「守谷市に空き家って、そんなに多いの?」——実はこの問い自体が、他の市町村とは少し違う。守谷市は茨城県内で数少ない、人口が減っていないまちだからだ。つくばエクスプレス(TX)の開業を追い風に住宅地開発が進み、令和8年時点でも人口は7万人台をキープしている。それでも、空き家がゼロというわけではない。旧市街地には昭和期からの住宅が残り、世代交代のタイミングで「実家をどうするか」という相談は確実に増えている。この記事では、守谷市の人口動態・空き家対策の実情・地区ごとの違いを、公式情報にもとづいて整理する。

守谷市は「人口が減らないまち」という特殊事情

まず押さえておきたいのは、守谷市の人口推移だ。国勢調査の結果を見ると、昭和60年(1985年)の23,856人から令和2年(2020年)の68,421人まで、調査のたびに一貫して増え続けている。茨城県内の44市町村の中で、この右肩上がりを保っている自治体は多くない。

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守谷市の人口推移(国勢調査、出典:茨城県「市町村のデータ(守谷市)」)

令和8年最新の人口・世帯データ

茨城県統計課「市町村のデータ(守谷市)」によれば、常住人口は70,152人・世帯数30,006世帯(令和8年4月1日現在)。守谷市公式サイトの住民基本台帳ベースでは、令和7年12月1日現在で人口70,943人(うち外国人1,548人)・世帯数30,969世帯となっている。集計方法(推計人口か住民基本台帳人口か)によって数字がやや異なる点には注意したい。

年齢別人口割合(令和7年10月1日現在)は15歳未満14.0%・15〜64歳61.4%・65歳以上24.6%。茨城県全体で高齢化が進む中、守谷市の高齢化率は比較的低めに収まっている。人口密度も1,964.5人/km²(令和8年4月1日現在)と、県内でも高い部類に入る。

なぜ守谷市だけ人口が増え続けているのか

背景にあるのは、2005年のつくばエクスプレス開業だ。都心へのアクセスが飛躍的に向上し、守谷駅周辺では1994年から「守谷駅周辺一体型土地区画整理事業」が進められてきた(2009年度完了)。さらに2017年には「守谷市松並土地区画整理事業」が完了し、「低炭素型まちづくり」をコンセプトにした新興住宅地が誕生している。守谷市はもともと昭和30年に守谷町・高野村・大野村・大井沢村の1町3か村が合併して誕生した町で、2002年の市制施行を経て現在に至る。長い歴史を持つ旧市街地と、TX開業後にできた新しいニュータウンが、ひとつの市の中に同居しているのが守谷市の特徴だ。

守谷市「2つの顔」——旧市街地とTX沿線ニュータウン

守谷市は、守谷・大井沢・大野・高野・北守谷・南守谷・みずき野・美園という地区に分かれている。中でも対照的なのが、本町・守谷など城下町由来の旧市街地エリアと、松並・みずき野など区画整理でできた新興住宅地エリアだ。松並地区はもともと守谷の一部だったが、2002年の市制施行と同時に独立した地区として誕生した。みずき野地区も1981年に東守谷として分離した経緯がある。

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守谷市の旧市街地エリアとTX沿線ニュータウンエリアの違い(守谷市公式サイト等の公開情報をもとに解体Do!作成)

旧市街地エリアで起きていること

本町地区は守谷市中央部に位置し、北部には守谷の旧市街地として古い街並みが残る一方、南部は昭和後期から新興住宅地としての整備も進んできた。こうしたエリアでは、昭和期に建てられた戸建て住宅の世代交代が進み、相続をきっかけに空き家になるケースが目立ち始めている。

TX沿線ニュータウンエリアで起きていること

一方、松並・みずき野などTX沿線の新興住宅地は、まだ空き家化が本格化する段階には至っていない。ただし、2005年の開業から20年が経過し、当時30〜40代で入居した世代が高齢化し始めている。今すぐの問題ではないにせよ、10〜20年先を見据えれば、この世代交代がどう進むかが守谷市全体の空き家動向を左右することになる。

