い家が多いエリア」には該当しません。ただし団地としての更新期は建物の年齢でほぼ決まるため、2040年代には次の建て替えの波が訪れると見込まれます。

守谷市 宅地開発 3世代比較 解体Do

エリアによって異なる「建て替えの制約」

古い家が多いというだけでなく、建て替えようとしたときに直面するルールもエリアごとに違います。ここを知らずに計画を進めると、想定より敷地が使えなかったり、追加の手続きが必要になったりすることがあります。

旧市街地は接道の狭さが課題になりやすい

本町周辺は、先述の通り明治期に道幅が縮小された経緯を持つ通りが多く、現在の建築基準法が定める接道義務(原則として幅4メートル以上の道路に2メートル以上接すること)をぎりぎり満たす敷地や、位置指定道路に接する敷地が点在します。建て替え時にセットバック(道路後退)が必要になったり、間口の狭さから建築計画に制約が出たりするケースがあるため、着工前の現地調査が特に重要なエリアです。

市街化調整区域の集落は敷地の広さがルールで決まっている

大木・野木崎・板戸井・立沢など市街化調整区域に含まれる集落では、都市計画法上、原則として新たに建築物を建てることができません。都市計画法に基づく許可基準に適合する場合に限り建築が可能で、さらに一戸建て住宅を建てる場合は後述する「最低敷地面積300平方メートル」のルールが関わってきます。

ニュータウンは地区計画・緑化協定を確認する

北守谷・南守谷、みずき野、美園などの計画的に開発された地域には、緑地区計画・美園地区計画・ひがし野地区計画・守谷駅周辺地区計画など複数の地区計画が定められているほか、「北守谷・緑の街づくり協定」「南守谷・緑の街づくり協定」といった建築協定が敷かれている街区もあります。建て替え時に外壁後退距離や緑化率など、通常の建築基準法にはない上乗せ基準が課される場合があるため、事前に守谷市都市計画課での確認が欠かせません。

用途地域と最低敷地面積という2つのルール

守谷市で建て替えを考えるとき、特に押さえておきたいのが「用途地域」と「市街化調整区域の最低敷地面積」という2つの制度です。

市街化区域の半分以上を占める第一種低層住居専用地域

守谷市は市街化区域の75.8%が計画的に整備された大規模宅地開発地域で、そのうち市街化区域の50%以上が建蔽率40%の第一種低層住居専用地域に指定されています。これは一般的な第一種低層住居専用地域(建蔽率50〜60%が多い)よりも規制が厳しい部類で、ゆとりある街並みを保つ代わりに、建て替え時の建築面積・延床面積には相応の制約がかかります。

守谷駅周辺地区だけの特例(高さ31メートル・容積率300〜500%)

一方、守谷駅周辺地区(中央地区)だけは特例が設けられています。第一種住居地域・準住居地域では絶対高さの限度が通常20メートルのところ31メートルまで緩和され、近隣商業地域では容積率が通常200%のところ300%、商業地域では400%または500%まで認められています。同じ「守谷市」でも、駅前と郊外の住宅地とではまったく異なる建築ルールが適用されるということです。

市街化調整区域の最低敷地面積は300平方メートル

守谷市は平成20年(2008年)4月1日施行の条例により、市街化調整区域(道路位置指定区域・農用地区域を除く)における一戸建て住宅の最低敷地面積を300平方メートルと定めています。近隣他市が属する近郊整備地帯の一般基準は165〜200平方メートル程度であることが多く、守谷市はそれより広い基準を独自に設定している点が特徴です。

建て替えに伴う敷地拡張なら適用除外になる場合がある

この最低敷地面積のルールには適用除外があります。「既存建築物の建て替え等に伴う敷地拡張」(条例第3条第4号)に該当する場合や、世帯分離、市条例施行前から165平方メートル以上で使用している土地など、一定の条件を満たせば適用除外証明書の交付を受けられます。先祖代々の家をそのまま建て替える場合と、区画を分割・売却する場合とでは扱いが変わるため、都市計画課開発指導グループへの事前相談が必須です。

守谷市 用途地域 調整区域 比較 解体Do

固定資産税が減額される制度もある

解体費用そのものへの補助金はありませんが(詳しくは後述)、建て替えやリフォームに伴う税負担を軽くする制度は守谷市にも用意されています。

耐震改修による減額

昭和57年1月1日以前に建てられた住宅(居住部分が2分の1以上の専用・共同・併用住宅)で、現行の耐震基準に適合する改修工事を行い、工事費用が50万円を超える場合、工事完了年の翌年度から1年間(通行障害既存耐震不適格建築物に該当する場合は2年間)、120平方メートル相当分までの固定資産税額が2分の1減額されます。制度の期限は令和13年3月31日までです。

