茨城県南西部、鬼怒川と小貝川に挟まれた台地に広がる下妻市。「砂沼」の水辺と「多賀谷氏」の城下町としての歴史を持つこのまちでも、空き家の増加という全国共通の課題が静かに進んでいます。この記事では下妻市の人口・世帯の一次データ、空き家対策の制度、そして空き家が生まれやすい地区の特徴を整理し、「空き家をこれからどうするか」を考える材料をお届けします。解体費用の相場や補助金の詳細は別記事に譲り、本記事では下妻市というまちの姿と空き家の現状に焦点を当てます。
下妻市はどんなまち?人口・世帯の一次データ
下妻市の人口は令和8年(2026年)7月1日現在で40,997人、世帯数は18,169世帯です(下妻市公式ホームページ「人口と世帯」)。男性20,924人・女性20,073人とほぼ均衡しています。令和2年国勢調査の確定値では人口42,521人・世帯数16,407世帯で、前回の平成27年調査(43,293人)から772人減少しました。つまり、人口はこの数年で減少している一方、世帯数は増加傾向にあります。1世帯あたりの人員が小さくなっている、つまり「一人暮らし・二人暮らしの世帯が増えている」ことを意味しており、この構造こそが空き家予備軍の増加と直結します。
茨城県統計課のデータで見る位置づけ
茨城県のオープンデータ「市町村のデータ(下妻市)」では、常住人口41,048人・世帯数18,080世帯(令和8年4月1日現在)と公表されています。市公表値とはやや調査時点が異なりますが、おおむね4万1千人前後・世帯数1万8千前後という規模感で一致しています。県内44市町村の中では人口規模は中位に位置し、常総市・筑西市・八千代町など県西エリアの一角を占めています。
砂沼と多賀谷氏の城下町|下妻市の成り立ち
下妻市の中心市街地は、戦国時代に多賀谷氏が築いた多賀谷城(下妻城)の城下町を起源としています。市指定文化財「多賀谷城本丸跡」は今も本城町に残り、まちの歴史的な骨格を今に伝えています。また市のシンボルである砂沼は、江戸時代に灌漑用のため池として整備された人造湖で、現在は砂沼広域公園として市民の憩いの場になっているほか、「しもつま砂沼フェスティバル」の花火大会や、多賀谷時代まつりなど地域の行事の舞台にもなっています。こうした歴史的な市街地や旧集落は、道が狭く区画が古いことが多く、空き家が発生した際に建て替えや売却が難しくなりやすい地区でもあります。
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交通アクセス|関東鉄道常総線と圏央道
下妻市内には関東鉄道常総線の下妻駅・大宝駅・宗道駅の3駅があり、常総線は取手駅でJR常磐線に接続しています。都心へは取手駅経由でおよそ1時間半前後というのが目安です(乗換・待ち時間により変動)。道路面では圏央道の常総インターチェンジ(常総市)や、市内を南北に走る国道294号・125号が主要な移動手段となっており、車社会としての性格が強い地域です。鉄道の運行本数は都市部と比べて少なく、日常の移動は自家用車に依存する場面が多いというのが実態で、これは空き家の管理・処分を考えるうえでも「駅から遠い物件ほど買い手が car依存を前提に判断する」という現実的な条件になっています。
子育て・生活利便|広い土地と大型商業施設
下妻市には大型商業施設「イオンモール下妻」があり、周辺市町村からも買い物客が集まる県西エリアの商業拠点のひとつです。医療費助成(マル福)など茨城県共通の子育て支援制度に加え、市独自の子育て支援策も展開されています。宅地の区画が比較的広く取りやすいことも下妻市の特徴で、都市部からの移住・住み替え先として庭付き一戸建てを希望する層に選ばれることがあります。一方でこうした「広い敷地の持ち家」は、相続後に管理の手間や解体費用の負担が大きくなりやすく、空き家化した際の課題にもつながります。
下妻市の空き家対策|計画と制度の一次情報
下妻市は「空家等対策の推進に関する特別措置法」第6条に基づき、令和4年10月に「下妻市空家等対策計画」を策定し、令和6年度に内容を修正しています。計画の柱は「空家等発生の抑制」「空家等対策基盤の整備」「適正な管理の推進及び空家等の解消(除却促進など)」の3本です(下妻市公式ホームページ)。あわせて「下妻市空き家等の適正管理に関する条例」を根拠に、下妻市空家等対策協議会が設置され、行政代執行・略式代執行についても情報公開がされています。