守谷市の空き家対策——バンク登録は「現在0件」

守谷市は「守谷市空家バンク」制度を設けている。売りたい・貸したい所有者と、買いたい・借りたい希望者を市が橋渡しする仕組みで、実際の契約交渉は茨城県宅地建物取引業協会の推薦を受けた不動産会社が担当する。平成30年5月には同協会と「守谷市空家媒介に関する協定書」を締結済みだ。

ただし特筆すべきは、守谷市公式サイトの「空家バンク登録物件紹介」ページを確認すると、登録件数が0件(本記事作成時点)となっていることだ。県内の他市町村では登録物件が一定数あるケースも多く、守谷市の登録0件という状況は、人口が増え続けているまちならではの現象と言える。空き家自体が少ないのか、所有者がバンクという形での流通を選んでいないのかは断定できないが、少なくとも「バンクを使えばすぐ売れる・貸せる」という状態ではない点は押さえておきたい。

空家バンクに登録できる条件

  • 個人が居住する目的で所有し、現在空家(近く空家になる予定を含む)である一戸建てであること
  • 賃貸・分譲を目的とした建築物でないこと
  • 大規模な修繕が必要な状態でないこと
  • 市税を滞納している者が所有していないこと

老朽化が著しく大規模修繕が必要な空き家は、そもそもバンクに登録できない仕組みになっている。

令和8年開始、クラッソーネとの連携協定

守谷市は令和8年、株式会社クラッソーネと「空家等除却促進に係る連携協定」を締結した(同社公式発表・守谷市公式サイトともに掲載)。この協定により、以下のサービスが守谷市版として利用できるようになっている。

  1. 家じまいの相談窓口:空家処分だけでなく利活用・売却を含めた出口戦略を無料で相談できる(クラッソーネ直通:0120-304-395)
  2. 解体費用シミュレーター:守谷市版の概算相場を確認できる(現地調査による正式見積りとは差異が生じる点に注意)
  3. すまいの終活NAVI:相続した実家の解体費用や解体後の土地売却査定の相場を確認できる

いずれも国土交通省の「空き家対策モデル事業」の採択を受けて開発されたサービスがベースになっている。あくまで概算把握のツールであり、正確な金額は現地調査を伴う見積りで確認する必要がある。

守谷市に「解体費用そのものへの補助金」はあるか

結論から言うと、守谷市には老朽化した空き家や建物の解体そのものを対象にした補助金・助成金制度は無い。この点は、当サイトの別記事「守谷市の解体補助金はある?条件・上限・申請時期を正直に解説【2026】」で公式情報にもとづき詳しく解説している。近隣のつくば市や龍ケ崎市には解体費用の一部を補助する制度があるため、「隣の市にあるから守谷市にもあるはず」と思い込まないよう注意したい。

ただし、解体費用そのものへの補助はなくても、空き家等活用コミュニティ推進事業助成金(自治会・町内会が空き家をコミュニティサロンとして活用する場合の助成)や、クラッソーネとの連携協定によるシミュレーター・相談窓口など、間接的に空き家対策を後押しする制度は用意されている。

具体的な解体費用の坪単価・相場については、当サイトの「守谷市の解体費用|2026年相場と見積もり30万円安くする秘訣」で詳しく解説している。

解体を検討する前に知っておきたい税金の変化

建物を解体して更地にすると、住宅用地の特例が外れ、翌年度から土地の固定資産税・都市計画税が上がる可能性がある。住宅が建っている土地は200㎡以下の部分が評価額の6分の1、200㎡超の部分が3分の1に軽減されているが、解体後はこの特例が外れる。目安として税額が最大4倍程度になるケースもあるため、解体前に必ず試算しておきたい。

なお、相続した空き家を売却する場合は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が使える場合がある。2024年1月以降は買主が取壊しを行う場合でも要件を満たせば控除の対象になった。適用には細かい要件があるため、税務署や税理士への確認をすすめる。