バリアフリー・省エネ改修による減額

新築後10年以上経過した住宅を対象に、65歳以上の方や要介護・要支援認定を受けている方などが居住し、自己負担額が50万円を超えるバリアフリー改修を行った場合は、100平方メートル相当分の固定資産税額が3分の1減額されます。平成26年4月1日以前に建てられた住宅の省エネ改修(窓の改修工事を必ず含む)で自己負担額が60万円を超える場合も、120平方メートル相当分の3分の1が減額対象です。いずれも1戸につき1回限り、他の減額制度との併用はできません(バリアフリーと省エネの併用のみ可)。

解体費用そのものへの補助金はあるか

守谷市に解体費用への直接補助制度は無い

既存記事「守谷市の解体補助金はある?」でも確認している通り、2026年時点で守谷市には解体工事費そのものに対する直接の補助金制度はありません。空き家等活用コミュニティ推進事業助成金は自治会・町内会向けの制度で個人の解体費用には使えず、危険ブロック塀等撤去補助金は受付を終了しています。建て替えの資金計画を立てる際は、この前提を踏まえておく必要があります。

空き家バンク・クラッソーネとの連携協定の活用

守谷市空き家バンクは登録件数が少ない状況が続いていますが、令和8年に開始されたクラッソーネとの連携協定により、市のサイトから解体費用シミュレーターや相談窓口を利用できます。解体費用そのものの補助はなくても、複数の解体業者から見積りを取り、相場観をつかむための入口として活用する価値はあります。

実家が守谷市にある方へ—判断の順番

1. エリアの区分と制度を確認する

まずは自宅・実家が市街化区域か市街化調整区域か、用途地域は何か、地区計画や緑化協定の対象かどうかを、守谷市都市整備部都市計画課(電話0297-45-1111)に確認しましょう。これによって建て替え可能な建物の規模や、最低敷地面積の適用有無が変わってきます。

2. 解体・リフォーム・売却を比較しながら相談する

制度を踏まえたうえで、解体して更地にする、耐震・バリアフリー改修で住み続ける、古家付きのまま売却するという3つの選択肢を比較します。解体Do!では、守谷市内の解体費用の概算見積りや制度に関するご相談を無料で承っています。まずは現状を整理するところから始めてみてください。

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よくある質問

Q1. 守谷市の市街化調整区域では家を建て替えられませんか?

原則として市街化調整区域では新たな建築が制限されますが、都市計画法に基づく許可基準に適合すれば建築は可能です。既存建築物の建て替えに伴う敷地拡張は最低敷地面積300平方メートルの適用除外になる場合もあります。詳細は守谷市都市計画課にご確認ください。

Q2. 守谷駅周辺なら郊外の住宅地より大きな建物を建てられますか?

はい。守谷駅周辺地区(中央地区)は用途地域の特例により、絶対高さの上限が31メートル、容積率が最大500%まで認められており、郊外の第一種低層住居専用地域(絶対高さ10メートル、建蔽率40%)とは大きく異なる建築ルールが適用されます。

Q3. 守谷市に解体費用を補助する制度はありますか?

2026年時点で、解体工事費そのものに対する直接の補助金制度はありません。空き家等活用コミュニティ推進事業助成金(自治会・町内会向け)や、受付を終了した危険ブロック塀等撤去補助金など、条件が限定的な制度にとどまります。

Q4. 耐震改修をすると税金は安くなりますか?

昭和57年1月1日以前に建てられた住宅で、現行耐震基準に適合する工事費が50万円を超える改修を行った場合、工事完了翌年度から1年間、固定資産税額の2分の1(120平方メートル相当分まで)が減額されます。制度の期限は令和13年3月31日までです。

Q5. 北守谷・南守谷などのニュータウンで建て替える際に注意することは?

地区計画や「緑の街づくり協定」などの建築協定が定められている街区があり、外壁後退距離や緑化率など、建築基準法にはない独自の基準が上乗せされている場合があります。着工前に守谷市都市計画課での確認をおすすめします。

あわせて読みたい:守谷市の空き家の現状とまちの変化【2026年】守谷市の解体補助金はある?条件・上限・申請時期を正直に解説取手市の古い家が多いエリアと建て替え事情

まとめ

守谷市は人口が増え続ける成長中のまちでありながら、城下町起源の旧市街地、昭和のニュータウン、TX沿線の新市街地という3つの世代が同居しており、古い家の集積エリアと建て替えルールもこの成り立ちに沿って分かれています。用途地域や市街化調整区域の最低敷地面積、地区計画・緑化協定といった制度は地域ごとに異なるため、まずは自宅がどの区分に属するのかを確認することが、建て替えを考える最初の一歩になります。解体Do!では、守谷市内の建て替え・解体に関するご相談を無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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