民間事業者との連携協定
2024年10月、下妻市は空き家解体プラットフォームを運営する株式会社クラッソーネと「空き家除却促進に係る連携協定」を締結しました(下妻市公式ホームページ・PR TIMES発表)。老朽化した空き家の解体を、市と民間事業者が連携して後押しする体制が整えられています。市区町村単独では相談窓口の周知や解体業者とのマッチングに限界があるため、民間プラットフォームとの連携は近年多くの自治体で広がっている手法のひとつです。
空き家バンクとハンドブック
下妻市は空き家の有効活用と定住促進を目的に「空き家バンク制度」を運用しており、空き家所有者からの登録を受け付け、利用希望者に情報提供する仕組みを整えています。また2026年2月には「空き家対策ハンドブック」を作成・公開し、空き家を相続した場合の管理方法、売却・賃貸・解体それぞれの選択肢を分かりやすく整理しています(下妻市公式ホームページ)。制度の詳細や最新の受付状況は市公式ページで随時更新されるため、検討時は必ず最新情報を確認することが必要です。
解体費用補助金は別記事で解説
2026年7月1日から受付が始まった「下妻市空き家解体補助金」(対象経費の2分の1・上限30万円)の詳しい要件・申請方法は、当サイトの別記事「下妻市の空き家解体補助金|上限30万円・2026年開始」で解説しています。あわせて解体費用そのものの相場を知りたい方は「【2026年】下妻市 解体費用はいくら?相場と業者選び7つのコツ」をご覧ください。
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下妻市の地価動向|土地価格の目安
tochidai.info(国交省地価公示データの集計)によると、下妻市の2026年(令和8年)公示地価は平均2万3,037円/m2、坪単価では平均7万6,157円/坪です(全国順位924位、複数地点の平均値のため目安として参照)。住宅地に限ると平均1万8,820円/m2で、前年からの変動率は-0.21%とされ、県平均(3万4,760円/m2)と比べるとゆるやかな水準にとどまっています。下妻駅周辺の公示地価は平均2万8,350円/m2・坪9万3,719円/坪という調査結果もあり、駅からの距離によって価格差が生まれていることがうかがえます(tochidai.info、いずれも複数機関の集計値のため幅を持った目安として捉えてください)。
まちの変化の背景|人口減少と世帯の小規模化

下妻市の人口は平成27年(2015年)の43,293人から令和2年(2020年)の42,521人へ772人減少し、直近の令和8年7月時点ではさらに40,997人まで減っています。一方で世帯数は平成27年から令和2年にかけて微増しており、人口減少と世帯増加が同時に進む「世帯の小規模化」が続いています。これは核家族化・単身高齢世帯の増加という全国的な傾向と同じ構図で、親世代が住んでいた実家を子世代が継がずに手放す、あるいは空き家のまま放置してしまうというパターンが増える土壌になります。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計でも、茨城県全体で2050年にかけて人口が現在比2割以上減少すると見込まれており、下妻市のような県西の中規模都市ではこの流れがより早く表面化しやすいといえます。
エリア別の特徴|中心市街地と郊外集落
下妻市の中心市街地(本城町・大宝地区周辺)は多賀谷城の城下町を起源とする古い町割りが残り、狭小地・旗竿地・接道条件の悪い敷地が点在します。こうしたエリアでは空き家になった際に建て替えが難しく、解体して更地にしたうえで活用方法を検討するケースが目立ちます。一方、下妻駅や大宝駅から少し離れた郊外部は水田や畑が広がる農村集落が中心で、広い敷地に大きな母屋と納屋・蔵が建つ「農家型」の空き家が多いのが特徴です。この場合は解体費用が延床面積の大きさに比例して高くなりやすく、母屋だけでなく付属屋の扱いも検討が必要になります。