守谷駅周辺の商業集積も「まちの変化」の一部

守谷市の人口増加を支えてきたのは住宅開発だけではない。守谷駅東口の複合商業施設「ブランチ守谷」や、百合ケ丘の「イオンタウン守谷」など、駅周辺・沿線に生活利便施設が集積してきたことも、転入者を呼び込む要因になっている。TX守谷駅に直結する商業施設もリニューアルが行われており、駅前の商業機能は開業当初から更新が続いている。旧市街地の商店街とは別に、駅周辺に新しい生活圏ができあがったことも、守谷市の「まちの変化」を語るうえで欠かせない要素だ。

水害リスクへの備えも押さえておきたい

守谷市は利根川・鬼怒川・小貝川に囲まれた低地に位置しており、市では「守谷市防災ガイドブック」の中で洪水ハザードマップを公表している。国土交通省関東地方整備局も利根川の洪水浸水想定区域図(想定最大規模)を公開しており、守谷市域も対象に含まれる。空き家・実家の売却や解体を検討する際は、価格だけでなく、こうした水害リスク情報も合わせて確認しておくと安心だ。具体的な浸水深や想定区域は、守谷市防災ガイドブックまたは市都市整備部への確認をおすすめする。

実家が守谷市にある方へ——判断の順番

守谷市で実家や空き家の扱いに悩んでいる場合、次の順番で考えると整理しやすい。

1. 空き家バンクへの登録を検討する

賃貸・分譲目的でなく、大規模修繕が不要な状態であれば、まずは空き家バンクへの登録を検討できる。ただし現状は登録0件という状況もあり、必ず早期に成約する保証はない。

2. クラッソーネの無料相談・シミュレーターで概算をつかむ

守谷市と連携するクラッソーネの「家じまいの相談窓口」やシミュレーターを使えば、解体・売却双方の選択肢を含めた概算を無料で確認できる。

3. 解体するか、古家付きのまま売るかを比較する

守谷市には解体費用そのものへの補助金がないため、「解体してから更地で売る」か「古家付きのまま売る」かの費用比較が、そのまま手取り額に直結する。建物に再販価値があるか、解体費用が土地の価格上昇分を上回らないかを基準に判断したい。

よくある質問

Q1. 守谷市に空き家の解体費用を補助する制度はありますか?

A. ありません。守谷市公式サイトのFAQでも「実施しておりません」と明記されています(詳細は当サイトの守谷市解体補助金の記事で解説しています)。

Q2. 守谷市の空き家バンクには今どれくらいの物件が登録されていますか?

A. 本記事作成時点で、守谷市公式サイトの登録物件紹介ページ上は0件です。時期によって変動するため、最新情報は市の公式ページで確認してください。

Q3. 守谷市はなぜ人口が減っていないのですか?

A. 2005年のつくばエクスプレス開業により都心への交通利便性が向上し、区画整理による宅地開発が進んだことが主な要因です。国勢調査では昭和60年から令和2年まで一貫して人口が増加しています。

Q4. 守谷市で解体後に土地を売る場合、税金はどう変わりますか?

A. 建物を解体して更地にすると住宅用地の特例が外れ、翌年度から固定資産税・都市計画税が上がる可能性があります。解体前に必ず試算することをおすすめします。

Q5. 空き家バンクに登録すれば解体費用の補助が受けられますか?

A. いいえ。空き家バンクは売買・賃貸のマッチング制度であり、解体費用の補助とは別の制度です。

Q6. 相続した実家(空き家)を売る場合、税金の優遇はありますか?

A. 要件を満たせば「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が使える場合があります。2024年1月以降は買主が取壊しを行うケースも対象になりました。詳細は税務署・税理士へご確認ください。

まとめ

守谷市は、茨城県内では珍しく人口が増え続けているまちであり、空き家バンクの登録も0件という、他の市町村とは異なる状況にある。とはいえ、旧市街地エリアでは世代交代による空き家化が進んでおり、「うちも人ごとではない」と感じる方は少なくないはずだ。解体費用そのものへの補助金は無いという事実を前提に、クラッソーネの無料相談やシミュレーターを活用しながら、解体・売却・古家付き売却のどれが自分にとって得なのかを比較してほしい。解体Do!では、費用の内訳を明確にした見積りを無料でご提供している。まずはお気軽にご相談を。