空き家を解体・活用するときに知っておきたいこと
下妻市空家等対策計画が掲げる「空家等の解消(除却促進など)」は、放置された空き家を減らすことを目的としています。特定空家等に認定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増える可能性がある点は全国共通の制度です。下妻市の場合、空き家バンクへの登録・売却・賃貸・解体のいずれを選ぶにしても、まずは建物の状態を把握し、解体するならどの程度の費用がかかるのかを見積もっておくことが最初の一歩になります。当社は解体だけでなく、土地活用や売却のご相談も含めて対応しておりますので、「解体すべきか、売却すべきか」といった判断に迷う段階からご相談いただけます。
下妻市の空き家、放置するとどうなるか
空き家を相続したものの手つかずのまま放置してしまうと、屋根や外壁の劣化が進み、台風や積雪で部材が飛散する、シロアリや害獣が棲みつくといった近隣トラブルの原因になりかねません。下妻市空家等対策計画でも「適正な管理の推進」が柱のひとつに掲げられており、管理が行き届かず周囲に著しい悪影響を及ぼすと市が判断した場合は「特定空家等」に指定され、指導・勧告・命令、最終的には行政代執行に至る可能性があります。行政代執行になれば解体費用は所有者に請求されるため、早めに自分の意思で解体・売却・活用のいずれかを選ぶほうが、費用面でも精神的な負担の面でも合理的です。所有者が遠方に住んでいて管理が難しい場合は、下妻市シルバー人材センターとの見守りサービスの活用や、空き家バンクへの登録も選択肢になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 下妻市の人口は現在どのくらいですか?
下妻市公式ホームページによると、令和8年(2026年)7月1日現在で40,997人、世帯数は18,169世帯です。令和2年国勢調査の確定値(42,521人)と比べると減少傾向にあります。
Q2. 下妻市に空き家の解体補助金はありますか?
2026年7月1日から「下妻市空き家解体補助金」の受付が始まりました。対象経費の2分の1・上限30万円が交付されます(要件の詳細は別記事「下妻市の空き家解体補助金|上限30万円・2026年開始」を参照)。
Q3. 下妻市の空き家バンクとはどんな制度ですか?
市内の空き家の有効活用と定住促進を目的に、下妻市が運営する制度です。空き家所有者からの登録を受け付け、購入・賃貸を希望する利用者に情報を提供します。詳細は下妻市公式ホームページで確認できます。
Q4. 下妻市の空き家対策計画はいつ作られましたか?
「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、令和4年(2022年)10月に策定され、令和6年度に内容が修正されました。「発生の抑制」「対策基盤の整備」「適正な管理の推進及び解消」の3本柱で構成されています。
Q5. 下妻市はどんな交通アクセスですか?
関東鉄道常総線の下妻駅・大宝駅・宗道駅があり、取手駅でJR常磐線に接続します。道路は国道294号・125号が主要幹線で、圏央道の常総ICも利用圏内です。日常の移動は自家用車が中心となる地域です。
Q6. 下妻市の空き家は今後も増えますか?
人口は減少傾向にある一方、世帯数は増加(世帯の小規模化)が続いており、単身・高齢世帯が持ち家を維持できなくなるケースは今後も増えると見込まれます。市も民間事業者との連携協定を締結するなど対策を強化しています。
まとめ
下妻市は砂沼と多賀谷氏の城下町という歴史的な資産を持つ一方、人口減少と世帯の小規模化という全国共通の課題にも直面しています。空家等対策計画の策定、クラッソーネとの連携協定、空き家バンク、そして2026年7月開始の解体補助金と、市の対策は着実に整備が進んでいます。ご実家や所有する空き家をどうするか迷ったときは、解体・売却・活用のいずれの選択肢も含めて、早めに専門家に相談することをおすすめします。
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